グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第203話 護衛

学園

 

噴水前

 

「それで、話ってなんだ?」

 

クエストを終えたロウはゆえ子に

呼ばれていた。

 

「ロウさん・・・。どうやら・・・そんなに

 遠くではないようなのですよ。」

 

「・・・何の話だ?」

 

「ロウさんに見えていた死相の話ですよ。」

 

「!」

 

一瞬、ゆえ子をにらむとベンチに座る。

 

「・・・どうなんだ?」

 

「はるか遠くであれば揺らぎもするのですが・・・

 ゆえが転校してきて2年ほどになりますが、一切

 ぶれていません。」

 

「・・・・・・。」

 

「今のところ、テロリストのことも含めて、あなたに

 重大な危険が迫るような・・・そんなことは

 起こりそうにないのですが・・・ロウさん自身は

 なにか心当たりはあるでしょうか?」

 

「・・・お前は俺のことは知ってるな?」

 

「ええ。」

 

「それならわかるだろ。心当たりがありすぎて

 逆にわからん。」

 

首を横に振る。

 

「そうですか・・・。ならば、もう少し、

 ゆえの方で頑張ってみます。・・・ロウさん、

 あなたを死なせたりしません。あらゆる術を

 使って、お守りします。」

 

「随分気にかけてくれるな。」

 

「ええ。ロウさんだけでなく、学園のみなさんに

 感謝しているのです。お優しいですし、変人の

 ゆえを仲間に入れてくれます。それにゆえの

 不完全な予知をすごいと言ってくれるのです。」

 

にこりと笑う。

 

「両親が死んでから、こんなに幸せな時間は

 ありませんでした。」

 

「そうか・・・・・お前もか。お前は

 ここを・・・?」

 

「はい。命を賭けてでも守りたいのです。」

 

・・・・そこも・・・同じか・・・。

 

「相田ロウ君。」

 

「ん?」

 

後ろで呼ばれたため、振り返る。

 

「おや・・・あなたは始祖十家の・・・」

 

「あら、あなたこそ予知の魔法使いの・・・」

 

「おお、ゆえのことをご存知とは光栄です。」

 

「レネイさんからお話し、聞いてるわよ。

 また遊びに来たら、お話ししましょう。今は

 そこの、ロウ君に。」

 

ロウを指さす。

 

「確かあんた、我妻梅だな。何の用だ?」

 

「・・・私はあなたを守りに来たの。とりあえず

 ヘリオットに同行するわ。」

 

「守り・・・? どういうことだ?」

 

「始祖十家のマーヤー・デーヴィーがロウ君の

 命を狙っているからよ。」

 

「・・・・・・ええ!?」

 

ゆえ子が大きく驚く。

 

「マーヤー・デーヴィー? そんな奴の恨みを

 かった覚えはないけどな。根拠は何だ?」

 

「彼女があなたのパソコンに侵入していたのよ。」

 

「! 俺のパソコンのセキュリティを破るか。

 心か鳴子ぐらいしか破れないと思ってけどな。」

 

どうりであの時、アイコンの位置が

変わったと思った・・・。

 

「まあ、なんにせよまだまだ死ぬわけには

 いかないんでな。護衛、よろしく頼む。」

 

丁寧に頭を下げた。

 

 

 

 

 

 

 

1週間後

 

ロンドン

 

ネテスハイム魔法学園

 

「お、お世話になります。よろしくお願いします!」

 

智花はぺこりと頭を下げる。

 

「そうかしこまるな。我々はすでに友人だ。

 今回は共同作戦も行う。こちらこそ、

 よろしく頼む。」

 

「ああ、わかってる。レティシア。」

 

「デラーの連中もおるじゃろ? 今は

 どこじゃ。」

 

アイラはきょろきょろと見る。

 

「こちらに向かっているぞ。貴嬢らのおかげで

 ゲートがコントロールできる。ロウ、貴殿の

 力も必要だ。・・・全く、頼ってばかりで

 申し訳ないな。」

 

「別に好きに利用してくれていい。」

 

「そうじゃ。お主らと親交を深めるのは我らに

 とっても益があるでな。」

 

「早速だが、ヘリオットまでの移動手段を

 用意している。メンバーは・・・・。 !?」

 

ある人物を見て、目を大きくする。

 

「へぇ~。この子が噂の狼に育てられた

 子なのね。」

 

「レナ、レナ!」

 

「レナ? それがあなたの名前? 私は梅。

 うめ。よろしくね。」

 

「うめ! うまい!」

 

「食べちゃだめよ?」

 

梅はレナをなでる。

 

「こぉら、レナ。失礼なこと言ったら

 だめだべ。」

 

「あ・・・あれは・・・ワガツマか!?

 なぜここに・・・!」

 

わなわなと震える。

 

「IMFからの参加だ。聞いてないのか?」

 

「そ、そうか・・・驚いた。オーガキミネでも

 すさまじい力だったな。ゲートの先がどうだろうと、

 心配はいらなさそうだ。」

 

「るんる~ん。」

 

さらは楽しそうに鼻歌を歌う。

 

「なんじゃ仲月。お主だけか? 朝比奈はどうした。」

 

「たつきさん、選ばれなかったんですよぉ。」

 

「ああ、そーか、今回は人数制限があったん

 じゃな・・・。ふむ、なるほど。ロウの側に

 おれよ。そうすれば皆が守ってくれるゆえな。」

 

「だいじょうぶですぅ! わたしもシローと

 がんばりますぅ!」

 

とびきりの笑顔を浮かべる。

 

「ホホホ、その意気じゃ・・・。」

 

「よろしくお願いしますね。」

 

「おう、シャルロット。妾は留守番じゃがの。」

 

「留守番・・・ですか?」

 

「そーじゃ。なにしろネテスハイムから探索

 チームが出るからの。ロンドン防衛に戦力が

 必要なのよ。仕方ないゆえ妾がやっちゃる。」

 

「はぁ・・・ですが、なぜそのような・・・」

 

アイラは周りのネテスハイムの生徒を

ちらっと見る。

 

「ネテスハイムとグリモアは仲良うせねば

 ならん。レティシアは好意的じゃが、ほかの

 生徒は別問題じゃ。」

 

「!」

 

シャルロットは流れから察する。

 

「ヘリオットはきゃつらが攻略した。そこに

 我らは出張ってきた。」

 

「それがネテスハイムの招待であっても、不満は

 募りますか。」

 

「そういう人間もおるじゃろ。じゃから裏世界の

 探索にはぜひとも行ってほしい。そのためなら、

 妾もやぶさかではないということじゃ。里中は

 大丈夫じゃと思うが、一応フォローしてやれ。」

 

「里中様にはお世話になっていますから、

 お任せください。」

 

「うむ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「では、ロウ。ジーナ・デラーが時間停止の

 魔法を行うゆえ、魔力を渡せ。」

 

「ああ、わかった。」

 

「・・・大冒険の始まりじゃぞ。」

 

 

 

 

<ロウたち、移動中>

 

 

 

 

 

裏世界

 

???

 

「・・・うわぁ・・・。」

 

「みどる! みどる!」

 

ロウたちがゲートの抜けた先に

広がっていたのは一面の緑だった。

 

「そうだねぇ・・・一面、緑だ。」

 

「・・・大冒険か・・・あながち

 間違いじゃないわね。」

 

「にしてもいったい、ここ・・・・

 どこなんだ?」

 

疑問を抱きながらも、ロウたちは

進んでいった。

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