グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第144話 ロンドン巡り

魔物襲撃終了の翌日

 

ロンドンの街

 

「さて、ミスター・アイダ。貴殿の働きは

 先の戦いで見せてもらった。改めて感謝を。」

 

「それはどうも。」

 

軽く手を振る。

 

「学園長はいっそう両校の親睦を深めたいと

 仰られた。ネテスハイムの首席代表として

 私がロンドンを案内しよう。」

 

「それはありがたいな。ロンドンは

 そう来れるところじゃねぇからな。」

 

「我らと貴殿らで守り抜いた街だ。今日は

 存分に楽しんでくれたまえ・・・・・と、言いたいが」

 

「?」

 

「貴殿はイギリスの現情勢をご存知か。」

 

「・・・ライ、だろ?」

 

そこらへんはきっちり調べたしな・・・。

 

「そう。『ライ魔法師団』・・・魔法使い原理主義の

 テロリスト団体。彼らの勢力は強く、魔法使いを

 快く思わない市民も増えている。」

 

「まぁ、そうなるだろうな。」

 

「貴殿らの安全のため、私の目の届く範囲で行動してもらう。

 基本的に同行するが・・・なるべくプライベートは

 尊重しよう。・・・そういえば」

 

「ん?」

 

レティシアはにやっと笑う。

 

「エミリアから聞いているぞ。貴殿、なかなかの

 ドン・ファンだそうだな。」

 

「・・・・ドン・ファン?」

 

誰だ、そいつ・・・後で調べるか。

 

「さて・・・では、行こうか。あとの

 同行者は・・・・」

 

「ん、あれは・・・。」

 

「ですが、初音様・・・。」

 

沙那が初音に困った顔を見せていた。

 

「いーからいーから。アタシも勝手にやるから、

 沙那も今日は自由にしろよ。せっかくの

 イギリスなんだから。」

 

「私に初音様を差し置いてよい理由など、

 ございません。」

 

「むー、相変わらず石頭だなぁ。しょーがねー、

 だったら命令だ! 今日はアタシのお守りをするな!

 ロウとのんびりしてこい! できないんだったら解雇!

 以上!」

 

沙那をびしっと指さす。

 

「・・・初音様・・・。」

 

沙那は少し考え・・・

 

「・・・かしこまりました。」

 

「わかりゃいいんだよ、わかりゃ。じゃ、

 アタシは遊んでくるから。きひひ・・・。」

 

初音はにやにやと笑う。

 

「話は終わったか?」

 

「おう、ロウと・・・ええと、ハミルトンだっけ。

 頼むな~!」

 

そう言って、初音は走り去っていった。

 

「・・・申し訳ありません。お待たせしました。」

 

「JGJの末娘か。話を聞いてみたかったが・・・。」

 

「恐れ入ります。主人は別行動になりますが、

 私はご一緒させていただければと。」

 

「歓迎しよう。立場は違えど、同じ魔法使いだ。」

 

「せんぱあぁ~い!」

 

誰かがロウを呼び止める。

 

「先輩! ・・・と、レティシアさん!

 お噂はかねがね! 我妻の浅梨です!

 よろしくお願いします!」

 

ぺこりと頭を下げる。

 

「ミス・ワガツマ。お会いできて光栄だ。」

 

「あの、先輩と行くんでしたら、私も一緒に

 行きたいです! これ・・・行きたいところ、

 考えてきたので!」

 

メモをレティシアに渡す。

 

「拝見しよう。・・・・ふむ、デートスポットだな。」

 

「あ、あう・・・そうはっきり言われると、

 恥ずかしいです。ね、先輩。」

 

「?」

 

「・・・ミスター・アイダ。ミス・ワガツマと2人きりを

 望むなら、私は失礼するが・・・。」

 

「何の話だ?」

 

「だ、だ、大丈夫です! あの、みんなで!

 最初は! 2人っきりは・・・あ、後からでも・・・。」

 

徐々に顔が赤くなる。

 

「・・・貴嬢のような想い人がいて、

 ミスター・アイダも幸せだな。」

 

「お、おおお、想い人!? そんな・・・・

 えへへ・・・。」

 

「てか、ハミルトン。一応言っておくが、

 こいつは男だ。だからミスじゃなくミスターだ。」

 

「む? そうか、失礼。気を付けよう・・・。」

 

「それじゃあ、行きましょう! えーと・・・

 美術館はこっちですよね!」

 

「我妻さん、お待ちください。そちらでは

 ありませんよ。」

 

「ったく・・・我妻! 勝手に動くな!

