グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
「しつれいま~す。」
「ええと・・・このキャラで・・・。」
部屋の主はゲームに夢中のようだ。
「・・・。」
部屋の柱をたたく。
「!! 誰だお前は!!」
「やっと気づいたか、引きこもり。
この間転校してきた相田ロウだ。」
「・・・楯野望だ・・・お、お前
いつからこの部屋にいた?」
「ああ? お前が『ええと・・・
このキャラで・・・。』て言ったところかな。」
「キャラ選択の時からだと!? くそ、
ええい!出てけ出てけ!!」
ロウの背中を押し、無理やり
追い出そうとする。
「ボクのテリトリーから出ていけー!」
なんだってんだ・・・。
ロウは勢いそのままに
追い出された。
「・・・『ROOM』。『シャンブルズ』。」
ロウは再び部屋に入る。
「な、お前、どうやって入った!?」
「ちょっとした・・・・手品?」
「そんなのでごまかされるか!
どう考えたって魔法使ったろ!!」
「ふふん、残念だがこれは、
俺の生まれつきの能力。よって、
魔力は一切使用していない、つまり!
これは魔法じゃない!」
きっぱりと言う。
「・・・どうせ、授業に出ろというんだろ?」
「よくわかったな。」
「ふん、くだらんなあ!実にくだらん!」
声をあげて否定する。
「ボクは天才だ!選ばれた人間なんだ!」
ダメな奴のにおいがする。
「何人たりともボクを縛れないのさ!だから、
学校には絶対、ぜぇ~たい!いかないんだ!」
「はあ・・・。」
だから押し付けやがったな・・・・。
「あっそ。ああそっか~!じゃあ、
もう帰るかな~。」
くるっと背を向ける。
「あ、ま、待て!まあ、考えてやらん
わけでもない!」
「ほう?」
うまくいった。
望に見えないように舌を出す。
「この、シューティングゲームでな!」
「シューティングゲーム?」
「先に言っておくが、僕は強いぞ?
プロ級だ。1人でやりこんでいたからな!」
むなしく聞こえるのは俺だけか?
「まあいい。勝負なら負けるわけには
いかねえな。」
ポキポキと鳴らす。
「お前の実力は知らないが、勝てるとは
思わないことだ!」
<ロウ、望ゲーム中>
「くそ・・・負けた・・・。」
「ははは! ボクの勝ちだ!
見たか! ボクの力を!」
腕組みをし、高らかに笑う。
「これに懲りたら二度とボクの前で
授業に出ろなんて口にするな!」
「そうか、じゃあこれで帰るわ。」
立ち上がり、帰り支度をする。
「へ、帰る・・・? そ、そうか・・・
帰る、のか・・・・。」
一気に落ち込む。
テンションの起伏激しいな。
「し、仕方ない!寛大なボクがもう1度
チャンスをやろう!次はこの格闘ゲームだ!」
「・・・格闘ゲーム?」
タイトルをよく見ると
ゲームセンターで純と対戦した
ゲームだった。
「・・・いいぜ、乗ってやる。」
また座り、画面を見る。
「ふん、次も圧勝してやる!」
<ロウ、望、格闘ゲーム中>
「な、そんな・・・このボクが
1勝4敗・・・?」
「ふっ、あいにくこれはやったことが
あるんでね。」
サングラスをくいっとあげる。
「ま、まぐれだ!たまたまだ!
神のいたずらなんだ!」
「いい加減認めろ。さあ、授業に出ろ。」
肩をポンとたたく。
「あ、明日また来い!違うゲームで勝負だ!」
「はあ?」
「絶対だぞ!約束だぞ!? 破ったら
承知しないからな!!」
「じゃあ、授業は?」
「授業? そんなもの、お前に
もう1回負けるまで絶対出るものか!!」
ええ・・・・。
風飛市内
「まさかだった・・・新発売
とんこつ味とは・・・・。」
いつも通り、カップラーメンの
買いだめをしたロウの袋には
大量のとんこつ味が入っていた。
「早速帰って食ってみるか・・・。」
満足げのロウは帰ろうとする。
そこで、誰かの声が聞こえる。
「や、やめてください・・・!」
「ん?」
見ると、数人の男に
1人の学園のピンクの髪の女子生徒が絡まれていた。
「う~ん・・・。」
両手ふさがってるしな・・・・。
「・・・ええい!」
地面に大量のカップラーメンの
袋を置く。
「ええと、たしかあれが・・・。」
胸ポケットから
小型のスプレーのようなものを
鞄から白いお面を取り出す。
「よし・・・行くか。」
ロウは1人の男の肩をたたく。
「あ? んだてめえ。」
「ほい。」
スプレーを男に噴射する。
「うお・・・。」
一瞬で男は眠りについた。
「てめえ、なにしやがった!!」
「・・・。」
ズボンのポケットから
別の黒い箱のようなものを出す。
くらえ。
スイッチを押す。すると、
爪で黒板をひっかいたような
音が流れる。
「うわああ!!」
何人もの男たちは
地面に転がる。
「これでよし。さあ、行くぞ。」
女子生徒の手を取り、引っ張る。
「ひゃあ!?」
急に引っ張られたため、驚く。
そのついでに、カップラーメンも回収した。
<ロウ、女子生徒、移動中>
「はあ、はあ・・・
あ、ありがとうございます・・・!」
「気にするな。なんかあったら
見てた俺の責任も出てくるしな。」
お面を取り、カバンにしまう。
「あ、あの、お名前は・・・・・
ああっ!?」
「? どうした?」
「こ、このままだと、バイトに
送れちゃうんです!!すみません、
今日はここで失礼します!
このお礼はいずれします!!」
足早に走り去っていった。
翌日
昼ご飯を食べ終えたロウは
もうすぐ授業のため、
教室に戻ろうとする。
「さて・・・もうちょっとで、今日も
おわR」
ピピピ!
「・・・まさか。」
デバイスを確認する。
「・・クエストか・・・。」
とぼとぼとクエストの準備に向かった。
<ロウ、準備中>
校門前
「さぁて、今日は誰と一緒なのか・・・・。」
「ああっ!」
「ん? ・・・・! あれ、たしか・・・。」
ロウと組むことになったのは
昨日、ロウが助けた生徒だった。