グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第183話 迷子を探す

「アタシもてつだう!」

 

話を聞いていた子供のメアリーは

手を高く上げる。

 

「うっせぇ。テメーの出る幕はねーよ。

 月宮に任せりゃ、迷子くらいすぐ見つかるだろ。」

 

「ツキミヤ・・・? あれ? アイツも

 ツキミヤ?」

 

2人の沙那を交互に見る。

 

「いらねーこと気にすんな。テメーはただ

 身の上を話しゃいいんだ。」

 

「意味わかんねーよ! いい、自分で聞くから。」

 

そう言って、子供の沙那に聞きに行く。

 

「おい、アタシが探してやるから、来いよ。」

 

「え・・・で、でも・・・私のお務めなので・・・」

 

「オツトメ? よくわかんねーけど、アタシに

 任せときな。」

 

ニッと笑う。

 

「アタシはホームのボスなんだ。アクシデントの

 解決はお手のものさ。」

 

「ホームの・・・ボス・・・?」

 

「イエース。その迷子の特徴を教えな。」

 

「どうすんだよアレ。」

 

子供2人を指さす。

 

「迷子って神宮寺だしな。あいつらに

 任せると日が暮れそうだな。」

 

「心配ありません。すでに場所はわかっておりますから。」

 

「さすがだな。」

 

「2人に任せ、長引きそうでしたら口を出しましょう。」

 

「へーへー。せいぜいおだてて、機嫌取ってやるよ。

 なんで日本に来てるか聞かせてもらわねーとな。」

 

「私たちは、ほかの人を探しましょう。」

 

「他? ロウはここにいんだろーが。」

 

他ってなると確か・・・

 

「鳴海さんです。これまでの例から、あの場にいた

 鳴海さんもまた・・・こちらに来ているでしょう。」

 

「あの場にいたってなると・・・水無月も

 いたはず。多分来てるだろうな。」

 

「ま、それならちょうどいい。おい。」

 

メアリーが子供のメアリーと沙那に呼びかける。

 

「せっかくだからもう何人か探してみねーか。」

 

「「え?」」

 

 

 

<ロウたち、事情説明中>

 

 

 

「ふーん。アンタたち魔法使いなのか。」

 

子供のメアリーはロウたちを

じろじろ見る。

 

「見て分かんだろ。グリモアの制ふ」

 

「待てこら。」

 

ロウはメアリーの肩をつかむ。

 

「・・・なんだよ、ロウ。」

 

「グリモア? あー、日本にも魔法学園あるのか。

 どうりで変な服着てると思った。」

 

うんうんと頷く。

 

「ああ? ・・・・我ながらおもしれーこと

 言うじゃねーか。気に入ったぜ。」

 

「あの・・・私は、初音様を探さないといけないのです。

 お邪魔をして申し訳ありませんでした。失礼いたします・・・。」

 

「あ、おい待てよ!」

 

子供のメアリーは子供の沙那を追いかけていく。

 

「ったく、ウィリアムズ。忘れたか。」

 

「あー、そうだったな。こっちは制服のデザインが

 違うんだった。」

 

「まあ、幸運にもあいつらは知らなかったな。」

 

「それなら、大丈夫だろ。」

 

 

 

 

 

 

「・・・わ、私のお役目は、神宮寺の皆様のために

 ご奉公をすること。初音様をお探ししなければ、

 放逐されてしまいます・・・。」

 

子供の沙那はつぶやきながら歩く。

 

「そのような酷い方々ではありませんよ。」

 

「あ・・・先ほどの・・・。」

 

「神宮寺にお仕えすることが幸せだと思えるような、

 素晴らしい方々ばかりです。」

 

「し、しかしお役に立たなければ・・・その・・・」

 

徐々に声が小さくなる。

 

「命を救っていただいたのですから、誠心誠意お仕えする

 必要はあります。」

 

「あ・・・なぜそれを・・・!」

 

「私も似たような境遇ですから、気持ちは

 わかります。」

 

「はい・・・・。」

 

「初音様に危険が及ぶ前に見つけなければいけないのは

 確かです。ですから、コツをお教えしましょう。」

 

「ツキミヤー。」

 

