グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第119話 いやな予感

ある日の学園

 

教室

 

「えっと・・・私のせい、

 なのかな・・・。」

 

智花が夏海と怜に話していたのは

自分が発動したのではないかと言われる

時間停止の魔法のことだ。

 

「そんなの信じろってのが難しいけど

 ホントなの?」

 

「例の魔法が今年も継続していたのは

 間違いない。」

 

「私、3月31日は11時くらいに

 寝たから・・・。」

 

「なら、意志を持って発動したという

 わけじゃないな。」

 

「でも、世界全体に影響する魔法が

 私に使えるなんて・・・。」

 

智花はいまだに信じられていない。

 

「そんな魔法なら、大量の魔力が

 必要なはずだ。・・・翌朝も普通

 だったんだろ?」

 

「うん。だから魔法を使ったなんて

 気づかなかったし・・・。」

 

「そんなの簡単じゃん、ロウでしょ?」

 

「ん?」

 

「え?」

 

2人の声が重なる。

 

「魔力がないなら、あいつの魔力使うしか

 ないじゃない。」

 

「ロウが智花に協力を?」

 

「・・・もしかして、智花! あんた・・・

 ロウと一緒にいた?」

 

「な、なんだと!?」

 

夏海と怜は智花を見る。

 

「えええ!? そ、そんなわけないよ!」

 

「だってあいつの魔力譲渡って、距離制限

 あるでしょ!? もし時間停止を使ったなら

 ロウがいたはずじゃない!」

 

「む、むぅ・・・そうでなければ

 辻褄が・・・。」

 

「ちょっと怜ちゃんまで! 一緒に

 なんていないから!」

 

「ムキになって否定するわね・・・怪しい!」

 

「するよ!」

 

「いくらなんでも飛躍しすぎた。まさか

 とも、かが、ろ、ロウと・・・。」

 

途中から言葉が詰まりだす。

 

「だから怜ちゃん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

廊下

 

「おー、智花があんな大声出すの

 珍しいな。」

 

3人のいる教室の前に

千佳と律がいた。

 

「・・・なんか、不穏な話してない?

 あの3人がうちみたいな話を・・・。」

 

「どこが千佳みたいな話なんだよ。

 部屋に誰か泊めたことあんの?」

 

「ちょ、ちょ! あいつら、そんな話

 してんの!? てか聞こえんの!?」

 

「ロウが智花の部屋に泊まったとか

 なんとk・・・・ええ!?」

 

話ながら、律は驚く。

 

「えええ!?」

 

「間宮さん、どうかしました?」

 

千佳の声を聞いて、ゆえ子が

やってくる。

 

「ろろ・・・ロウと智花っちが・・・。」

 

「?」

 

何のことかわからず、首をかしげる。

 

「ちょ、ちょっと前まで元気ないと

 思ってたのに・・・すっげぇ元気じゃん

 智花っち・・・。」

 

「そーいう問題か? いやでもあれだろ。

 んなわけねーだろ。」

 

「な、なんで!? なんでか智花っち

 ロウには敬語だけどさ! 要所要所で仲いいっしょ!?」

 

「ロウってそんな感じじゃね? 

 ロックだよなー。」

 

「わかってない・・・律はわかってない。

 思春期なのよ!?」

 

千佳は律の肩を揺さぶる。

 

「・・・何のお話ですか?」

 

 

 

 

<千佳、ゆえ子に説明>

 

 

 

 

「・・・えええ?」

 

そして、この話は徐々に広まっていく。

 

 

 

 

 

図書室

 

「えええ!?」

 

「ほえほえ?」

 

 

 

 

 

薔薇園

 

「な、なんですって!?」

 

「げぇ!!」

 

「あのれ、ロウ・・・!!」

 

 

 

 

 

茶道部部室

 

「なんや、なんか学園が

 騒がしいなぁ・・・。」

 

香ノ葉はゆっくりとお茶をすする。

 

「み、みなさん聞いてください!」

 

慌てた様子で葵が部室に入る。

 

「ソフィアちゃんおらんで。ウチ1人。」

 

「ろ、ロウさんと南さんがご結婚なさると!」

 

「・・・・・・・・・・・。

 ぶ、ぶー!!」

 

飲んでいたお茶を思わず吐き出してしまう。

 

「な、なんやのんそれー!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、渦中の男は・・・・・・

 

山奥

 

「へっくし!! ・・・・へっくし!!」

 

「オー、ロウさん、お風邪ですか?」

 

「いや、そんなはずは・・・。」

 

ソフィアとともにクエストに行っていた。

 

「・・・・・・。」

 

ロウは学園の方向をじっと見る。

 

「? ロウさん?」

 

「・・・いや、なんでもねえ。

 ・・・ところで」

 

「?」

 

「そのスコップはなんだ?」

 

ソフィアの背中に背負ったスコップを

指さす。

 

「あ、このスコップですか? これは

 温泉を掘るため・・・・・ではなく!

