グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

22 / 337
第21話 姫の伴侶

学園

 

薔薇園

 

「・・これはひどいな。」

 

薔薇園は何度か見たことあったが

ここまでとはな・・・。

 

魔物が暴れたため、ちぎれた薔薇が

転がっていた。

 

「きいいっ! 私の薔薇園があんなエセ薔薇の

 化け物なんかに!」

 

地団駄を踏む。

 

「・・・ふぅ。すみません、少し

 取り乱しました。行きましょう。」

 

「ああ、少しでも早く終わらせれば

 被害も少なくて済むしな。」

 

指をパキパキと鳴らす。

 

「! 来ましたわ!」

 

2人の前に魔物が現れる。

 

「ホントにエセ薔薇だな。」

 

刀を構える。

 

「行きますわよ!」

 

姫の手元には

茨の鞭が握られていた。

 

鞭を振り、周りの魔物を

攻撃する。

 

「鞭・・・。」

 

いろいろあるな・・・。

 

ロウの方にも

魔物が近づいてくる。

 

「『ROOM』、『切断(アンビュテート)』!」

 

4,5体の魔物を

一気に切る。

 

「やはり、さすがですわ、ロウさん。」

 

「ずいぶんと褒めるな。」

 

「ええ、私、この学園には

 ある目的で来ましたの。」

 

「目的?」

 

「はい、私、ここには、

 生涯の伴侶を探しに来ました。」

 

「は?」

 

伴侶?

 

「・・・そうか、で、いい奴はいたのか?」

 

「あなたですわ。」

 

「!?」

 

声にもならない驚きがあった。

 

「嘘だろ?」

 

「いいえ・・・と、言いたいところですが、

 野薔薇の婿になるには、まだまだ不十分であると

 言わざるを得ませんね。」

 

「言ってくれるな。」

 

「しかし、少し聞きたいことがあります。」

 

「ん?」

 

「私は家の力を使って、あなたのことを

 調べたことがあります。」

 

ドラマで聞いたことあるような

やり口だな。

 

「でも一切わかることはありませんでした。

 特に7歳の頃から・・・。

 何があったんですの?」

 

「・・・・そこまで隠してることを

 むざむざと言うわけねえだろ。」

 

サングラスをくいっと上げる。

 

「まあ、そうですわね・・・。」

 

「それに今は話してる場合じゃないだろ?」

 

2人の前にまた新しく

魔物が現れる。

 

「『タクト』!」

 

1体の魔物を空中に

浮かべる。

 

「いよっと。」

 

次々と他の魔物を

空中に浮かべる。

ロウは両手を合わせると

浮かんでいた魔物が

一塊になる。

 

「これで狙いやすいだろ。」

 

「ええ! はあ!!」

 

鞭をふるい、固まった

魔物を叩く。

 

うめき声をあげながら

霧になった。

 

「よし・・・残りは・・・!!

 『シャンブルズ』!!」

 

ロウと姫を

少し離れた小石2個の

場所と入れ替える。

 

2人がいた場所に

魔物が攻撃した。

 

「危ないところでしたわ・・・・

 ありがとうございます。」

 

「気にするな。」

 

ズボンの汚れを

パンパンとはたく。

 

「『タクト』!」

 

指を少し上げ、

地面を隆起させ、魔物の

周りを囲む。

 

「トドメだ。」

 

魔物の下の地面を

トゲ状に隆起させ、

魔物を突き刺す。

 

その時、校内放送が流れる。

 

「あー、あー、生徒会長、

 武田虎千代より通達する。」

 

生徒会長・・・・通達だと?

 

「現在、学園の薔薇園に霧の魔物が現れている。

 人数制限のため、もどかしい思いをしているものも

 いるだろう。」

 

「なんだ・・・?」

 

「だが、事態としてはそれをはるかに超えつつある。

 噂としては聞いたことあるだろうが、ここに・・・

 第7次侵攻の発生を宣言する。」

 

「・・・第7次侵攻・・・。」

 

サングラスを外す。

 

「・・とりあえず、Mission Completeだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「素晴らしいですわ! ロウさん!」

 

「ん?」

 

クエストを終えた姫は

ロウに感嘆する。

 

「あ、あと、不躾にもあなたの

 過去に踏み込もうとしてしまったこと、

 どうかお許しください。」

 

頭を下げる。

 

「ひ、姫殿!?」

 

「ああ、気にするな。そう言ってくれただけで

 問題ない。」

 

「・・ありがとうございます。

 今回、あなたの実力を見せてもらいました。

 そのうえで申し上げましょう。あなたを、

 私の伴侶候補とします!」

 

「・・・へ?」

 

「「げっ!」」

 

3人はそれぞれ驚きの声を上げる。

 

「これまでは遊びだったかもしれませんが、

 決めたのです!野薔薇にふさわしい伴侶!

 ロウさんなら、可能性があります!」

 

いろいろ面倒なことになってきたな・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

「さて・・・。」

 

デイバスを使い、

魔物の侵攻について調べていた。

 

「今までに6回あったのか・・・。」

 

購買で買ってきた

チョコレートを食べる。

 

うまいな、このチョコ。

 

「ちょっと、あんた!」

 

「あ?」

 

誰だこんな時に・・・・。

 

「あんた、ツクの大好きな購買の限定30個の

 チョコ全部買い占めたでしょ!」

 

ツク・・・?

 

「いや、最後の1個だ。

 どういう言いがかりだよ。」

 

そのチョコを食べながら話す。

 

「だったらその1個をツクに

 残しておきなさいっての!!」

 

ツクという生徒は

ロウに詰め寄る。

 

「滅茶苦茶だな。」

 

その間にもチョコを食べる。

 

「まあ、確かにうまかったな。」

 

チョコを全て食べ、

唇を舌でなめる。

 

「た、食べちゃったの・・・?

 全部・・・?」

 

「ああ。」

 

「ぐぅ・・・お、覚えておけー!」

 

そう言うと走り去っていった。

 

「覚えておけって、また来るのか?」

 

ロウはのんきにつぶやいた。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。