グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第121話 ロウと間ヶ岾

科研 データセンター前

 

「ロウ! ここよ。この先に

 アイツらがいるはず・・・!」

 

「ここか・・・。」

 

さて・・・タイミングを

見計らって・・・。

 

にやりと笑う。

 

「あの連中、旧科研でもデータを

 奪っていた。きっと今回も・・・派手な

 声明を囮にして、データを狙ってるに

 違いないわ!」

 

2人はドアの前に立つ。

 

「く! 漏れちゃマズいものしかないのに!

 ジジイども、破壊くらいしろっての!」

 

「んで、どうする気だ?」

 

「ヤツら、中にいるはずだから、ドアを

 開けた瞬間、ぶっ放すわよ。」

 

「・・・まあ、致し方ねえな。」

 

刀の柄に手をかける。

 

「3つ数えるからね。行くわよ・・・

 さん、にい、いち・・・・」

 

パァン!!

 

突如、銃声が聞こえた。

 

「!?」

 

「・・・う・・・・」

 

パァン!!

 

「ああ!!」

 

銃弾は天に2発あたり、

天は崩れ落ちる。

 

「如月!!」

 

「やれやれ・・・中の人間は一般人だよ。

 魔法での殺戮を止められてよかった。」

 

「誰だ!!」

 

懐から銃を取り出し、構える。

ロウの視線の先には黒のスーツに

白髪の男が拳銃をこちらに向けていた。

 

「・・・・? お前は・・・。」

 

「誰だと思うね?」

 

男は穏やかにほほ笑む。

 

「・・・・・。」

 

あの顔・・・どこかで・・・・

 

「・・・・!! お前、まさか・・・・

 だが、そんなバカな・・・。」

 

ロウは銃を向けながら

数歩後ずさる。

 

「・・・間ヶ岾・・・・昭三・・・!!」

 

「!!」

 

「・・・くくく・・・間ヶ岾昭三は

 すでに死んだのではないのかね?

 だが、ご名答だ。」

 

パチパチパチと拍手を鳴らす。

 

「けど、ありえない・・・! 間ヶ岾は

 まだ30代・・・死体は確認されている・・・

 あんた、まさか・・・裏世界の・・・!!」

 

「ふん、政府に公表したのが間違いだったな。

 おかげで、君たちが気付いていることを

 知れたよ。そして、如月天・・・・

 お前のことも、知った。」

 

間ヶ岾は天に近づく。

 

「く!!」

 

ロウはとびかかろうとする。

 

「おっと、動かないほうがいい。」

 

銃口を天に向ける。

 

「ちぃ・・・!」

 

「や、やめ・・・。」

 

「寿命を縮めてまで、魔法使いの肩を

 持つ愚か者め。」

 

間ヶ岾は天の背中に触れる。

 

「!! まさか・・・!!」

 

「背中の生命維持装置を抜けば、

 三日ともたずに死ぬそうだな。」

 

無理やりエナジーシェルを引き抜く。

 

「・・・・ぁぁ・・・!!」

 

「体に魔導機器を埋め込み、自らを

 実験台にし、ご苦労なことだ。その努力も

 ここで私に会ったことで水の泡だな。

 ・・・そのまま死ぬがいい。」

 

「・・・・・。」

 

ロウに向き直る。

 

「・・・さぁて、君のことも知っているぞ。

 『相田ロウ』君。」

 

「・・・ちっ、やっぱバレてるか。」

 

「ふふ・・・当然じゃないか。

 天羽氏の関係者だからね。それに、

 君は一度、我々の考えに賛同していたじゃないか」

 

「勘違いするな。俺があの時いたのは

 天羽の情報を得るためだけだ。」

 

・・・如月のやつ、たぶん聞いてるな・・・

まあ、仕方ねえか・・・。

 

ピピピピピ!

