グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第117話 捜査

お楽しみ会会場

 

「ふむ・・・。」

 

智花たちから状況を

聞いた鳴子は軽く頷いた。

 

「お楽しみ会のために用意した

 人形がなくなった。そして第1発見者は

 ロウ君か。」

 

「そうなるな。」

 

「いろいろ探したんですけど、

 見つからなくて・・・。」

 

その時、ドアが勢いよく開く。

 

「どうした遊佐。私を呼び出して、

 なにをさせるつもりだ。」

 

「生天目?」

 

「やあ、生天目君。今日は君の

 力を借りたいと思ってね。」

 

鳴子はにやりと笑う。

 

「ほう?」

 

「みんなが楽しみにしてた会が遅れちゃ

 大変だ。可愛い後輩に依頼されてね。

 調べてみようか。」

 

「・・・何の話だ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後

 

「じゃあ、簡単なところから始めようか。」

 

会場にノエルが来たところで

鳴子は話し始める。

 

「一番大事な事実として・・・・

 1、この部屋には鍵がかかってなかった。

 2、人形のことは大部分の生徒が知らなかった。

 3、人形が消えたのは15時~17時の間。だね?

 だれか見張りをつけたりはしてなかったね?」

 

「まさか人形が消えるとは思わないからな。」

 

「ま、話を聞く限り、高価な人形って

 わけじゃない。ところで、人形は4人の生徒を

 ひとまとめにしたものらしいけど・・・・

 バラバラになったりする可能性は?」

 

「あとでプレゼントできるようにバラバラに

 できるって話やけど・・・。」

 

「まあ、それでもはさみでも使わなきゃ

 バラバラにはならないだろう。」

 

まったく、面倒なことだな・・・こりゃ。

 

「じゃあ、次は容疑者の絞り込みと

 行くか・・・とはいってもな・・・。」

 

まいったというような顔で笑う。

 

「・・・白藤香ノ葉。監視の魔法を

 使わなかったのか。」

 

つかさが香ノ葉に尋ねる。

 

「え!? ま、正宗たちのこと? そ、そりゃあ

 使えるけど・・・今日は使ってへんて! ウチも

 盗まれるとは思わんかったし・・・・。」

 

「生天目君、重要な着眼点をありがとう。でも

 彼女は魔法を使っていない。」

 

「なぜわかる?」

 

「魔法を使って監視していたなら、ロウ君が

 第一発見者の時点で犯人を隠す理由がないからだ。」

 

「・・・理解できん。犯人より人形を

 探した方が早そうだ。」

 

つかさは会場を後にする。

 

「逆に白藤君。君のロウ君に関する発言はあまり

 信用できない。例え、君がおっかけ正宗を

 ロウ君に張り付かせていたとしても、ね・・・。」

 

「ギク。」

 

ああ、あの気配はそれか・・・。

 

ロウにははっきり気づかれていた。

 

「盗難があったと聞いたが、本当か?」

 

話を聞きつけた聖奈が入ってくる。

 

「おっと、結城君。まだ盗難と

 決まったわけじゃない。」

 

「そんな! なくしたりなんかしません・・・・。」

 

「どっちともわからねえけどな。」

 

「確かにそうだ。今の時点でどうなったと

 決めつけるのはよくない。なるべく、

 ニュートラルな姿勢で調べよう。」

 

「15時から16時半なら、この部屋を

 見ていたぞ。」

 

「それはまた、どうして?」

 

「廊下の端に天文部があるだろう。あそこの

 活動について聞き取りしていた。」

 

「1時間半もか?」

 

ロウは腕時計を確認する。

 

「ああ、問題が多い部活だからな。

 あそこは。」

 

否定できねえ・・・。

 

「1時間半も聞き取りとはまた・・・ちゃんと

 天体観測には行ったんだろ?」

 

「どちらにしろ、入った連中は天文部も

 見ている。証人になるだろう。」

 

「じゃあ、さっそくだけど、15時に

 南君たちが出て行ったあと、この部屋に

 入ったのは誰?」

 

「・・・・・そこにいる、冬樹ノエルだ。」

 

聖奈はノエルを指さした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しっかし、どうなってんだか・・・。」

 

鳴子がノエルから事情を

聞いている間、ロウたちは別の部屋にいた。

 

