グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
「では・・・・」
「攻撃ー!」
初音の合図とともに、魔物に
攻撃が浴びせられる。
「!? い、今の爆発は・・・。」
「お嬢ー!」
自由が姫たちのもとに駆け寄る。
「お嬢・・・撤退です! 本部に戻りましょ!」
「本部? いったい、なんのこと・・・」
『野薔薇源之助である。JGJアーミーの諸君、
救援に感謝する。我々は助けられる立場だが・・・
日本国政府の名で討伐以来を出した。・・・・
よろしく頼む。』
「到着! さあ、沙那! 景気づけに
ロケット砲だ!」
魔物をビシッと指さす。
「かしこまりました。ふむ・・・JGJの私兵部隊も
動き出したようですね。東京からヘリで1時間30分
・・・想定通りです。」
「これで関東一円はJGJによる迅速な対処が
可能ってことだな。オッケーオッケー。やっぱ
国軍にも売り込んだ方がいいぜ、これ。」
「国軍ももうすぐ到着するとのことです。
これで逆転でしょうね。」
「こ、ここまで魔物に攻め込まれてるのに、
どうしてまだ戦ってんすか!」
自由は姫に詰め寄っていた。
「たった今、避難を決めたところです!
なのに刀子が・・・・・」
「遅すぎるっす! もっと早く、自分がおっさんの
避難完了と敵増援を知らせ・・・」
「お父様をおっさんとはなんですか!」
自由の発言に声を荒げる。
「あ、あの・・・なんで急に喧嘩始めたの・・・。」
「退路を確保いたしました!」
「結構! 自由が倒しながら来てくれれば、
スムーズに撤退できましたがね!」
「自分に1人で戦えってのは監督者として
ドーかと思いますがね!」
「あなた、1人で戦うため東へ行っていたでしょう!
矛盾していませんか!」
2人は次第にヒートアップしていく。
「・・・な、なぜ2人は言い争っているのだ・・・。
ロウ、どうなっている・・・。」
「いろいろあってな。」
「ところで刀子! 軽々しく命を捨てるなどと
言ってどうするのですか!」
「はぁ!? んなこと言ったんすか? ギャグ
ですよね!」
「こいつがギャグ言えるように見えるかよ。」
ロウは刀子を指さす。
「し、しばし! 2人ともケンカをしている
時では・・・」
「ケンカじゃねぇっす! 諫言っす諫言!」
「諫言ならばもっと上品に言いなさい! ただ
喚いているだけでしょう!」
「自分は完璧だから死なないと思ってんでしょう!
ただの思い上がりっすよ! 刀子先輩に命を
捨てんなって言っておいて・・・自分は命を
かけても平気だなんて言ったら許しませんよ!」
「あ、あなたこそ! 東の魔物を単独で止めに
行ったでしょう! 今だって魔物のひしめく中を
・・・デバイスで連絡すればよいのに!」
「お嬢を助けに来ちゃ悪いっすか!」
「あなたを案じるのは迷惑ですか!」
「いい加減にしろ、お前らぁ!!」
2人の様子を見かね、ロウが叱責する。
「「!?」」
「全くです! 今のやり取りで互いの言いたいことは
伝わったでござろう! これ以上の問答は無用。
それにロウと松島殿もおられる。」
・・・まあ、お前も言えねぇけどな・・・。
「速やかに撤退し、安全を確保しなければ。
松島殿・・・救援、感謝いたす。」
丁寧に頭を下げる。
「え? あ、あはは・・・どういたしまして・・・。
もう一発だけ全力で撃つから、ロウ君、魔力
お願いしていいかな。」
「ああ。」
「さあ、戻りますぞ。姫殿・・・御心配をおかけし、
申し訳ありません。」
「・・・・・。」
「・・・・・。」
姫と自由は互いをちらりと見る。
「自由、すみませんでした。」
「え、あ、ええと・・・じ、自分もちょっと
言いすぎました・・・・。」
援軍の到着により、魔物の大多数を
倒すことに成功した。
「おおー・・・これが野薔薇のお屋敷かー・・・。」
「刀子、自由、そしてロウさん・・・本日は
お疲れさまでした。まだ戦いは終わってませんが・・・
JGJの部隊と、国軍が駆けつけています。」
話すそばで、魔物が次々と倒されていく。
「学園から松島さん、神宮寺さん、月宮さんも
来ていただけました。我らの勝利は揺るがぬでしょう。
みなさんの献身で反賀を守れました。・・・・しかし、
私には反省しなければならないことが多い。」
弱い声で言う。
「自由の忠告に気づかず、刀子を危険にさらし・・・
まだ野薔薇でないロウさんを、私の意地に
巻き込むところでした。至らぬところの多い主人で
申し訳ありません。」
「全くだな。俺に大声出させやがって・・・。」
「あ、謝ってはいけませぬ。拙者が危険だったという
ならば・・・それは拙者が力量不足だっただけで
ございます。」
「いやー、自分ももっとストレートに伝えるべきでした。」
重い空気が包み込む。
「・・・あ、まあ、反省会はこんなとこで
いいんじゃないっすか? さっきのでじゅーぶん、
やりあったというか・・・」
「ええ、そうですね。もう戦線はお父様に
任せましたし・・・帰るとしましょう。学園に。」
「・・・え? お屋敷に、じゃなくて?」
意外な答えに目をぱちぱちさせる。
「万が一を考え、離脱するようにと申し付けられています。
それに戦闘の事後処理で、お父様方は忙しくなるでしょう。
ロウさんを引き合わせるのは難しいでしょう。」
「・・・そ、そっすか・・・・。」
「よっ。野薔薇一家。大変だったなー。無事?」
初音が姫たちに近づく。
「初音さん。ありがとうございます。あなたが
JGJの私兵を読んでくれたおかげです。」
「ふふーん。ま、こっちもショーバイだかんな。
討伐依頼でがっぽりだぜ。」
にやりと笑う。
「ええ、お好きなだけ。窮地を助けていただいたのです。
それくらい・・・・・・・・」
途中で言葉が途切れ、地面に倒れる。
「お嬢! ・・・あ、あれ・・・」
「姫殿! ぬぅ・・・体が・・・動かん・・・」
自由と刀子も倒れる。
「そーだと思った。アンタら、魔法使い過ぎてんだよ。
しばらく筋肉痛みたいに後退くぜ・・・。
ま、こんな時は任せとけって。沙那ー。空に
なったヘリ、一機借りようぜ。」
「かしこまりました。すでに話は通しています。
いつでも出発できます。」
「うっし、松島も、ロウも・・・帰るぞ。
凱旋ってやつだな。」
「お前が締めんのかよ。」
ロウは自由と刀子をひきずり、
初音たちと共にヘリに乗った。