グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
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学園
校門前
「どーも、ロウさん。」
「いきなりなんだ、水無月。」
風子に呼ばれたロウは
校門に来ていた。
「実はウチ、珍しくクエストに
出ることにしましてね。久しぶりなんで
誰かに同行お願いできないかと思いまして。」
「だったら、他の風紀委員を
連れていけばいいんじゃねえのか?」
「いえ、さすがに連れ出すのはどーも・・・。」
風子の歯切れが悪い。
・・・何を考えてやがる・・・。
「ですから、アンタさんに同伴を
お願いしようと思いまして。」
「・・・・。」
ロウは疑いの目で風子を見る。
「やですねー。別に何も企んで
なんかいやしません。万が一強い魔物でも
出たら大変じゃねーですか。」
「・・・まあ、いいだろう。」
・・・行ってみれば、わかるか。
「さいですか、ではれっつごーですよ。」
「どこ行くんだよ。」
「行先ですか? 科研の・・・地下ですよ。
間ヶ岾が通って逃げた鍾乳洞、ですよ。」
風子はにやりと笑った。
<ロウ、風子、移動中>
科研の地下
「では、始めましょーか。今日のクエストは
この前の事件のための尻拭いみたいな
ものです。」
「・・・尻拭い?」
「ええ、死んだはずの間ヶ岾がなぜ
現れたか・・・それを確認します。」
「なるほど、まあ答えなんてほぼ
二択だろうがな。」
鍾乳洞の周囲を見る。
「そう。ヤツの死体は荼毘に付されました。
よーするに生き返りはなし。なら、
あの死体が偽物だったか裏世界から
来たか、ですよ。」
「まあ、ようするに間ヶ岾が裏世界の
人間かどうかを確認するための
クエストってとこだろ。資料の写真より
老けていたからな。」
「さすがはロウさん。話が早いですね。
では、彼がどのよーに動いたか、わかりますね?」
「だいたい把握している。」
「では、そこを中心に回りましょう。
よろしくおねげーします。」
「・・・・。」
<ロウ、風子、移動中>
ロウと風子は間ヶ岾の
痕跡をたどりながら奥へと進んだ。
「・・・そう簡単に手掛かりは
残ってねえか・・・。」
「・・・そうですね。」
風子はロウをちらっと見る。
「・・・お前、さっきから何を見てる。」
「いーえ? なんでもありませんよ?」
「・・・・・。」
いったいどういうつもりだ・・・・
本当にただクエストに来ただけなのか?
「・・・! これで最後、おしまいです。」
「そうか。」
「間ヶ岾の足跡、けっこー怪しいですね。
そもそも・・・如月天もアンタさんも
殺さなかったのはなぜでしょ?」
「さあな。不意に俺たちと遭遇したんで
焦ったんじゃないのか?」
「いえ、本来ならそうなるはずなんですよ。
グリモアは今までヤツらの邪魔をしてきた。
そしてこれからもする。」
「・・・・・。」
「そして、彼の目的は・・・どーやら
ここにあったリスト。」
リストの一部をロウに見せる。
「? それは?」
「科研で過去、研究されていた
魔法学園の生徒のリストですよ。
アンタさん、皇絢香について、何か
知ってます?」
「なんで急に皇の名前が出てくるんだ?」
「彼女の名前がリストにあるんですがね。」
「!」
「・・・・まあ、その話はこの辺にして・・・
ロウさん、1つ聞きたいことがあるんですが。」
「なんだ。」
ようやく本題か・・・・。
「ある生徒からタレコミがありましてね?
アンタさんが、霧の守り手に関与しているの
ではないか・・・と。」
「・・・俺があいつらに?」
やっぱ、如月の奴、話したな・・・。
心の中で舌打ちをする。
「ええ。だから、今回のこのクエスト、
アンタさんにもついてきてもらったんです。
もしかしたら、間ヶ岾の痕跡を消すんじゃないか
・・・・と。」
「・・・ふっ、誰に吹き込まれたかは
知らねえが俺には何のことか
さっぱりわからねえな。」
刀の鞘に手をかける。
「!」
「お前の万一の攻撃に備えただけだ。
さあ、早く続けろ。」
「・・・まあ、いーでしょう。今、
ある人物に確認を取ってもらっています。」
「・・・ある人物?」
「浦白七撫・・・聞いたことあります?」
「確か、学園に転入予定だった
奴だな。」
「ここだけの話ですが、実は彼女、
一時期ある組織にいたんですよ。」
・・・まさか・・・
「まあ、予想できてるとは思いますけど
・・・彼女は霧の護り手にいました。」
「・・・それがどうした。」
「彼女に確認してもらえば、あなたが
霧の護り手かどうか分かりますよ?」
風子はニヤリと笑う。
「・・・なら、すぐにでも戻ろう
じゃねえか。疑われたままだと
俺も面倒だしな。」
「いーでしょー。では、戻ると
しましょうかね。」
<ロウ、風子、移動中>
学園
風紀委員室
ピピピ!
「おやおや・・・。」
風子はデバイスを確認する。
「なんの連絡だ?」
「いえね? 実はロウさんが帰ると
言った段階で他の風紀委員に確認して
もらったんですよ。あんたさんが
霧の護り手かどうか・・・・ね。」
「最初からそのつもりだったんだろ。
んで? どうだったんだ? 俺の
疑惑とやらは。」
「・・・・・。」
「水無月?」
徐々に風子の顔が曇っていく。
「くく、その様子じゃあ、どうやら
お前らの推測は外れたようだな。」
「・・・ええ、そうです。」
「何か言うことがあるんじゃねえのか?」
「・・・すみませんでしたね、
ロウさん。」
ゆっくりと頭を下げる。
「・・・さて、んじゃあ俺は
帰る。じゃあな。」
「さようなら。」
ロウは風紀委員室を出ていった。
「・・・やはり、ちがったんでしょーかね。」
そう言って、風子は入手したリストを見る。
「・・・・・ん?」
リストをよく見ていくと二番目の
生徒の名前の欄が空白になっていた。
「これは・・・一体・・・?」