 

ロウの思考を邪魔するように

デバイスが鳴る。

ロウはデバイスを手に取る。

 

『ロウ君、天。聞こえる?』

 

「今取り込み中な。」

 

『! 何かあったの?』

 

「・・・これは・・・。」

 

「・・・結希・・・まがや」

 

「!!」

 

自らの名前を出されかけた

間ヶ岾は天の体を何度も蹴る。

 

「ぐぅ・・・!!」

 

「・・・悪い、いったん切るぞ。」

 

『!! ロウく』

 

無理やり通話を切る。

 

「さて、通話も終わったようだ。」

 

銃を放ち、天のデバイスを破壊する。

 

「君の分も出してもらおうか。」

 

「・・・・。」

 

「あまり変なことは考えないほうがいい。」

 

銃口をロウに向ける。

 

「君がろくに魔法を使えないこともわかっている。

 多少筋力が上がったところで、拳銃の

 弾を防ぐことができると?」

 

「できるわけねえな。一回体験したし。」

 

「・・・ろ、ロウ・・・・にげ、なさい・・・。」

 

「・・・如月。」

 

「アンタ・・・だけは・・・・死んだ、ら・・・

 世界が、終わる・・・。」

 

とぎれとぎれの言葉でロウに訴える。

 

「・・・くくく・・・。」

 

天の言葉で間ヶ岾は笑い出す。

 

「・・・何がおかしい。」

 

「貴様らは勘違いしている。・・・世界など、

 とうに終わっているのだよ。」

 

「どういうことだ。」

 

「霧が現れた時点で、新しい世界が始まって

 いるのだ。貴様らは進化した。だが・・・・

 その進化を促した霧をあろうことか敵とみなした!!」

 

「!!」

 

「救いがたいクズめ、霧が・・・貴様らが

 魔物と呼ぶものがいずれは、人類すべてを

 次のステージに連れていくというのに。」

 

・・・次の、ステージ・・・?

 

「裏世界だと!? 裏はむしろこちらなのだ!!

 貴様らはオリジナルからコピーされた

 ()()()に過ぎん! 紛い物は紛い物

 らしく、死に絶えるがいい。」

 

「てめえ・・・!!」

 

「ふん、なんだ、君のような人間が

 こんなことで激怒するのか?」

 

「・・・つくづくあんたらを抜けてよかったよ。

 お前のようなサイコ野郎についていく気なんて

 ハナっからなかったけどな。」

 

「!!」

 

パァン!! パァン!!

 

「く・・・!?」

 

持っていた銃と刀を弾かれる。

 

「・・・よし、こうしよう。君が

 そのデバイスを出さなければ・・・」

 

「ぅぐ・・・!」

 

天の髪をつかみ、持ち上げ

銃を頭につける。

 

「この女を殺す。デバイスを出せば、

 ここで撃つのはやめておいてやる。

 どうだ?」

 

「・・・・ふん。」

 

デバイスを地面に置き、

間ヶ岾のもとへ蹴って渡す。

 

「よろしい。」

 

受け取ったデバイスをすぐに破壊する。

 

「まあ、賢明な判断とは言えないがね。

 この女を救う手段はもうない。」

 

「・・・・。」

 

宍戸の奴、なにやってやがる・・・。

 

「さて・・・これで君たちの場所を

 知ることはできなくなった。」

 

銃口を再びロウに向ける。

 

「残念だよ・・・ロウ君。

 ・・・・死ね。」

 

パァン!!

 

「・・・が・・・・!!」

 

撃たれたロウは地面に倒れた。

 

「くくく・・・。」

 

間ヶ岾は足早に去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ろう・・・ロウ・・・

 いき、て」

 

「ああ・・・死ぬかと思った。」

 

何事もなかったかのように

ロウは立ち上がった。

 

「!? な、なん、で・・・。」

 

「これだよ。」

 

戦闘服のコートの下を見せる。

 

「・・・それは・・・。」

 

「俺特製の防弾チョッキだ。撃たれれば

 赤い水が出る仕掛けがついてる。

 ・・・どうやら、奴は行ったようだな。」

 

「急いでる証拠よ・・・。本当は、私たちと

 会いたくなかったはず・・・ごほ!!」

 

「! 無理をするな。」

 

「聞きなさい。」

 

天はロウの戦闘服をつかむ。

 

「・・・・なんだ?」

 

「今から、この部屋に入って、データの

 強奪を・・・防ぐ。間ヶ岾が、いな、ければ

 アタシでも、なんとかなる。」

 

「・・・そのけがでか?」

 

「絶対に、データは盗らせない。だから・・・

 肩を・・・貸し・・・なさい。」

 

「・・・だめだ。お前はここで休んで」

 

ロウの胸倉をつかむ。

 

「貸しなさい・・・って、言ってんのよ!

