グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
「ところで、そっちの子供はもしや・・・。」
子供の純をじっと見る。
「うん、そう。なんでか知らないけど・・・」
「おっと、とりあえず、再会できたことに
感謝しましょーか。」
「・・・そっちの子供はもしや・・・なになに?
もしや・・・誘拐?」
子供の風子が聞き耳をたてていた。
「誘拐!?」
「ゆうかい・・・あぁ! あとちょっと
だったのにー! 負けちゃったー! ラスボス
強いー!」
ベンチの上でバタバタとする。
「ゲームで気を引いてる間にさらうんだね・・・
なるほど・・・・。」
「なるほど、じゃねーです。アンタさん、
どこまでついてくるつもりです?」
「怪しくないってわかるまでだよ。ふーこ、
おまわりさんになるんだもん。」
にこりと笑う。
「さいですか・・・めんどくさいですねー・・・。」
「・・・ねぇ、その子・・・。」
「さっきそこで会いましてね。不審者扱いされて
まして、困ってるんです。」
「へぇ・・・じゃなくて、その子・・・。」
「すぐ通報しよーとするんですよ。ねー・・・
静かにしてほしーもんです。」
軽くため息をつく。
「・・・・そう?」
「よけーなことは言わねーで・・・あれ?」
子供の風子の姿が見えなくなっていた。
「お父さんとお母さんはどこにいるの?」
「んー? あっちかな。」
子供の純に話しかけていた。
「そっちのお姉さんは?」
「知らない人ー。」
「あっ。」
「えっと・・・110番・・・。」
携帯を出し、通報しようとする。
「あー、えーと・・・おほん。ところで、
あの人たちは見つかりました?」
「ん? 誰のこと?」
「えー・・・ウチらが探している人です。
警備のクエスト、続けなきゃいけませんね。」
そう言って、子供の風子をちらっと見る。
「けーび・・・クエスト? 魔法使い・・・?」
「よし、のっかってきましたね。話合わせて
くだせー。」
「よくわかんないけど、オッケ。・・・そうだね。
もう少しで交代だし、探さないと。」
「んじゃあ、交代しとくか?」
「・・・・・え?」
「ろ、ロウ!? アンタ、いたの?」
「結構前からな。」
ロウはきょろきょろと周りを見る。
くそ・・・見失ったか・・・。
「んで? とりあえず、鳴海に事情話したほうが
いいか?」
「ええ。お願いします。ウチは通報されねーよーに
頑張ります。」
「・・・通報?」
<ロウ、純に説明中>
「・・・え? 裏世界? なんで?
あたし、ゲート通ってないよ?」
「霧の嵐です。」
沙那とメアリーも説明に入る。
「この過去に飛ばされるのは、いつも
霧の嵐ですから。」
「もう何人も経験者がいるしな。いつもの通りなら、
デバイスで連絡が取れる。」
「・・・ってか、取れた。」
メアリーはデバイスを取り出す。
「もうすぐ学園の連中が偶発したゲートを
安定化させるだろ。」
「なんだ、帰れるんじゃん。びっくりした・・・。」
ほっとした表情を浮かべる。
「・・・テメー、過去の自分と話したみてーだが・・・
自分がガキのころと、なんか違うことあったか?」
「違うなんてのはなかったなー。」
「私も、過去の自分に違和感はございません。」
「それに水無月も・・・なんか、意外って
ほどじゃないみたいだったよ。めんどくさい
みたいだけど・・・。」
「あ? ガキの水無月がか?」
「・・・何かを相談してるみたい。」
子供の風子はロウたちの方を
じっと見ている。
「そりゃー、クエスト中ですから。相談してますよ。」
「グリモアの生徒だけど、いい人かはわからないよね?
電話しよーっと。」
通報しようとする。
「通報しようとしない。油断も隙もありゃ
しませんね。」
電話を閉じさせる。
「はぁ・・・いーでしょ。せっかくですから、
見学していきませんか。ウチらが健全な活動を
してると、教えてあげますよ。」
「そうやってさらうんだ?」
「自分で確かめてみたらどーです?」
「ふーん・・・じゃあこの子、ふーこと
おててつないでいいよね。」
子供の純を指さす。
「どーぞ。でもそこから動かねーでしょ。
ずーっとゲームしてますよ。」
「なになに? その子、動かす? おーい。」
純が子供の自分に呼びかける。
「ラスボスを使う方法、教えてあげよっか。」
「え!? ホントに!?」
バッと顔を上げる。
「教えて教えて! ラスボスだったらラスボス
倒せるかも!」
「・・・やっぱり、あやしー。」
「はぁ・・・まさかの前途多難ですね・・・。」
その様子をロウとメアリーが見ていた。
「まったく・・・子供のぴかわでもめんどくさかった
ってのに、水無月も面倒だとはな・・・。」
「引き金が軽いのは厄介だな・・・。」
「・・・何しゃべってるかわかるか?」
子供のメアリーは後ろの子供の沙那に聞く。
「えっと・・・むつかしくてよくわかりません。」
「クックック。おいガキ。」
「メアリーだ!」
「ガキメアリー、あそこのガキンチョも
困ってるらしいぞ。助けてやんな。」
子供の風子を指さす。
「あそこの? でもアタシ、日本語わかんないぞ。」
「そのくらい根性で何とかなる。ボスなんだろ?
行けよ。」
「なんだよ、命令ばっかしやがって・・・。
ツキミヤ、来いよ。お前がいねーと日本語
わかんねーからさ。」
「は、はい! 私がお役に立てる・・・。」
子供の沙那は子供のメアリーに
引っ張られていく。
「・・・ガキ大将だな。」
「うっせぇ。」
「よう、なんか困ってんだって?」
子供のメアリーが子供の風子と純に
近づく。
「・・・? 外国の人?」
「あ、あの・・・なにか、困ってることが
あると聞いたのですが・・・。」
「困ってなんかないよ。だってふーこ、
あの人たちを見てるだけだもん。」
風子をちらっと見る。
「あの人たち・・・魔法使いのひとたちですか?」
「そうだよ。誘拐犯かもしれないから。」
「え・・・? で、でも初音様を探すのに
協力してくれました・・・。」
「おい、なにしゃべってんだ! 日本語
わかんねーんだって! 教えろって!」
<子供のメアリー、説明中>
「・・・ってわけだ。」
「というわけで、初音様を探してくれたのです。」
「迷子探しのお手伝い・・・いいことをしたってこと?」
少し首をかしげる。
「そうです。私を助けてくれました。」
「・・・じゃあ、いい人なのかな。でもなんで
うそなんかついてるんだろ・・・。」
「うそ・・・ですか?」
「ほっ・・・スペシャルこうげき!」
3人が話す中、子供の純は
1人ゲームをしていた。
「・・・なんかアンタ、ほかの子供からも
浮いてるなぁ。」
純は子供の自分を見てあきれる。
「ほら、同年代の子供だよ。遊びなよ。」
「え? 別にいーよ。ゲームするもん。」
「あたしの子供時代ってより、楯野に似てる
かもなぁ。」
「あー。また負けちゃった。ちょっと
休憩しよっと。」
純から急に離れる。
「え? あ、ちょっと!」
子供の純は勝手に歩いていく。
「す、すごいマイペース・・・・・・。
こんなだっけ、あたし・・・。」