グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第163話 ゲートの先には・・・

学園

 

噴水前

 

「・・・・。」

 

ありすは小さな口を開け、

あくびをする。

 

『ありす、眠いのか?』

 

「・・・ぅん・・・ちょと・・・

 疲れ・・・。」

 

『今日は頑張ったもんな。なぁ、少年!』

 

「ああ、そうだな。」

 

『報告の時もフォローしてくれてサンキュな。

 ありすはまだ単独クエストが許可されてからの

 経験が少ないんさね。今回は周りの助けで

 危なげなくこなせたのさ。』

 

「・・・ぁぃ・・・そです・・・ぁの・・・

 ぉ、ぉとなり・・・どぞ・・・。」

 

「ああ。」

 

ありすの隣に座る。

 

「・・・ふふ、ぁりぁと・・・ぃます。」

 

笑顔を浮かべる。

 

『少年、実は少し聞いてほしいことが

 あるんさね。』

 

「なんだ、金なら貸さんぞ。」

 

『いや、そういうことじゃなくて・・・』

 

「・・・ぁたし・・・ぇと・・・ぉ、

 ぉとな・・・たぃ・・・。」

 

「・・・は?」

 

思わず声が上ずる。

 

『うぉい! ありす、その言い方はなんか違うぞ!

 もっと別の表現がいい! そうだな・・・

 ああ、あれだ! ありすは友達がほしいんさね!』

 

「友達?」

 

「・・・ぁたし・・・ほかの、ひと・・・・

 こざい・・・ぇす・・・でも・・・ぉ、ぉはなし

 ・・・した・・・・・」

 

「? 楠木?」

 

「くぅ・・・くぅ・・・」

 

ありすはロウに体を預け、

寝てしまっていた。

 

『あっ、ありすが寝ちまった。最近、たまに

 こうなんだ。頑張ってる分、疲れてるんだな・・・

 少年、しばらくお別れだ。』

 

「? どういうことだ。」

 

『オレっち、ありすの意識がないときは

 消えちゃうからな。』

 

そういうと、体が光に包まれ、

消えていった。

 

「!!」

 

「・・・くぅ・・・。」

 

消えたことに気付かず、ありすは

眠っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分後

 

「・・・ん・・・んん・・・。」

 

目をこすりながらゆっくり起きる。

 

「ん、起きたか。」

 

「ふぁ・・・また・・・。」

 

起きると、近くにクレイジープリンセスが

現れる。

 

『だいじょーぶさね。今日はそばに少年が

 いてくれたからな。でも、少年にばれちまったぜ?

 オレっちが魔法だってこと。』

 

「・・・! ぁ・・・ぁの・・・これ・・・

 み、みんなに・・・ぃわなぃで・・・。」

 

「別に言う気はねーけどよ・・・。

 だが驚いた。全く気付かなかったぞ。」

 

『ああ。みんな、オレっちのことはありすの腹話術だと

 思ってる。でも、オレっちには自我があって、自分で

 考えて話してる。・・・ありすの友達が欲しいって

 願いから生まれたのさ。』

 

「・・・・。」

 

だからさっき・・・。

 

『だからオレっちはありすに本当の友達が

 できるまでの友達・・・兼ナイトってわけだ!

 そこんとこよろしくな!』

 

「・・・ぉにん・・・ぎょ・・・そ、それ・・・

 ぃや・・・ぉにんぎょ・・・ぃっしょが・・・

 ぃぃ・・・。」

 

「・・・だとよ。」

 

『まぁ、今はそうなるさね。気長にやるよ。

 少年、今は内緒にしといてくれ。ありすと

 少年の、約束だぞ?』

 

「それどっちかっていうと、お前との約束

 なんじゃねぇか? クレプリ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後

 

特級危険区域

 

「・・・なんか珍しいメンツだな。」

 

律はそういい、周りを見る。

 

「てか千佳、なんで来たんだよ。お前すっごい

 怖がりなのにさ。」

 

「なんだっていーじゃん! うちだって

 魔法使いだし!」

 

「? そりゃそーだろ。何言ってんだ?」

 

「うちだって特級クエスト行ったことあるんだから!

