グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第216話 生存手段

「念のため聞くけど・・・こっちから攻撃

 できる、隙が無くて強力な武器ってない?」

 

「んなもんあるかよ・・・。そういえば望、

 お前、確か武器もらってたろ。」

 

「ピストルなんかが始祖十家相手に

 なんの役に立つってんだよ・・・。」

 

そういって、もらった銃を見せる。

 

「ロウさん、如月さん、楯野さん。」

 

「うわああぁ!」

 

突然沙那に話しかけられ、

望は銃を向ける。

 

「・・・・引き金を引かないように。

 落ち着いてください。なるほど・・・

 これほどにまで・・・。」

 

「お、お前・・・本物か!?」

 

「そうそう証明できねえだろ・・・。」

 

「できます。今から証拠をお見せします。」

 

そう言って、スカートをひらひらをさせる。

 

「・・・そ、それ!」

 

スカートの中からあるものの部品が

次々と出てくる。

 

「これ、確か俺の・・・!」

 

「左様でございます。冷泉のお嬢様に保証を

 いただきました。この戦いにおいて、ロウさんの

 デク着用は不問となります。そのため、

 こちらを届けに参りました。」

 

「これに、俺の強化魔法をすれば・・・

 障壁2枚分くらいにはなるな。」

 

「それなら、いける、かも・・・!」

 

「私も敵の攪乱にあたります。如月さん、

 楯野さん。ロウさんをよろしくお願いします。」

 

「・・・真理佳さん。」

 

「オッケー。いざとなったら、体でね。」

 

浅梨の提案に真理佳はうなづく。

 

「約束する。でもセンパイ、そんなことしても

 喜ばないよ。だから、本当に最後の手段だよ。」

 

「私、どうしても止めたいです。先輩に

 死んでほしくないし、デーヴィーさんに

 人殺しになってほしくない。」

 

「僕も同じ。だから、止めよう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・まさか、あんなに近くまで

 近づけるとは・・・。」

 

ジェイソンはロウたちを見て、

驚いていた。

 

「マーヤー。君は聡明な人だ。だが・・・

 あれを見て、君の決心は揺らぐんじゃないのか。

 俺と同じ希望を抱いていると信じているぞ・・・!」

 

そう言って、ロウたちに近づいていく。

 

「び、びっくりした・・・コズミックシューター、

 近くで見ちゃった・・・。」

 

隠れていた七撫は驚きながら出てくる。

 

「・・・いない、ね。この混乱に乗じて、

 なにか仕掛けてきてもおかしくなかったけど・・・

 始祖十家が相手だからかな。テロリストは

 静か・・・。」

 

周りを警戒する。

 

「・・・でも、間ヶ岾なら、何かしても

 おかしくないと思ったんだけど・・・ね。

 ・・・姉さん。間ヶ岾の始末・・・私たちが

 つけるべき、だよね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・。あの魔法、どうして彼女が・・・。」

 

「知りたいか。」

 

マーヤーの前のアイラが現れる。

 

「あなた・・・そんな歳で・・・ジェンニと

 どっちが強いかしら。」

 

「ジェンニ・コッコか? 最年少の? さあてのう。

 始祖十家と比べれば・・・童なんぞ、木っ端の

 ごときではないかの。」

 

「何を言ってるの。あなた、我妻の血縁でしょう。」

 

「・・・・おや。なんじゃ、わかってしもうたか。

 つまらん。」

 

不満そうな顔をする。

 

「命令式の展開の仕方が梅そっくりだわ。

 いったいあなた・・・。」

 

「吾妻村のあい、よ。ククク、浅梨も

 気づかんかったというのにのう。」

 

「・・・あ、吾妻村・・・?」

 

「やはりお主は頭が良い。敵にまわしとう

 なかったが・・・ヤツの命には代えられん

 よってな。もしものことがあれば、学園は終わりじゃ。」

 

「まさか・・・あなた・・・! !?」

 

マーヤーの体を光が包み込み、

姿を消す。

 

「・・・ちっ。一番の秘密を蔵出ししてやった

 のに、これっぽっちか。まぁよい。わずかな

 時間でも、少年の1歩分くらいにはなるじゃろて。

 さて・・・」

 

空を見上げる。

 

「大詰めじゃぞ。気張れよ、少年。

 こんなところで死んでは、つまらんぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

ロウたちはデバイスの地図で

現在の状況を確認していた。

 

「最初にデーヴィーがいた地点がそこだ。

 ・・・あのさ、今更なんだけど・・・」

 

