グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
「・・・あれ? 女の子がいる。」
子供の純は風子たちに近寄る。
「あ、さっきの子。」
「さっき? 会ったことあったっけ・・・?」
「え? さ、さっきお話ししたよ?」
不安な顔を見せる。
「そーだっけ? でもあたし、ずっと
ゲームしてたからなぁ。誰かと間違えてるんじゃない?」
「な、なにそれ!?」
「・・・年上への態度とえらく違いますね。
ウチら、全然信用されてません。」
ためいきをつく。
「ここまで用心深いとは・・・。ところで
鳴海純。子供のアンタさん、エラくテキトーな
態度じゃねーですか。」
「あたしもびっくりだよ。あそこまでのめりこんでたのかって。
自分じゃわからないものだなー。」
「あの・・・お連れの方が見つかったのであれば、
私はそろそろ・・・。」
「そーですね・・・ウチらもそろそろタイムリミットが
近いですし。神宮寺の皆さんのところまで、
送りましょーか?」
「いえ、1人で帰れます。それでは・・・」
「あー!」
「ひっ!?」
子供の純は子供の沙那を見ると
目を輝かせて駆け寄る。
「アニタだ! アニタの恰好!」
「え・・・え・・・ええ?」
何のことかわからず、おろおろする。
「その服どこで買ったの!? アニタ好きなの?
ジャイロファイト好き!?」
「ま、待ってよー! 急にどうしたの?」
「あ・・・あの・・・えっと・・・。」
「スト~~ップ!」
子供のメアリーが2人の間に入る。
「ツキミヤをいじめんじゃねぇ! アタシが
相手になるぞ!」
「うわ! シンディだ!」
今度は子供のメアリーに駆け寄る。
「アタシはメアリーだよ!」
「・・・いきなりなんです?」
「その子の服がね、持ってるゲームのキャラの
服と似てるんだ。」
「ほほー。ゲームのキャラは、あんな戦いにくい
恰好で戦うんですか。」
「フィクションだからね・・・。ちょっと
止めてくる。」
そう言って、子供たちのところに行く。
「・・・ふむ。鳴海がいい感じにかき回して
くれましたね。」
「どうだ? 水無月。」
「ん、ロウさん。・・・・・・・。」
腕を組んで考え始める。
「水無月?」
「・・・ここは1つ、博打ですが・・・ホントの
ことを話しましょーか。」
「・・・なに?」
「ロウさん、子供たちを集めてくだせー。」
「あ、ああ、わかった。鳴海ー。
ガキども集めてくれー。」
「・・・オホン。お子さんがた。すいませんね
お楽しみのとこ。」
子供たちが風子の前に集まる。
「なんて言ったんだ?」
「月宮さん、通訳お願いします。ってことで・・・
実はウチら、そっちのちっちゃなおまわりさんに
疑われてまして。」
子供の風子を見る。
「観念して、ホントのことを話そーかと
思いましてね。」
「疑うって・・・なんで?」
子供の純は子供の風子のほうを向く。
「だって知らない人たちなのに、いつの間にか
みんな一緒にいるでしょ? 誘拐犯のてぐち
だって、ふーこ知ってるもん。それに嘘ついてるし。」
「さいです。ウチらは嘘をついてます。魔法学園の
生徒じゃありません。」
「はぁ? 嘘なのかよ!」
「正確には
ありません。」
「フロンティアアカデミーもそんな服じゃ
ねーからな!」
子供のメアリーは声を荒げる。
「もちろん、アメリカでもありません。
もう1つの世界です。」
「・・・・・?」
「・・・なんて?」
風子の言ってることがわからず、
子供たちは首をかしげる。
「ウチらはもう1つの世界から、この世界の事件を
解決しに来ました。さしあたり、今風飛で起きている
連続誘拐事件でも止めましょーか。」
「ちょ、ちょっとまって! うそ・・・」
「この目を見てほしいんですが・・・嘘ついてる
ように見えます?」
風子は子供の自分と同じ目線の高さにする。
