グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
「・・・あれ・・・なんか・・・急に・・・。」
ヤヨイの体がふらつき始める。
「? ロカく・・・う・・・これ・・・
しま・・・。」
2人は目を閉じ、床に倒れた。
「2名、発見しました。」
2人の周りを黒いスーツの男たちが
囲んだ。そのうちの1人がマイクで
誰かに報告する。
『ああ、わかった。残り2人は俺が
始末する。』
男たちは鳴子とロカを抱え上げると
ロウと智花が入った通路とは
別の通路を進んでいった。
「あいたたた・・・。」
思わず入ってしまい、頭を壁にぶつけたため、
頭を押さえる。
「こ、ここが隠し通路・・・なのかな・・・。」
「ああ、そうなるな。」
「!? あ、ロウさん・・・。」
ロウはデバイスのライトをつけ
通路を進んでいた。
「思いのほか、進んでなくてよかったな。
さて・・・遊佐に連絡するか。」
鳴子のデバイスに電話をかける。
「・・・・・・? 出ないな・・・。」
「気づいてないんでしょうか・・・?」
「・・・嫌な予感がするな。とりあえず、
元の場所に戻るぞ。」
「はい!」
<ロウ、智花、移動中>
ロウと智花は入ってきた壁の
前についた。
「・・・あ、あれ・・・?」
「どうした?」
「あ、開かないです・・・。」
「くそ、こっちからじゃ開かないのか・・・。
仕方ねぇな。進んで出口を探すしかないな。」
「うぅ・・・・。」
<ロウ、智花、移動中>
「ちっ・・・くそなげぇ通路だな・・・。」
しばらく進むが、
通路が続くばかりだった。
「それにしても・・・ここって、いったい
なんなんでしょう・・・?」
「さぁな。だが、ここまで広い施設を
気づかれずってなると、相当な財力がある
連中がいることになるな。」
んなことできるのは・・・まさか・・・。
「あ! ドアがありましたよ!」
「警戒しておけ、南。待ち伏せしてるとも
限らねぇからな。」
持っている刀に手をかける。
「は、はい・・・!」
「・・・行くぞ。」
ドアを一気に開き、ロウが先に
入り、刀を構える。
「・・・? 誰もいないな・・・。」
何度も周りを見るが、
人の気配はない。
「南、入っていいぞ。」
「はい。・・・・ひゃ!?」
「!?」
智花が入った瞬間、ドアが急に閉まり、
ロウと智花を分けるようにガラスの壁が
下からせりあがる。
「これは・・・!?」
「! ロウさん!」
「・・・!」
智花が指をさした先には
般若面をして袴姿の人が歩いてきていた。
「なんだ、あいつ・・・?」
「・・・ワタシノナマエハ、・・・
アモウ、テッシュウ・・・・・。」
「!!」
名前を聞いた瞬間、ロウの目は
大きく開かれた。
「あもう・・・それって・・・。」
「ああ・・・ようやく会えたな。天羽さんよ。」
刀の切っ先を鉄舟に向ける。
「ヒサシブリダナ・・・・ロウ・・・。」
機械化された音声が部屋に響く。
「ここで会えてよかったよ・・・。ようやく、
あんたからこの国を取り戻させる。」
「クチダケ・・・ハ、タッシャダナ、ロウ・・・。
オマエハ、ココデ・・・シマツシテヤロウ・・・。」
そう言って、腰にさしていた刀を鞘から抜く。
「・・・・・。」
ロウは鞘を投げ捨て、刀を構える。
「・・・・・。」
「・・・・・。」
2人は黙って互いを見る。
「・・・・!」
先に斬りかかったのはロウだった。
「・・・・。」
鉄舟はそれをなんなく受け止め、
反撃に出る。
「く・・・!」