「なんだ?」

 

「あそこに行ったからって、ロウのこと

 あきらめるのか? 話聞いてくれるって

 ホントに考えていいのか?」

 

「・・・デーヴィーは聡明な人物だと

 聞いているわ。」

 

望の疑問に天が答える。

 

「ものの道理がわからないはずがない・・・

 だけど、それならそもそも・・・」

 

「ロウを殺すって考えて時点で、それだけの

 理由があるってことだ。」

 

「その辺、どうなの?」

 

梅に問いかける。

 

「ん、私? んー・・・別に『私のところまで

 来たら助けてあげる』ってさ・・・マーヤーが

 条件を出したわけじゃないから保証はできないよ。

 でも・・・・」

 

マーヤーがいた地点を見る。

 

「あそこにたどり着けば・・・マーヤーには

 勝ったといえる。あなたたちが彼女を打ち負かす

 くらいしか、止める方法はないと思ったの。

 消去法みたいなものよ。」

 

「消去法ねぇ・・・。」

 

ピピピピピ!

 

「ん?」

 

それぞれ、自分のデバイスを確認する。

 

「俺だ。」

 

鳴ったのは、ロウのデバイスだった。

 

「・・・隠れて。その電話、取りなさい。」

 

「・・・ああ。」

 

周りを警戒しながら、電話に出る。

 

「・・・もしもし?」

 

『もしもし、ゆえです。』

 

電話したのはゆえ子だった。

 

「お前か。どうした?」

 

『用件だけお伝えするのです。』

 

「要件?」

 

『今がロウさん・・・あなたの死の際です。

 そして新しい予知が見えました。』

 

「・・・・どんな予知だ?」

 

おそるおそる聞く。

 

『隠れずに、堂々と進んでください。それが

 唯一の生存手段です。』

 

「・・・そうか。」

 

『お側にいられず申し訳ありません。ですが・・・

 クラスメートのみなさんが、ロウさんの

 救いとなります。』

 

「・・・それが、お前の予知なんだな?」

 

『ええ。どうか・・・信じてください。』

 

「・・・ああ、わかっている。」

 

電話を切った。

 

「・・・なんて?」

 

「全員よく聞け。・・・・ここからは

 隠れず進むぞ。それが、唯一の生存方法だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐ・・・なんてこと・・・!」

 

マーヤーは悔しそうな顔を浮かべる。

 

「学園生が・・・こんなにも・・・

 こんなにも・・・強いなんて・・・!」

 

ロウの顔が頭を浮かぶ。

 

「・・・・・・それでも、私は・・・!

 ・・・距離的に、これを逃したら

 たどり着かれる・・・もうここで、終わりに

 するしか・・・ !?」

 

マーヤーはロウの姿を捉える。

 

「姿を見せた・・・しかも隠れない・・・!

 仕留める!」

 

 

 

 

 

 

 

「ば、バカだろ! 何が唯一の生存方法だよ!」

 

望の言葉を聞かず、ロウは

隠れずに進んでいく。

 

「早く隠れろ! 西原の予知が外れていたら・・・

 ・・・!」

 

攻撃音に反応する。

 

「来るぞ!」

 

「! 障壁!」

 

「かけます!」

 

ロウの周りを障壁が囲む。

 

「弱者の盾じゃ! 眉間を守れ!」

 

「わかってるよ・・・! く!」

 

攻撃をぎりぎりでかわし、

後ろに倒れる。

 

「・・・ま、間に・・・ロウ!?」

 

「ふぅ・・・間一髪だったな・・・。」

 

すぐさま立ち上がる。

 

「姿を現した理由は後で聞こう。今は・・・

 あっちも出てきたわ。」

 

ロウたちの前にマーヤーが現れる。

 

「・・・さっきぶりだな。」

 

「しぶとい・・・わね・・・ふふ・・・。

 何も知らずに死んだほうが幸せだって

 いうのに・・・。」

 

再び、ロウはマーヤーと対峙した。

 

「・・・ん?」

 

「・・・見つけたぞ、マーヤー・デーヴィー。」

 

「もう、終わりにしましょう。デーヴィーさん。

 こんな戦い、無意味です・・・! 始祖十家と

 センパイが戦うなんて・・・! そんなこと、

 あっちゃいけないんだ!」

 

マーヤーの周りをつかさ、真理佳、

チトセ、梓が囲む。

 

「・・・いいでしょう・・・そこまで彼が

 大事なら・・・私を殺して、止めてみなさい・・・!」

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