 裏世界なんてどーってことないっての! てか、

 律だって、なんで請けてんのよ。今まで裏世界

 興味なかったのに。」

 

「いやー、だってここのゲートの、ほかく

 だっけ?」

 

「確保。」

 

「それで大事な働きしちゃっただろ、あたし。

 大事な動きしちゃったら、その先がどんなのか

 気になるだろ。」

 

『大事な動き』を強調し、にやにやする。

 

「ふん。たまに活躍したらいい気になってんだから。」

 

「ロウ。」

 

「ん?」

 

「アンタはもう何回も裏世界行ってるけど、

 ここのゲートからは初めてだからな。

 あたしが守ってやるから、頼りにしろよ。」

 

「やっぱいい気になってんじゃん。むかつく・・・。」

 

「まあ、そういうな。それぐらいの気構えの

 ほうがいいだろうからな。」

 

しかし、今回はどこに飛ぶのやら・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シャルロットちゃんが来られなかったのは

 残念ね~。」

 

あやせは残念そうな顔を浮かべる。

 

「仕方ありません。ヴィアンネのクエストが

 優先ですからね。でも・・・どうして私が

 指名されたんでしょう?」

 

「不思議よね~。指名ってよっぽど関係が

 ある時しかされないのに・・・エミリアちゃんと

 関係がある、のかしら~?」

 

「裏世界に関係があるっていうのは、ちょっと

 怖いですね・・・。」

 

「でも、今回はそんなに心配いらないと思うわよ~?

 お友達も特別に、指名されたみたいだし。」

 

あやせはその人物をちらっと見る。

 

「はて、妾はともかく、なぜエミリアとお主が

 指名されたんじゃ? それもネテスハイムの

 お墨付きじゃろ?」

 

「ああ。帰国を長引かせてでも、行ってこいとの

 ことだ。イギリスにも特級危険区域がある。

 後学のために見ておいたほうがいい・・・

 そう考えている。」

 

「そうか。まぁ、お主なら先がどこじゃろうと

 心配ないじゃろう。妾に朱鷺坂に、お主に、

 ロウと海老名がいる。」

 

「エミリアを忘れるな。」

 

アイラをにらむ。

 

「ほほほ、忘れておらんて。音無と間宮もの。

 あやつらがおらんと、パーティが暗くなって

 かなわんわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・その話、本当?」

 

結希の話を聞いたチトセは

顔を強張らせる。

 

「ええ。だから私の権限で、レティシア・ハミルトンを

 参加させたわ。イギリス人の2人がいたほうが

 絶対にいい。」

 

「・・・イギリスの作法なら、私たちも

 知ってはいるけどね。」

 

「それでも、音無さんや間宮さんがいるわ。

 何が起きるとも限らない。それにあなたと

 アイラにとっては・・・きっと大事な時代のはず。」

 

「・・・あなたの話が本当ならね。さすがに

 偶然が過ぎて、信じがたいわ。」

 

「自分の目で確かめて。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・というわけで、宍戸さんは私たちに

 行先を教える気はないみたい。」

 

説明し、にこりと笑う。

 

「危険は少ないということね。」

 

「指定しとるメンツでだいたいわかるがな・・・。」

 

「え? そーなの?」

 

「じゃあ、少しだけ、時間停止の魔法を

 解除するわね。」

 

そう言って、ゲートに手をかざす。

 

「気をつけろよ。我らが作った命令式じゃ。

 学園のと違って完全に解除してしまうかもしれんぞ。」

 

「わかってるわよ。みんな、準備してね・・・。

 さ、霧が噴き出す前に、入るわよ。」

 

 

 

 

 

<ロウたち、ゲートをくぐる>

 

 

 

 

 

 

???

 

「・・・・・ふむ。なるほどなるほど。」

 

アイラは周りの風景を見て、

何度もうなづく。

 

「うわ・・・どこだここ?」

 

「どこかで見たことある・・・どこだっけ?」

 

「本か美術館か・・・そのどこかだと

 思うわ~。」

 

「確かにどこか古そうな感じはするな。」

 

「ここは・・・懐かしいのう。」

 

遠い目をする。

 

「ここはイギリスじゃ。1700年ごろの

 ロンドンじゃな。」

 

「・・・・・・・・え?」

 

「ええええええ!?」

 

千佳の叫びが過去のロンドンにこだました。

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