 ここはロンドンだぞ! 見失ったら終わりだぞ!」

 

ロウ、沙那は浅梨を追いかける。

 

「・・・・・・・・・ん? オトコ・・・・?」

 

レティシアは1人首を傾げた。

 

 

 

 

 

 

<ロウたち、移動中>

 

 

 

 

 

「うわぁ・・・・!」

 

真理佳が目を輝かせて周りを見て、

一軒の店に入ろうとする。

 

「待て。貴嬢もグリモアの生徒だろう。

 名前は?」

 

「ひゃ! 首席代表、さん・・・。」

 

「レティシア・ハミルトンだ。」

 

握手のため、手を差し出す。

 

「ま、円野真理佳です!」

 

「ミス・マドカノ。店に入るときは挨拶を

 したまえ。」

 

「! す、すみません・・・えーと、

 ハロー・・・?」

 

恐る恐る言いながら、ドアを開ける。

 

「結構。入ってよろしい。」

 

「は、はい・・・お邪魔しまーす・・・。」

 

店に入っていく。

 

「レティシアさん、マナーに厳しいですね。

 やっぱり貴族だからかな?」

 

「私たちが恥をかかないよう、気を配って

 くださっているのでしょう。」

 

「そっか、優しい人なんですね!」

 

浅梨が納得していると、近くから

騒がしい声が聞こえる。

 

「ん? なんだ、あの人だかり。」

 

「とざい、とーざい! イッツ、ジャパニーズ

 ニンジャショー!」

 

チェックの服装に身を包み、

猫耳をつけた少女が大きな声で叫んでいる。

 

「ルックルック・・・せーの、ほい!」

 

光に包まれると、忍者の服装になっており、

ロウはそれに見覚えがあった。

 

周りから歓声があがる。

 

「イエスイエス! アイムジャパニーズニンジャ!

 センキュー!」

 

「服部か・・・何やってんだ、あいつ。」

 

「彼女もグリモアの生徒か? もしや、

 エミリアの言っていた・・・」

 

「はい! 忍者なんですよ! とっても

 頼りになって、楽しい人なんです。」

 

「!? あれが・・・かの、ニンジャ・・・!?」

 

忍者という言葉に、レティシアの

体が震える。

 

外人ってみんなこうなのか・・・?

 

「話がしてみたい。取り次いでくれないか。」

 

「はい、もちろんです! 今呼びますね。

 服部さ~ん!」

 

「・・・・えー、続きましては、このマフラー。

 たねもしかけも・・・。」

 

一瞬動きを止めたが、再び周りの

観客に話し続ける。

 

「あれえ? 今、目があったのに。」

 

「センパイ! パン買ってきました!」

 

「ん、サンキュー。」

 

買ってきたパンを受け取る。

 

「あ! 服部センパイだ! お~い!

 服部センパ~イ!」

 

梓に向かって手を振るが・・・

 

「これに水を注ぐと・・・ルックルック!

 ワオー!」

 

「おかしいな。この距離で聞こえていないはずは

 ないが。」

 

レティシアは不思議そうに首をかしげる。

 

「・・・!」

 

「・・・ふむ。」

 

ロウと沙那は何かに気づいた。

 

「皆さん、そろそろ移動しましょう。」

 

「え、でも、服部センパイが・・・」

 

「・・・そうだな、さっさと行くぞ。

 ハミルトン。悪いが、あいつとの話は

 後でもいいか?」

 

「うむ・・・確かに今は市民が楽しんでいる

 最中だからな・・・。」

 

少し残念そうな顔を浮かべる。

 

「では、後でゆっくり時間をとって

 いただくことにしよう。」

 

「悪いな。さて・・・お前らもとっとと行くぞ。」

 

「あの、見るのもだめですか? 今、

 鳩が出てきて・・・。」

 

完全にマジックショーだな・・・。

 

「・・・我妻さん。お願いいたします。」

 

「ええと・・・・はい・・・。」

 

浅梨も残念そうな顔を浮かべ、

移動した。

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