グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第153話 里菜の怒り

その頃・・・

 

萌木は落ち込んだ様子で歩いていた。

 

「リナはバカだから、萌木が考えてることは

 よくわからないのだ。でも、萌木がライの

 連中と戦っているとき、苦しんでるのは見てられないのだ。」

 

「・・・リナちゃん・・・。」

 

「それに、さっきみたいなことがまたあるかも

 しれない。・・・お前はアイツらの言ったことにも

 傷つくんだ。だから、リナに任せろ。リナは萌木を

 傷つける奴らは絶対に許さないさ。」

 

「・・・ごめん・・・ごめんね・・・・。」

 

震える声で謝る。

 

「私、理解できると思ってた。ちひろちゃんの

 言う通りだって。話せばきっと分かり合えるはずだって

 思ってたの。・・・全然、わからなかったの。あの人の

 言うことが理解できなかった。」

 

「いいから! アイツら、リナたちを攻撃してきてるんだぞ!

 そしたら、萌木もちひろも、みんな殺されちゃうさ。

 そんなこと・・・させるわけないのだ! ちひろ!

 萌木を連れて、いったん戻るさ!」

 

「は、はいぃ~!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそ・・・見失っちまった・・・!!

 俊の野郎・・・!!」

 

何度も周りを見るが、

俊の姿が見えない。

 

「・・・・・くそ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「萌木、大丈夫か?」

 

少しふらついた萌木を里菜が支える。

 

「・・・う、うん・・・ごめん、ちょっと

 気分が悪くなっただけ・・・・。」

 

「先輩・・・ごめんなさい、私がわがままだった

 からですよね・・・。」

 

「ち、違うんだよ・・・私も、ずっと考えてた

 ことだから・・・。話を聞きたかった。けど、

 こんなところでやるべきじゃなかったんだよね。」

 

「話すのは後なのだ。今は学園に戻るさー。」

 

「うん・・・ごめん・・・ね・・・!?」

 

ちひろの後ろに1人の男が立っているのに

萌木は気づいた。そして、その男は電撃で

攻撃を仕掛けようとしていた。

 

「ちひろちゃん、危ない!」

 

男は電撃を放つが、萌木が

ハートの形の盾で防ぐ。

 

「あぐっ!」

 

しかし、電撃の威力が強く

徐々に萌木にダメージを与える。

 

「萌木!」

 

「萌木先輩!」

 

そして、ついに盾が壊れてしまう。

 

「うぅ、あああああ!!」

 

「萌木ぃ!!」

 

電撃をくらい、萌木は倒れてしまう。

 

「『・・・同志を渡してもらおうか。』」

 

英語で里菜たちに話しかけ、萌木を倒したのは

俊だった。

 

「なに言ってるかわかんないさぁ! ちひろ、

 萌木は大丈夫か!?」

 

「えっと・・・えっと・・・大丈夫ですぅ!

 でも、意識がなくて、早く手当てを・・・。」

 

「・・・萌木は、お前らのことを理解しようとしてるんだぞ!

 お前らみたいなヤツと話して、それでもわかんなくて

 苦しんでるんだ! それなのに、萌木のことを・・・!」

 

周りに水を出現させる。

 

「絶対に・・・絶対に許さないのだ!!」

 

巨大な水で攻撃する。

 

「だめです!」

 

突如飛び込んだイヴによって

里菜の攻撃をなんとか相殺させる。

 

「・・・? リ、リナの魔法が・・・。」

 

「ぐ・・・。」

 

疲れから、イヴは地面に座り込んでしまう。

 

「『ちぃ・・・!』」

 

「逃がすか!! 『タクト』!!」

 

地面を隆起させ、逃げ場をなくさせる。

 

「『くそ・・・! ロウ!!』」

 

「ふぅ・・・少し遅かったか。」

 

大量の汗を拭う。

 

「・・・冬樹・・・ロウ・・・。

 無茶するな!」

 

「私の魔法で相殺したので、ダメージはありません

 ・・・・うっ。」

 

腕をおさえる。

 