 早くしないと・・・データを守れないまま・・・。

 テロリストにデータを渡して、ただ死ぬなんて

 プライドが許さないわ!!」

 

「・・・ったく、この純粋科学者が。」

 

ロウは落ちた銃と刀を拾った。

 

 

 

 

 

 

データセンター

 

「づぅ・・・!!」

 

痛みに耐えながら、テロリストたちを

威嚇する。

 

「だから休めっつったろ。」

 

「ま、まだよ。あいつら、外に送信

 してるはず。セキュリティを突破するのに

 相当時間をかけたはずよ。」

 

「だったら、それは俺がやっとく。

 だから休め。」

 

無理やり横にさせ、ロウは

キーボードを操作する。

 

「・・・・ところで、さっきの、

 話・・・・。」

 

「・・・ああ、あれか。勘違いするなよ。

 俺は共生派なんてのじゃねえよ。」

 

さぁて・・・。

 

こっそり、USBを挿し、情報を送信させる。

 

「それに俺がまだあっち側の人間なら、

 とっくに学園に攻め込ませるように誘導してる。」

 

「・・・・それも、そうね・・・。」

 

そのとき、ドアが開く。

 

「あっ、あんたたち、やっと

 見つけ・・・ひっ!?」

 

「ん、守屋か。」

 

送信され終わったUSBをしまう。

 

「な、なんでこんなにけがしてるのよ!

 浅梨、浅利! あんた、回復魔法

 つかえたわよね!?」

 

「つ、使えるってほど使えませんが・・・。」

 

「一応言っとくが、これただの

 赤い水な。」

 

「そ、そうなの・・・。浅梨、ロウの

 魔力を使ってどうにかならない?」

 

「わ、わかりました!」

 

浅梨は天の治療を始める。

 

「あとは、結希に・・・」

 

ドォン!!

 

「きゃ!!」

 

「守屋、そのまま連絡続けろ。あいつらは

 俺がやる。」

 

 

 

 

 

 

十分後

 

「我妻、どうだ?」

 

「わ、私、回復魔法は擦り傷くらいしか

 治せないので・・・何とか銃創を塞げました

 けど・・・血が止まらないんです。」

 

「くそ、まずいな・・・!」

 

「・・・科学者の子はここか?」

 

「!!」

 

眼鏡をかけた男が部屋に入ってくる。

 

「あ、アンタ誰よ?」

 

「神宮寺初音の兄です。この・・・

 エナジーシェルを届けに来ました。」

 

緑色の石を取り出す。

 

「それ・・・。」

 

「わかった、すぐに背中に。」

 

ロウは天の体を動かす。

 

「・・・この穴か・・・狂ってる。

 自分で追い込むなんて・・・。」

 

そういいながらも、エナジーシェルを入れる。

 

「・・・ぅう!」

 

壁を支えにして立ち上がる。

 

「結希・・・黙ってたわね・・・!

 ぶっ飛ばしてやる・・・!」

 

「その元気があるなら十分だな・・・。」

 

その後も続き、なんとか

霧の護り手を退けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

寮 ロウの部屋

 

「さて・・・と。」

 

科研で手に入れた情報を

閲覧するため、パソコンを立ち上げる。

 

「・・・結構情報入ってるな・・・。」

 

少しずつスクロールしていく。

 

「・・・な!?」

 

ある情報を目にし、思わず立ち上がる。

 

「・・・これは・・・・。」

 

ロウの手が震える。

 

「・・・来栖焔は・・・人工的に

 つくられた・・・・!?」

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