グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
研究室
「・・・ロウ君が霧の護り手に
関係が・・・?」
「ええ、間ヶ岾とそんな会話をしていたのを
聞いてたわ。」
天は科研で聞いたロウと間ヶ岾の
会話について結希に話していた。
「もしそれが本当なら・・・・」
「とりあえず、風紀委員には報告
しといたわ。」
「!!」
「当然でしょ? とはいえ、なにか
わかるとは思ってないけど。」
傷を押さえながら、椅子に座る。
「・・・それで、ロウ君は
今どこに・・・?」
「ああ、あいつなら多分・・・」
キャンプ場
そのロウは湖の近くで
大きく伸びをしていた。
「しかし、俺がキャンプとはな・・・・。」
「山だー、海だ―! ヤッホー!!」
ロウの隣では
律が叫んでいる。
「律氏、海じゃないっすよ。
湖ですって。」
自由はそうつっこむ。
「わあってるわあってる。お決まりって
やつだよ!」
「テンション高すぎるぞ・・・・。」
「キャンプだぞキャンプ! ワクワクしねえ
ほうがおかしいっつーの。」
「そうっすか? 力仕事多そうだし、
眠いし、早く学園に帰りたいっすけど。」
眠そうな声で話す。
「なーにもったいないこと言ってんだよ。
いざとなったら、ロウに頼ればいいんだよ。
な、ロウ!」
思い切りロウの肩をパンと
叩く。
「え、いーんですか!? さっすが
先輩! 頼りになりますねー。」
「誰が言ったよ。」
「音無さーん! 小鳥遊さーん!」
「ん? あ、桃世先輩。」
ももが走ってくる。
「はあ・・・はあ・・・うー熱い。
天気がいいから汗が・・・。」
「お、ももじゃん。なんだなんだ?
早速あたしのギターの出番か?」
「あ、ううん。えっとね、あっちの
木の下でテントを配ってるから
各班の子は取りに来るようにって。」
「早々に力仕事か。ま、とりあえず
さっさと片づけるか。」
ロウはテントを取りに
向かおうとする。
「はあ・・・はあ・・・もう・・・
だめ・・・です・・・も、
動け・・・」
大量の汗を流した
ゆえ子が地面に倒れる。
「さ、西原さん! 大丈夫ですか?」
「ゆ、ゆえのことは・・・・置いて・・・
先に行って・・・・ガクリ」
「西原さーん!」
「おーい、これからテントの組み立てとか
あるらしいぞ。まじ大丈夫かー?」
「西原氏、相変わらずっすね・・・・・。
無理しないほうがいいっすよ。」
「す、少し休めばテントの組み立て
くらい・・・・ゆえもできます・・・・。」
ももに支えられ、何とか立ち上がる。
「・・・それよりも、お伝えしなければ
ならないことがありまして。」
「お、なんすかなんすか。
面白いことっすか?」
「ええとですね・・・」
ゆえ子が話そうとしたとき
「んー・・・ここらへんって聞いたけど
見当たらないなぁ・・・。」
「ん? この声・・・。」
「あ、みんなこんなところにいたんだ。」
智花が駆け寄ってくる。
「もう準備始めてるよ?」
「と、智花先輩・・・!」
「智花先輩、何かお探しなんですか?」
「飯盒炊飯で使う道具を配り始めてるって
聞いたんだけど・・・どこかで
見なかったかな?」
「飯盒炊飯の道具でしたら、あっちの
川辺で配ってますよ。」
川辺周辺を指さす。
「・・・あ、本当だ! さっきあそこ
通ったのに気づかなかった!」
「あ、あのぉ、つかぬ事を伺いますが
・・・智花先輩が飯盒炊飯の担当を?」
「うん。お肉もお野菜もちゃーんと
持ってきたよ。いつもは調理室での
お料理だったから、飯盒炊飯ができるなんて
楽しみだね♪」
にこりと笑う。
「へ、へえ! そうなんすか!」
「みんなもロウさんも、私たちの班の
カレーができたら食べに来てくださいね。
張り切って作りますから!」
「い、いや、全員で行ったらお前らの
分がなくなるんじゃ・・・。」
「大丈夫です! 材料は少し多めに
持ってきましたから!」
「そ、そうか・・・・・。」
「じゃあ、私、道具を受け取って
お料理しないとだから・・・。」
そう言って、道具を取りに行った。
「・・・智花が飯盒炊飯担当か・・・。」
律は涙目になる。
「ま、まずいっすよ! 智花先輩に
料理なんてリーサルウェポンじゃないっすか!!
