グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
「ふぁ~・・・もうダメです・・・休憩
させてください~・・・。」
忍者を服をしたソフィアが
ふらふらしている。
「あれ? 救護所ってどちらでしたっけ?
香ノ葉さんと葵さんも・・・どこでしょう?」
「来栖・・・お前、嘘つきだな。」
「・・・さすがに騙されねえか。」
「お前、精鋭部隊やめたって聞いたぞ。
嘘ついて何しようとしてたんだ?」
「・・・・。」
焔は拳を強く握る。
「コイツを前線に連れて行こうとしたんだよ。」
「・・・・悪いけど、怪しいヤツは捕まえなきゃ
いけないんだ。」
「・・・・。」
「来栖。お前にも話してもらうさ。よくわかんない
けど・・・なんか、めんどくさいことが起きたんだろ?」
「・・・仕方ねえな。だったら話してやるよ。」
<ロウ、説明中>
「う~ん・・・それなら、アイラのところに
連れていくのがいいさ。」
「だから! そいつらに渡したらこの戦いで
力が使えねえじゃねえか!」
「そうは言うけどな、見ろ。」
ロウを指さす。
「この歳なら学園に所属しているはずさ。
・・・普通の魔法使いならな。でもグリモアには
在籍してないだろ、萌木。」
「念のため名簿も確認したけど、在籍の
記録はなかったよ。・・・それどころか・・・」
「10代の魔法使いなのに学園に所属してない
ってのが変さ。」
・・・今何言おうとしたんだ?
「ただでさえジリ貧なのに、そんなのを
アテにするのか?」
「アタシ1人なら別に迷惑かけねえよ。」
「妙な副作用とかあったらどうするんだ?」
「そんなの気にしてられる戦況かよ!」
「・・・それは、確かに・・・・」
里菜は言葉を詰まらせる。
「というより、学園の作戦に学園外の人を
参加させるのはまずいんです。下手をすると
学園全体に罰が下るかもしれないんですよ。」
「戦闘服になっとけば、別に問題ねえだろ。」
「ほら、コイツもやる気満々じゃねーか。」
「それが怪しいんです! 戦闘に参加する意思は
あるのに、素性は話せない・・・。魔力譲渡の
力以外は全て嘘。話の裏は取れない・・・。
本来なら、有無を言わさず生徒会長のところに
連れていくべきなんです!」
「なら、アタシを止めてみろよ。」
低い言葉とともに、手に炎を出現させる。
「そ、そもそもあなた、なんなんですか?」
萌木はロウを見る。
「誰もそんな魔法・・・力も知らない、あなたの
ような人を見たこともない! もう1つの世界
なんて最もらしいこと言ってますけど、裏は
取れない! 本当に協力するつもりなら、疑いを
晴らす、努力をすべきなんです・・・・・。」
「それはさっきも聞いたさ。答えないんなら
考えるだけ無駄だな。それか、やれって
言うなら、服部に頼めばいいさ。秘密主義でやって
くれるぞ。」
「服部・・・・」
「服部さん・・・なるほど、それもアリかも・・・」
あいつ、ここでどんな感じなんだよ・・・。
「みなさーん! へるぷみーですー!」
「ん?」
この声・・・。
「・・・ほわっつ? この人いったい・・・。」
ソフィアはロウを見て、首をかしげる。
「ここ、目立つな・・・。連れてくのちょっと
待つさ、来栖。萌木にだって、できること
あるだろ?」
「・・・い、いったい何が起きてるんですか?」
<ソフィアに説明中>
「おー・・・怪しい人なんですね。」
ロウをじろじろと見る。
「怪しいけど変なヤツさ。リナたちのこと
知ってるのに、第7次侵攻は知らなかった。」
正確には知ってるけどな・・・。
「ホントのこと言わないし、危険だからどうするか
話してたんだ。」
「でんじゃーなんですか?」
「いつだって、はっきりしないものは
危険なんだよ。」
「ふーむ、なるほど・・・ではでは・・・ちょっと
整理しますね。萌木さんは生徒会長に、与那嶺さんは
東雲さんに、来栖さんは前線に。ワタシは椎名さんの
ところに連れていきたいです。」
「・・・椎名?」
思わぬ名前に焔は反応する。
「ワタシ、りとる来栖さんに賛成です。そんな
強い力なら、有効に使いたいですね。びこーず、
あんまり偉い人のところに出したくありません。
東雲さんなら大丈夫かな、とは思いますけど・・・。」
「・・・・・。」
「ばっと、この人を前線に出すのは賛成できません。
この人の力が必要なのは、ばとるが終わって戻って
きた人たちです。椎名さんたちの回復魔法も
使い放題になるなら・・・救護所がべすとだって
思います。魔法が使えないなら前線はでんじゃー
ですしね。」
「それじゃ意味が・・・」
「意見が分かれたなー。どうする?」
「・・・とは言いましたけど」
ソフィアの意見は続く。
「ワタシはやっぱり萌木さんに決めてほしいですね。
萌木さんが決めるのが正しいと思うので。
ちなみに、ご本人の意志はどうでしょう?」
ロウの方を向く。
「あ、怪しい人の意志なんて・・・」
「随分言うな。」
「・・・怪しい、ですよね? 私、間違って
ませんよね?」
萌木はロウ以外の3人をそれぞれ見る。
「怪しいのは怪しいさ。でもなんでか・・・
悪いヤツには見えないさ。ずっとリナたちの
話聞いてるしな。」
「・・・・・。」
「・・・くそ。このままじゃ勝てねえだろーが。
国軍が崩れたら、どうせここも戦場になるんだぞ。
どこにいてもそんな変わんねえよ。」
「やっぱりみなさん、りとる緊張してますねー・・・。」
「会長がいきなり替わったからな。水無月の
力は知ってても不安さ。」
少しため息をつく。
「それに・・・初日の戦いで、神凪も目を
やられたしな。さらに、死人もでた。
越水だって平気じゃないだろ?」
「・・・ワタシは、茶道部の皆さんがいるから、
まだ頑張れます。」
「リナだって萌木がいるから頑張るのだ。
でも・・・もつかな・・・最後まで・・・」
この先を考え、不安な顔になる。
「さっきのこと、救護所に連れていくのは
いい案だと思ったのだ。帰ってきたら魔力と
怪我が回復するのは、みんな安心するのだ。でも、
リナはやっぱり・・・アイラに見せたいな。」
そう言って、学園を見る。
「東雲さんに、ですか?」
「ああ。魔力を受け渡すってのが魔法なら、
アイラならなんとかできるのだ。みんなが使えるように
なるなら・・・なんかそう思うだけでなんだが・・・
すごいことが起きそうな気がするんだ。」
「なるほどー・・・難しいですねー。」
「ま、リナはバカだから、萌木の考え方があってる
かもしれないけどな。でもちょっとアイツと
話してみるのもいいと思う。」
「何を話すんですか?」
「できれば目的とか話してくれるのが一番
いいさ。でも・・・。」
腕を組んで、う~んとうなる。
「もしイイヤツだったら、リナは協力して
もらいたいな。」
「いい人か・・・わかります? ワタシ、
萌木さんが言うなら・・・いい人でも、
そうでなくても、水無月会長のところに
連れて行った方がいいかと。」
「じっと目を見てたらわかるのだ。お前も
試してみるか?」
「目を見る・・・・おお! それやってみたいです!
ワタシも試してみます!」
「・・・可能性として、彼が本当のことを
言っている・・・ことはありえる。」
萌木はロウを見る。
「その場合・・・彼の情報がどこにもないのが
不可解・・・でも・・・使いなかったけど、
使うしかないよね・・・。」