「ったく、何見栄張ってんだよ。」

 

「・・・私は図書委員に借りがあります。

 殺しはさせない。もちろん、傷つけるつもりも

 ありません。それに私まで全力で撃ったら、ライを

 捕らえる魔力が残りませんから。」

 

「何言ってるかわかんないさ! 魔力なら

 ロウがいるじゃないか!」

 

ロウを指さす。

 

「とにかく! 私のことをあなたにどうこう

 言われたくありません。それよりも、霧塚さんを

 保健委員のところへ。」

 

「わぁってるよ、『タクト』!」

 

隆起させた地面で俊を拘束する。

 

「ぐぅ・・・!」

 

「ロウさんもです。私はこの魔法使いを

 つれて・・・・。」

 

「いーや、あんたも保健委員行きです。ここは

 ウチらに任せなさい。」

 

後ろから風子が合流する。

 

「! 水無月・・・!」

 

「まったく、最後の最後で油断しましたね。

 ウチも大したことねーですわ。」

 

悔しい顔を浮かべる。

 

「一応、問い合わせてみますが・・・

 そろそろ、作戦は終わりですよ。」

 

「・・・・そう・・・ですか・・・。」

 

イヴはふらつきながら地面に膝をつく。

 

「さー、氷川、神凪、服部! 全員運びますよ!

 しっかり締めちゃいましょ!」

 

「・・・ったく・・・。」

 

ロウはイヴを支え、保健委員のところへ

向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

保健室

 

「・・・うん、大丈夫ね。ロウ君、

 魔力ありがとう。」

 

「ああ。」

 

そう答えたロウの頬には

絆創膏が貼られていた。

 

「霧塚さんも冬樹さんも傷は残らないし、

 すぐ元気になるよ。」

 

「・・・・・。」

 

里菜は暗い表情でうつむいていた。

 

「冬樹・・・ロウ・・・ごめんなのだ。」

 

「気にするな。」

 

「ええ。最初からわかっていました。あなたは

 魔法使い全体より友達を優先する。私個人として

 それを否定するつもりは全くありません。」

 

イヴは里菜をじっと見る。

 

「・・・ですが、最初に言った通り、風紀委員として

 見過ごすことはできません。ただ、仕事をしただけです。」

 

そう言って、保健室を出ていく。

 

「あ! 冬樹さん、ちゃんと体を休めてね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

購買部

 

「えーと・・・あとはこれとこれと・・・」

 

「おーい、クズ布取りに来たぞー。」

 

「はーい! 少々お待ちくださーい!」

 

奥からももの声が響く。

 

「あ、お前・・・。」

 

「なんだ、色黒。アタイはテメーに用はねーぞ。」

 

「お前、あのとき、なんでリナに・・・。」

 

「・・・なんとなくだ。あのメンツじゃ、ロウか

 テメーのどっちかだ。んで、ロウよりもテメーの方が

 気構えができてた。それだけだ。」

 

「・・・それって・・・萌木たちがあんなことに

 なるって、わかってたのか?」

 

悲しい目をする。

 

「別にテメーらだけじゃねーよ。全員下らねぇ

 ことで悩んで、作戦に支障をきたす可能性があった。

 だから先回りしただけだ。」

 

「・・・なぁ、やっぱり変なのか?」

 

「ああ?」

 

意図が分からず、里菜を睨む。

 

「みんな悩む可能性があるなら・・・リナが

 あいつらと戦うって思ったのは・・・・

 リナが何も考えてないからなのか?」

 

「・・・んなことをイチから教えてやるほど

 ヒマじゃねーんだよ。普段、頭使ってねーなら

 いい機会だ。考えろ。楽すんな。」

 

「!!」

 

「ライの連中は、化け物扱いされて、こき使われた

 奴隷が奮起したのが始まりだ。・・・んじゃあな。」

 

そう言って、メアリーは店から出て行った。

 

「・・・うーん・・・・。」

 

腕を組んでうなっている。

 

「難しいのだ・・・どうして、あいつらは・・・・・。

 ・・・・楽すんな・・・・か。」

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