 魔物を倒すためのうぇぽんとして持ってきました!」

 

・・・こいつ・・・。

 

「これさえあれば、どんなへびーな

 岩盤でも・・・ではなく! どんなすとろんぐな

 魔物でもあっという間です!」

 

「お前隠す気ねえだろ。」

 

「な、なに言ってるんですか~! さぁ、

 ごーです! 見事名湯を掘り当て・・・ではなく!

 見事魔物を倒して気持ちよくすぷりんきんぐしましょう!」

 

 

 

 

<ロウ、ソフィア、移動中>

 

 

 

 

「・・・・・・。」

 

ロウはまた学園の方向を見る。

 

「なにかありましたか? ロウさん。」

 

「・・・越水。」

 

「はい?」

 

「・・・急いで学園に戻るぞ。」

 

「ええ!?」

 

「なんでかはわからねえが、急いで

 学園に戻ったほうがいいような・・・

 そんな予感がな・・・。」

 

妙に嫌な予感もするしな。

 

「というわけだ。お前の温泉探しは

 いったん後回しだ。速攻で終わらせる。」

 

「そんなぁ・・・・・・はっ!」

 

慌てて手で口を押える。

 

「いや、もう気づいてる。」

 

「あうあう・・・が、がんばってしーくれっとに

 していたのに・・・ロウさん、すごいですね!」

 

誰でも気づくだろ・・・・。

 

ロウは心の中であきれる。

 

「こうなってはしかたありません・・・・・

 いかにも、ワタシは温泉を探しています!」

 

「だからわかってるって。」

 

「このあたりにはぐっどな温泉が少なくて

 ですね。魔物を倒して安全にして、そこに

 旅館があれば・・・みなさん、安心して湯治が

 できるわけですよ!」

 

「なるほど・・・・・・ !

 越水。話してるところ悪いが、魔物が来ている。」

 

鞘から刀を抜く。

 

「!」

 

ソフィアも身構える。

 

「さっきも言ったが、・・・速攻で終わらせる。

 『ROOM』!」

 

青いサークルを作る。

 

「行きますよー! ええい!」

 

水と炎を作り出し、魔物に浴びせる。

魔物はそれをかわそうとする。

 

「『タクト』!」

 

ソフィアの魔法の軌道を変え、

魔物に浴びせる。

 

魔物は霧散するが、さらに大きな

魔物が出てくる。

 

「『切断(アンビュテート)』!」

 

刀を何度も振り、一気に魔物を切り刻む。

 

魔物はうめき声をあげ、霧散する。

 

「Mission Complete・・・」

 

刀を鞘にしまう。

 

「・・・あっ!? もしかして

 今のが討伐対象でしたか!?」

 

「ああ。」

 

「あうあう・・・た、倒したらすぐに

 帰らないといけません・・・。」

 

「だから、こんなに急ぎ足で終わらせたんだよ。

 ほら、さっさと帰るぞ。」

 

「ぷ、ぷりーずうぇいと! ま、

 待ってください~!」

 

 

 

<ロウ、ソフィア、移動中>

 

 

 

 

学園

 

「・・・なんだか、騒がしいですね?

 なにかあったんでしょうか?」

 

「やっぱり予感は当たったか・・・・。」

 

深くため息をつく。

 

「あっ! ろろ、ロウさん!」

 

校舎から出てきた紗妃は

ロウのもとに走り、思い切り肩をつかむ。

 

「?」

 

「あなたという人は・・・あなたという人は!!」

 

何度もロウを揺さぶる。

 

「お、おー・・・氷川さん、とっても

 あんぐりーです・・・。」

 

「確かにな・・・氷川、一体

 なにが」

 

ピピピ!

 

「ん?」

 

ロウのデバイスが鳴り、

画面を見る。

 

「デバイスを見てないで、私と一緒に

 風紀委員室へ!」

 

「・・・・・。」

 

デバイスの画面を見たまま、

固まり、目を大きく開く。

 

「ろ、ロウさん?」

 

「どうしました?」

 

紗妃はロウのデバイスを覗き込む。

 

「・・・・・・!!

 か、科研が・・・・魔物に!?」

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