鉄舟の攻撃を何度も刀に受ける。
「この・・・!」
刀を縦や横に大きく振る。
「・・・・・・。」
静かにそれを下がってかわす。
「・・・!」
一気に駆け出し、ロウに斬りかかる。
「ちぃ!」
かわしたロウは壁を蹴り、
飛んで斬りにいく。
「・・・・!」
鉄舟はこれも後ろに下がってかわした。
「くそ・・・!」
いらつきから、ロウは唾を吐き捨てる。
「ロウ・・・オマエ、デハ・・・ワタシニ、
カツコトハナイ・・・。」
「てめぇ・・・!」
手に力をいれ、強化魔法をかける。
「! ロウさん! だめです!」
「・・・ああ、そうだったな・・・。」
魔法使って殺すわけにもいかねぇな・・・。
「ショセン・・・オマエハ、ソノテイドダナ。」
「・・・なんとでも言え。」
ロウは駆け出す。
「・・・・。」
鉄舟は刀を構え、迎え撃とうとする。
「くらいな!」
飛んで、斬りかかる。
「・・・・。」
横にスライドしていなす。
「ちぃ・・・!」
2人の刀が大きな音を立ててぶつかる。
「・・・・!」
しばらくぶつかり合ったところで
鉄舟は足払いをする。
「ぐぁ・・・!」
ロウが床を転がったところに
一気に攻めかかる。
「くらうかよ・・・!」
刀を一気に突き出す。
「!?」
鉄舟はかわしきれず、
面に傷が入り、頬の部分が欠ける。
「・・・!」
無精ひげを生やしたままの頬が見える。
「な・・・!?」
どうなってやがる・・・。天羽は
90近いはず・・・どうみても90の
人間の肌じゃない・・・。
「・・・天羽、あんた一体・・・何者だ。」
鉄舟をにらみつける。
「・・・オマエハシルコトハ・・・ナイ。」
今度は鉄舟が斬りかかる。
「『ROOM』!」
青色のサークルを張る。
「『
迎撃するため、突きをくりだす。
「・・・・。」
静かに刀で受け止める。
「『シャンブルズ』!」
ロウと鉄舟の場所を入れ替える。
「『ラジオナイフ』!」
「ヌ・・・。」
かがんでなんとかかわす。
「くらいな・・・。『カウンターショック』!」
両手の親指を鉄舟に当て、電撃を浴びせる。
「グア・・・!」
刀を落とし、壁に寄りかかる。
「もう少しだ・・・もう少しで・・・。」
反撃の手を封じるため、落とした刀を
蹴とばす。
「これで・・・!」
「・・・!」
ロウが刀を振ろうとした瞬間、
鉄舟は懐から小刀を取り出す。
「ぐ・・・!」
かわしきれず、頬に傷がつき、
血がたれる。
「ロウさん!」
「大したことねぇよ・・・!」
流れた血を拭う。
「・・・・。」
鉄舟は蹴飛ばされた刀を拾い上げる。
「・・・・・。」
「・・・・・。」
再び2人は静かににらみ合う。
くそ・・・このままじゃらちが明かないな・・・。
次で・・・仮面でもはがしてやるか。
刀を持つ手に力をこめる。
「・・・・・。」
「・・・・・。」
・・・ここだ・・・!
ロウは一気に駆け出し、
同じタイミングで鉄舟も駆け出す。
「ふん・・・!」
すれ違いざまに互いに刀を振った。
ピキッ
何かが割れたような音が鳴った。
・・・この音は・・・。
ロウが地面を見ると鉄舟の足元に
白いかけらが落ちていた。
「割れたか・・・。」
刀を鞘にしまう。
「さぁて・・・そのツラ見せてもら・・・・・」
振り返って、鉄舟の顔を見たロウは
目を大きく開いた。
「・・・・・・え?」
その顔を見た智花は大きく動揺していた。
「・・・・なんで・・・あんたが・・・・。」
2人が見た顔は何度も見た顔だった。
「・・・久しぶりだな。ロウ。」
「・・・・・・・
おっさん・・・!?」