子供のメアリーが駆け寄ってくる。

 

「ツキミヤ! ここにいたのか! おめーまで

 迷子になったら意味ねーだろーがよ。」

 

「わ、私は迷子になったわけではありません・・・。」

 

「アタシのそばを離れたら迷子なんだよ。

 ホラ、ハツネ、だったか? 探しに行くぞ。」

 

子供の沙那の手をつかむ。

 

「いえ、ご迷惑をおかけするわけには・・・・」

 

「頼ってごらんなさい。2人で探せば、

 見つかるのも早いでしょう。」

 

「話がわかるじゃねーか! へへ。ま、

 アタシがいりゃすぐだ、すぐ。行くぞ、ツキミヤ!」

 

「・・・ずいぶんと面倒見がいいな・・・

 ウィリアムズ~。」

 

ロウは意地悪そうにニヤリと笑う。

 

「ただのガキ大将だ。あれ以上嫌がると機嫌

 悪くなるんだぜ。ちっ。そんなとこは表と同じだな。」

 

 

 

 

 

 

数十分後

 

「・・・あ、ありがとうございます。

 おかげさまで、初音様も無事見つかりました。」

 

子供の沙那は丁寧に頭を下げる。

 

「結局、自分で見つけてんじゃねーか。

 ・・・お前も行くんだろ?」

 

「え?」

 

「じゃーな。ちょっとだけど、意外と面白かったぜ。」

 

「あ・・・えっと・・・。」

 

子供の沙那から離れた子供のメアリーは

桜の木に隠れる。

 

「・・・・・・。」

 

「なんでえ、寂しがってんのかよ。」

 

「は、はぁ!? なに言ってんだよ! 誰が

 寂しがってるって!?」

 

「・・・意外と寂しがりやなんだよ、

 テメーは。」

 

「な、なんだよ。わかった風に。」

 

数歩ほど後ろに下がる。

 

「なんでもねーよ。それよりテメーはダディの

 とこに帰らなくていいのか?」

 

「けっ。ダディはオトナの話があんだってよ。」

 

「・・・オトナ?」

 

「・・・あ、あの・・・えっと・・・。」

 

子供の沙那がとことこと歩いてくる。

 

「あれ? なんでお前・・・もしかして、

 迷ったのか?」

 

「い、いえ・・・えっと、そのですね・・・。

 初音様を探すお手伝いをしてもらったお礼を

 しなければと・・・。初音様は大旦那様の

 ところに戻られましたから。みなさんのお手伝いを

 させてください。」

 

「・・・ほぉ・・・?」

 

「それでは一段落ということで、鳴海さんと

 水無月さんを探しましょうか。」

 

「ああ、そうするか。」

 

そのとき、ロウの近くを1人の男が

通り過ぎる。

 

「・・・・!?」

 

・・・今の・・・・。

 

その男にロウは見覚えがあった。

 

「・・・おっさん?」

 

見かけた義人を思わず追いかける。

 

「おい、ロウ!」

 

 

 

<ロウ、移動中>

 

 

 

そのころ

 

「ねぇ、アンタ・・・。」

 

「んー?」

 

純はゲームをしている子供の

自分に話しかけていた。

 

「あたしと同じ格好の人、見てない?」

 

「あー、んー・・・と、ね。えーと。」

 

「ゲームやめてよもー。上の空なんだから・・・。

 こんなとこでゲームしてると目を悪くするよ?」

 

「・・・おや、アンタさんも来てたんですか。」

 

「・・・あ、やった! 会えた!」

 

なんとか風子に会え、安堵の表情を浮かべる。

 

「いきなりこんなとこにきて、意味わかんなかったんだよね!

 ・・・ここにいるの、あたしっぽいし。」

 

「この事態の説明はしますよ。あっちとも

 連絡を取らないといけませんしね。」

 

「あっち?」

 

「学園です・・・ちょっと、相手をお願いしても

 いいですか。」

 

「・・・相手って・・・その子の?」

 

風子に似た少女を指さす。

 

「あ・・・おねーさんと同じ服の人だ。」

 

子供の風子は風子の制服を引っ張る。

 

「助けてくだせー・・・。」

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