グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第22話 天文部からの誘い

さらに翌日

 

「・・・。」

 

「・・・・。」

 

購買に向かおうとしたロウだったが

昨日の生徒によって、道を

塞がれ、通れない状況だった。

 

「さあ、購買に行きたいんだったら

 ツクを倒していくことね!」

 

「いやどうやってだよ。」

 

まさにそうだと言えるツッコミだ。

 

「・・・ったく、で、なにやるんだ?」

 

「ふふん、よくぞ聞いてくれたわ!

 ・・・これよ!」

 

カバンから何かを取り出す。

 

「・・・将棋か?」

 

「そうよ! エレンに鍛えられた

 腕を見せてあげるわ!」

 

思い切り自分の得意な奴

持ってきやがったな・・・。

 

「そこの空き教室に来なさい!」

 

そう言って教室の扉を

開ける。

 

「その前に1ついいか?」

 

「なによ。」

 

「ルール見ながらやっていい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パチ・・・パチ・・・

 

2人の駒を動かす

音だけ聞こえる。

 

「ほら、次はあんたの番よ。」

 

「ええと・・・。」

 

デバイスでルールを確認しながら

盤面を確認する。

 

銀はこう動けるから・・・。

 

「よっと。」

 

パチ

 

「ううん・・・。」

 

(ふん、このくらい想定内よ。)

 

「・・・。」

 

パチ

 

なるほど・・・

えっと、これがこうだから・・・

・・・あ。

 

「王手。」

 

「・・・・・は?」

 

信じられない様子で

盤面を見る。

確かにロウの飛車が相手の

王将を追い詰めていた。

 

「え・・・あ・・・・。」

 

「さあて、どうするー?」

 

舌で出し、ペロリとなめる。

 

「ま・・・参りました・・・・。」

 

屈辱的な表情をしながら

頭を下げた。

 

「残念だったなぁ。」

 

にやりとした表情を浮かべる。

 

「ま、まさか、最初から

 これを狙ってたの・・・?」

 

「ああ。」

 

「くぅぅぅ・・・! つ、次こそは

 絶対勝ってみせるわ! 覚えておきなさーい!」

 

そう言って

乱暴にドアを開け、出て行った。

 

「よし、飯食いに行くか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後

 

「止まれ、我が魔力で生み出された

 猛き風の槍で貫かれたくなければな。」

 

「なんだそりゃ。」

 

廊下を歩いていると

眼帯をした生徒に止められる。

 

「くっくっく・・・貴様が噂の転校生か?

 常人の風聞は信ずるに値せぬと思っていたが

 見直さなければならんかもしれん。」

 

・・・要するに百聞は一見に如かず

ってことか?

 

「心配するな、こちらに敵対の意思はない。」

 

「心配はしてないけどな。」

 

「我が真名はミナ・フランシス・シルヴィアンド・

 ウィンドスピア!」

 

全然聞いてねえな・・・。

 

「風を誘う魔法の使徒。世界の真の理を

 伝えるものだ。我の同士を見せてやる。

 ついてこい。」

 

ついてこいと言うが

服の袖を無理やり引っ張る。

 

まあいっか。とりあえず行ってやるか。

 

 

 

<ロウ、ミナ、移動中>

 

 

 

「ここが我々の集う天文部だ。」

 

「部活かよ。」

 

ドアを開け、部室の中に入る。

 

「さて、いくつか聞きたいことがある。」

 

椅子に腰かける。

 

「なんだ?」

 

疾風(かぜ)の囁きに偽りを以て答えるならば

 魂は弾け、跡形もなく失せるであろう。」

 

さっきから何言ってるんだ・・・?

 

「さて、貴様の正体はなんだ?

 学生が仮初の姿であることはわかっている。」

 

「は?」

 

「政府から逃れるためか? あるいは、

 組織との対決のためか!?」

 

「・・・。」

 

・・・そうか、これがいわゆる

中二病か。

 

「もはや孤軍でいる必要はない。

 わが王国に招待してやろうではないか。」

 

「王国?」

 

1枚の紙を取り出す。

 

「天文部だ、仮入部届がある。」

 

ようは仮入部でも

いいから入ってくれってわけか。

 

「まあ、考えるだけは

 しておく。」

 

「そうかそうか・・・・

 よっしゃー!」

 

「・・・・。」

 

「! こほん、強大な魔力は

 時として暴走する。賢明な判断だ。

 貴様を仲間として迎えること、

 楽しみに待っちぇ・・・。」

 

「ん?」

 

もしかしていま・・・。

 

「ま、待っている!!」

 

噛んだのが恥ずかしいのか

少し顔を赤くする。

 

「噛んだか?」

 

「か、噛んでない! ミナは

 噛んでないぞ!」

 

「噛んだろ。」

 

「ええーい! 早く帰れ!!

 ばーか!」

 

「なんじゃ、ミナ。

 騒がしいぞ。」

 

部員と思われる生徒が

2人ほど入ってくる。

 

「あっ! 恋!」

 

「おお、お客さんか。」

 

部屋を見て、ロウを確認する。

 

「相田ロウだ。」

 

「南条恋じゃ。よろしく。」

 

2人は握手を交わす。

 

「んで、話は終わったろ。

 えと・・・なんちゃかスピア。」

 

「ほとんど略すな!」

 

「ひぃ~! なんだかわからないですけど

 ごめんなさい~!!」

 

ミナが少し怒ったところで

2人の間で土下座を始める。

 

「え、いや・・・。」

 

なんで急に土下座・・・。

 

「こりゃ、心、よさんか。」

 

「・・・大丈夫なのか?」

 

「ああ、彼女は双美心。

 すぐに土下座する癖があってな・・・。」

 

どんな癖だよ。

 

「にしても、お前は随分と

 落ち着いてるな。」

 

「ん?」

 

一瞬、部屋の2人を

ちらっと見る。

 

「・・・ああ、なんとなく察した。」

 

「要領がよくて助かるわ。」

 

「さて、んじゃあ今日は帰る。」

 

サングラスをくいっと上げる。

ロウはこのとき、ふと思った。

 

ほんと、人間っていろいろいるな・・・。

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