「・・・ロウ。」

 

「ん、なんだ会計。」

 

「お前ならあの部屋から人形を

 盗める、か?」

 

「急だな。」

 

取り出そうとしたデバイスを

ポケットに入れなおす。

 

「そんな・・・。」

 

「なんで俺だと?」

 

「お前の能力だ。それならば悟られることなく

 人形を持ち出すことができる。」

 

「・・・・確かにな。だが会計。それには

 大きな問題が2つあるぞ。」

 

指を1本立てる。

 

「まず、俺に盗む動機がない。そして

 もう1つ。それをするにはあまりにも

 リスクが高すぎる。」

 

「リスクだと?」

 

「お前は恐らく、俺が透明の『ROOM』を

 張った、と思ってるんだろ?」

 

「ああ。」

 

「確かにできる。だが1度使えば数日は

 動けなくなる。これは俺自身で実証済みだ。」

 

あくびをする。

 

「な・・・・。」

 

「数日も動けないリスクを押してまで

 人形4個盗むほど、俺は酔狂じゃねえよ。」

 

「そ、そうだな・・・すまない。

 勝手な憶測で・・・。」

 

頭を下げる。

 

「・・・・。」

 

ロウは顎に手を当て、考え始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、智花、生天目の

事情が効き終わった。

 

「・・・・・。」

 

遊佐の話では、冬樹は人形があった

長机を交換。南は窓とカーテンを閉めただけ。

生天目は部屋をのぞいただけ。そして

その時に人形はなかった・・・・。

 

「・・・はあ、ますますわからん。」

 

頭をポリポリと掻く。

 

「ロウー!」

 

「ん、岸田か。どうした。」

 

「部長いない?」

 

「ああ、その部屋にいるぞ。なんか

 あったのか?」

 

「明日の分の記事ができたのよ! これは

 会心の出来だわ!」

 

自画自賛しながら頷く。

 

「へえ、見せてみろ。」

 

「いいわよ、ほら。」

 

記事を手渡す。

 

「・・・ん? これ・・・・

 お楽しみ会の写真か。」

 

写真をじっと見る。

 

「岸田、この写真いつ撮った?」

 

「え? さっき、お楽しみ会の会場よ。

 

「・・・なるほど、どうやら、お前にも

 話を聞いた方がよさそうだな。」

 

「え? え?」

 

 

 

 

 

 

廊下

 

「・・・・・?」

 

なにかあったのかというように

ありすは首を傾げた。

 

「あ、ありすちゃん! 手芸部にいたんだ!」

 

「・・・ぁぃ・・・ど・・・した・・・

 ぇす・・・?」

 

「う、ううん! なんでもない! ちょっと

 始まるのが遅れてるだけだから!

 始められるようになったら呼ぶから、

 お楽しみ会、来てね!」

 

「・・・ぁ・・・・・ぁの、待って・・・

 ぁす・・・。」

 

ありすは手芸部の部室に

戻っていった。

 

「・・・い、言えないよね。ありすちゃんの

 人形がなくなったなんて・・・。」

 

「はぁ・・・浦白さんの人形もお願い

 してたんだけどなぁ・・・。」

 

「え? 浦白さん?」

 

「うん。入学日が微妙だからちょっと前に

 お願いして作ってもらってて・・・」

 

「・・・・・・。」

 

智花とノエルが話している様子を

ロウは見ていた。

 

「さて・・・。」

 

会場に入る。

 

「? どうした、ロウ。」

 

「会計、お前が部屋にいた時、

 岸田を見たか?」

 

「・・・・・いや、見ていないな。

 岸田は要注意人物だからな。いれば

 絶対に気づく。」

 

「・・・なるほど。」

 

ピピピピピ!

 

「む?」

 

聖奈のデバイスが鳴る。

 

「風紀委員? こんな時に何を・・・・

 ・・・・!? なんだと!?」

 

デバイスを見た聖奈は

驚きの声を上げる。

 

「どうした。」

 

「い、いや、今日来るはずの生徒の

 入学が遅れるとな・・・。すぐ確認に

 行ってくる。」

 

部屋を後にした。

 

「・・・・なるほど、そういうことか。」

 

ロウはにやりと笑った。

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