「・・・・え?」
「でしょ? 信じてもらえないと思って、
これまで隠してたんですよ。ですがそろそろ
帰らなければいけない時間になってしまいました。
もし信じられないなら、通報してもけっこーです。」
にこりと笑う。
「どーせ帰りますからね。ですが、教えてほしいことが
1つあるんです。ここで、ウチら5人以外に
怪しい人を見ませんでした?」
「・・・・・・。」
「あ、いた。あたし、怪しい人見たよ。」
子供の純が手を上げる。
「一番見てなそうだが・・・どんな人だった?」
「・・・もしかして、アイツかな・・・。」
「なんでもない様子なのに、ジロリとにらみつけて
くる人がいました・・・・。」
「え・・・?」
子供の風子が他の子供たちを見る。
「み、みんな話しちゃうの? おねーさんたち
だって怪しいのに・・・・。」
「私と初音様の、恩人ですから。」
「こいつの初音様を探してたしな。」
「ラスボスの攻略方法教えてもらったし・・・。」
「・・・~~~!」
「・・・ど、どうもありがとうございました。
お世話になりっぱなしで・・・あの、今日の
ところは失礼します。・・・神宮寺のメイドというのは
嘘だったのでしょうか。」
子供の沙那は沙那をちらっと見る。
「水無月さんと同じですよ。こちらの神宮寺でなく、
あちらの神宮寺です。初音様にお仕えしているのも
おなじです。」
「それでは、またお会いすることはできないのですね。
もっといろいろと教えてもらいたかったのに。」
寂しそうな表情を見せる。
「お屋敷には多くの先輩がいます。優しく
教えてもらえますよ。」
「よー。結局、どーして日本に来たんだよ。」
「ダディに聞いてきてやったぞ。遠き日本って
映画見たんだってよ。」
少しあきれた表情で言う。
「遠き日本・・・? ・・・確かに親父はアレ、
好きだな・・・。だがそれで日本まで来たことは
ねぇ・・・ただの気まぐれで変わる範囲か?」
「なぁ・・・お前ってダディのこと知ってるの?」
「・・・知ってたらどうする?」
「まさか、ダディの・・・・・愛人?」
「げっ・・・そんな寒気がするよーなこと
言うなっつの・・・。アタイに会いに来たんなら
こんなとこで花見してねーよ。安心しろ。」
「やったぁ! このゲームもクリア!」
ぴょんぴょんと飛び跳ねる。
「・・・そろそろいいかな? もう帰らなきゃ
いけないんだけど。」
「え? もっと教えてよ! まだたくさんあるのに!」
「自分で探しな。ゲームって、それが一番楽しいん
だからさ。教えられてばっかりじゃ、すぐつまんなく
なっちゃうよ。」
「クリアできるんだから、つまんなくなったり
しないってば。」
「いいから。あたしの言うこと信じなって。
すぐにわかるよ。師匠からの言葉だよ。」
「・・・いつの間にお姉さんがあたしの師匠に
なったの!?」
「どーも、ありがとうごぜーます。アンタさんが
細かく特徴を書いてくれてたおかげで、特定
できそーですね。」
聞いた特徴をメモしていく。
「おねーさんたちも怪しいの。でも、その人たちよりは
怪しくないの。もう会わないんだよね?」
「ええ。きっともう来ないでしょ。」
「じゃあ、次に会ったらけーさつに電話するね。」
「いーですよ。その時は・・・ウチも全力で
潔白をしょーめーしましょ。・・・頑張って、
お巡りさんになってくだせー。」
「怪しい人に応援されなくていい。」
そう言って、風子から離れる。
そして、風子の方を向く。
「じゃあね、ばいばい!」
駆け出して行った。
「・・・お前、確か第8次侵攻のこと
知ってるんだったか?」
「ええ。風紀委員は第8次侵攻の内容を
伝えられてますよ。」
「最後にまた嘘ついたってことになるな。」
「ま、自分ですし。頑張ってくれると信じましょーか。
では、朱鷺坂チトセ達に連絡とりますよ。」
その後、ロウたちは表世界に戻った。