キャンプで死人が出るとか、自分
いやっす!」
「・・・さすがにそこまででは
ないと思いますが・・・。」
「いや、あいつならやりかねん。」
「でもさ、担当って言っても、智花が
料理するとは限んないんじゃね?
野菜洗うだけとかさ。つか今下手に止めたら
不審に思われそうだし・・・・。」
「音無。お前、あの様子で野菜を
洗うだけに見えるのか?」
「・・・・ねえよな、やっぱ。」
がっくりと肩を落とす。
「せめて調理に手を出されないよう、
自分らでなんとかするしかないっすよ!」
「・・・それしかないな。」
「ひとまずテントを組み立てて、
とっとと智花んとこ行くぞ!」
そう言って、ロウ、自由
律は走り出した。
自らの命を守るために。
「先輩、どうっすか? 智花先輩の
様子は。」
3人は近くの茂みに身を隠していた。
「今のところは野菜を洗っているだけだな。
だが油断はできねえな・・・。」
「もし何かしそうなら、早めに
止めないと・・・。」
「でもあからさまに止めちゃ
だめだしなー。」
3人の視線の先では
智花が鼻歌を歌っていた。
「あんな楽しそうに作業してんのに・・・
いくらなんでもかわいそうだろ。」
「そうなんすよね。でも・・・
被害が出る前になんとかしないと・・・・
・・・・あ、いーこと考えたっすよ!」
「! なんだ?」
「先輩が、智花先輩を呼び出して、
きゃっきゃしてる間に自分らがカレーを・・・」
「・・・はあ?」
「お、いんじゃね、それ。」
「いや、なんでだよ。」
「冗談だよ。さすがにそんなこと
頼まねーよ。」
肩をパンパンとたたく。
「のけ者にするのも悪いしさ。」
「おやおや~? 先輩、意外と
まんざらでもなかったりするんすか?」
「? 何の話だ?」
「・・・・・先輩がわからないならいいすわ。
あと自分もダメージ受けてますし。」
「??」
何の話してんのやら・・・
「にぎやかだなって思ったら、
律ちゃんに自由ちゃんだったんだね。
ロウさんも一緒だなんていったい、
どうしたんですか?」
野菜を洗っていた
智花はロウたちのもとに来ていた。
「あー、えっと、その・・・そうだそうだ!
一段落したから散歩にな!」
「そ、そうっす! 先輩もぶらぶらしたいって
言ってたし・・・ね! 先輩!」
「あ、ああ、そうなんだ。」
しどろもどろになりながら
何とかごまかす。
「そうなんですか。今日は天気が
いいですもんね!」
「智花先輩もどうっすか!?
一緒に散歩しません!?」
「あ、おい!」
「・・・んー・・・せっかくだけど、
私、まだお仕事が終わってないから。」
「もう野菜洗い終わったのか?」
「はい。野菜が多くて洗うのに
手間取ったので・・・これから切るんです。」
「大丈夫っすよ! 先輩も智花先輩と
散歩したいって顔してますもん!
ね!?」
ロウに確認するため、
自由はロウの顔を見る。
「・・・・ああ、たまたま
そういう気分でな。」
ここは小鳥遊に乗っかっておくか。
「・・・・・んー。」
結構悩んでるな。
「・・・誘ってくれてありがとう。
でもせっかくだけど、私は仕事に
戻るね。」
智花は調理に戻った。
「・・・作戦失敗!」
「結局だめだったな・・・。」
「だからのけ者にするよーな
ことは・・・。」
「いっそのこと、自分らが手伝ったほうが
いいんじゃないっすか?」
「でもテントも張らなきゃだしなー。」
腕を組んで考え始める。
「・・・どうしたものか・・・。」
「もう少し見守っとこうぜ。上達してるって
話もあるし。」
「そのギャンブル、今ここでするか?」
「そしたら、さっさとテントやっちゃって
手伝っちまおう。」
「そっすね。ちなみに律氏、
料理の経験は?」
「自由は?」
「「・・・・・・・・。」」
「お前ら・・・・。」
ロウは先のことを考え、
頭を抱えた。