グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第18話 天羽鉄舟

「いや、クエストを終わらせてからにする。

 その方が張り合いがある。」

 

鞘から刀を出しながら、

ロウは言った。

 

「ふふん、まあそうじゃろ。

 好きなものは後にとっておく

 みたいなものじゃな。」

 

「いや、それとはちょっと違うだろ。」

 

2人が話す間にも

サワガニが接近してくる。

 

「おおっと、そんな話してる場合ではなかったわ。

 すこしどいてろ、少年。」

 

「へ~い。」

 

少し後ろに下がる。

 

「はあぁぁぁ!!」

 

炎を一面に放ち、

サワガニを焼き尽くす。

 

「おぉ~。」

 

パチパチと拍手をする。

 

「なっるほど~。学園で一番は

 自称じゃなかったか。」

 

「ふふん、ようやくわかったか。

 ・・・ああ、少年、ちょっと

 こっち寄れ。」

 

「ん? ああ。」

 

アイラのすぐ近くに近づく。

 

「あ~、助かるぞ、少年。」

 

「え?」

 

「いや、妾の唯一の弱点である

 『日光』にあまり、当たりたくないんじゃ。」

 

「なんで唯一2個あんだよ。」

 

「まあ、細かいことは置いといて。」

 

「細かくねえだろ。」

 

明らかな矛盾に突っ込む。

 

「まったく、うるさいのう・・・・ん?」

 

先を行く2人の目の前に

川がある。

 

「く、ううう・・・・。少年、

 背中。」

 

「ったく・・・。」

 

またしゃがみ、おんぶする。

 

「にしても、少年。」

 

「なんだ?」

 

「お前みたいな体質の人間は

 人類史上始まって以来じゃろう。」

 

「体質・・・? 魔力の大量貯蓄と

 それを分ける能力か?」

 

「そうじゃ、いつの時代もその技術を

 確立させようと多くの人間が努力した。」

 

「そんな中、その能力を持った俺が

 出てきた・・・・。お前は

 何か裏があると思ってるのか?」

 

「さあのう。実際のところはようわからん。

 突然変異とか、そんなんじゃろ。」

 

「急に適当だな・・・・。」

 

若干あきれる。

 

まったく、変にシリアスな

雰囲気作りやがって。

 

「・・! おお! また出たぞ!」

 

今度は4匹ほど、サワガニが現れる。

 

「一気に片付けてやろうかのう!

 少年、魔力補充頼むぞ。

 今夜は佃煮じゃ!」

 

「了解。」

 

念のため・・・。

 

「『ROOM』!!」

 

青色のドームが出現する。

その後、ロウはゆっくりと

目をつぶる。

 

「ゆくぞ!はあああ!!」

 

雷を出現させ、サワガニに浴びせる。

 

「すげえ威力だな。」

 

のんきにみているロウの

背後に1体のサワガニが近づいてくる。

 

「! 少年!」

 

「うん? !」

 

ロウは後ろのサワガニに気づいた。

 

「『シャンブルズ』!」

 

ロウとアイラの位置を入れ替える。

これにより、アイラはサワガニと

向かい合う形になる。

 

「くらえぇ!」

 

再び雷を浴びせ、サワガニが消滅する。

 

「ふう、これで全部片付いたじゃろ。」

 

「まあ、佃煮はできなかったがな。」

 

「わかっとるわ! 魔物が霧に変わること

 くらい! 妾を食いしん坊キャラにするな!」

 

「とりあえずこれで、Mission Completeっと、

 行きたいところだが、魔物も片付いた。

 あんたに聞きたいことがある。」

 

「おおっと、そうじゃったな。

 で、何を聞きたいんじゃ?」

 

「・・・まず聞きたいのは

 ・・・・天羽鉄舟についてだ。」

 

「天羽鉄舟? ・・・・随分と

 懐かしい名じゃな。」

 

「!! 知っているのか?」

 

「ああ、何度か話したこともある。」

 

こいつ・・・ほんとに

300年生きてるのか・・・?

 

「だが、天羽は2年ほど前に

 ポックリ逝ったと聞いとるぞ。」

 

「いや、奴は生きてる。」

 

「もし生きとるなら、もう90近くの

 じじいじゃ。なぜ、奴にこだわる?」

 

「・・・あいつから、この国を

 取り戻すためだ。」

 

「・・・それはどういうことじゃ?」

 

「・・・今は話せない。時期を見てからだな。」

 

・・・天羽・・・

絶対見つけ出してやる・・・・。

 

ロウは強く、拳を

握りしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園

 

「さて、あとは報告するだけじゃが

 屋上でサボるぞ!少年!」

 

「はあ?」

 

「今回は執行部も反則手を使ったんじゃ。

 構わん構わん!」

 

「まったく・・・。」

 

アイラに促され、

屋上に向かう。

そのとき、すれ違った

女子生徒とぶつかる。

 

「ああ、すみません。」

 

「ちっ! 次は気をつけろよ。」

 

あんな怒るかね・・・。

 

「今のは朝比奈じゃな。」

 

「朝比奈?」

 

「不良生徒じゃよ。」

 

「ふ~ん・・・・。」

 

 

 

<ロウ、アイラ、移動中>

 

 

 

屋上

 

2人は長椅子に腰掛ける。

 

「のう、少年。」

 

「ん?」

 

「クエスト中に言ったじゃろ。おぬしは

 人類史上始まって以来の体質じゃと。」

 

「ああ、聞いたな。」

 

「それゆえに、お主に近づく輩が

 現れるやもしれん。」

 

「輩ねえ・・・。」

 

まあ、俺は前から狙われてる

ようなもんだからな。

 

「いずれ、大規模な侵攻が確実となれば、

 その混乱に乗じて、お主に近づく奴が

 いるかもしれんからの。」

 

「心得ておく。」

 

「それと、天羽のことじゃが・・・。」

 

「? どうした?」

 

「奴には関わらんほうがいい。」

 

「・・・お前が言おうが俺の目標には

 奴がからんでくる。こればかりは

 止められねえよ。」

 

戦闘服から制服に戻る。

 

「んで? 近づく奴って、例えば?」

 

「魔導科学研究所、通称『科研』の

 連中には気を付けることじゃな。

 奴らのところに行っては人権が

 なくなってしまうからな。」

 

「ああ。・・・話は終わりか?

 そろそろ報告に行くぞ。」

 

ロウは立ち上がり、

報告に向かった。

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