グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
<ロウ、月詠、移動中>
「よし、追い込めたな。」
2人は作戦通り、魔物を行き止まりに
追い込んでいた。
「当然よ!
「一つ言っておくが、
たまたま一緒だったんだろ。」
「つ、ツクだって考えてたんだから!
それより・・・。」
「魔物だろ? わかってる。『ROOM』!」
青色のサークルを張る。
「はぁ!」
扇から風邪の魔法を放つ。
「『タクト』!」
魔物がかわそうとした方向の
地面を隆起させる。
「これで・・・!」
月詠の攻撃が通り、魔物は
うめき声をあげ、霧散した。
「終わりだな。」
「討伐終っ了! どんなもんよ! これぞ
ツクの実力だわ!」
「またずいぶんでかい声だな。」
「なによ。もう魔物は倒したから大きな
声出してもいいでしょ?」
「ああ、もう魔物の反応はない。」
デバイスで確認する。
「さ、早く帰って報告しちゃいましょ。
この結果を見たら、エレンもメアリーも
ツクの力に恐れをなすはずよ。」
月詠の気分はどんどん上がっていく。
「そして精鋭部隊の軍師はツク! ゆくゆくは
学園の軍師がツク! 卒業したら、国軍の
軍師がツク! 今日はその第一歩なの!」
「ほぼ人の作戦でよくそこまで調子に
乗れるもんだ。」
月詠の様子を見てあきれる。
「いいじゃない。後で祝勝会やるわよ!
アンタとツクで!」
「えぇ・・・?」
若干、嫌そうな顔をする。
「今日は予定ないんでしょ? ないでしょ?」
「ないけどな・・・。」
「ならいいじゃない。報告終わったら街に
行くわよ! いいわね!」
「はぁ・・・はいはい。わかったわかった。」
随分浮かれてるな・・・・。
「よし、それじゃ・・・あ・・・。」
「?」
「えっと・・・お、お疲れ・・・・。」
「どうした、急に。」
「い、一応よ! 一応!」
そう言うと、走り去っていった。
「なんだあいつ・・・。」
<ロウ、報告中>
学園
校門前
「あ、やっと来た。」
「やっと来た、じゃねえよ。俺に
丸々報告押し付けやがって。」
いらついた表情で月詠と合流する。
「ツクは精鋭部隊に報告があるの。」
「ああ、そうか。んで? 何か言われたか?」
「ロウに作戦組まれてるようじゃ、軍師としては
まだまだだって・・・。」
「そりゃそうだろ。」
軽くあくびをする。
「・・・まぁ、いいわ。これが偉大なる軍師
ツクの第一歩には違いないもの。今日は
パーッとお祝いするわよ。パーッとね。」
「そうなるか。んで、どこ行くんだ?」
「駅の近くにおいしいスイーツカフェが
あるの。そこに行って・・・チョコレート
ケーキ食べよっと!」
「スイーツカフェねぇ・・・。」
<ロウ、月詠、移動中>
カフェ
「あーん、おいしー!」
月詠は取ってきたケーキを嬉しそうに
ほおばる。
「クエストのあとの甘いものはさいっこーね!
もう一つ頼んじゃおうかなー・・・」
取りに行こうとした月詠は
立ち止まり、ロウの皿を見る。
「どうした。取ってくるんじゃないのか?」
「アンタ、食べてないじゃない。もしかして
甘いもの、嫌いだった?」
「いいや。好きでも嫌いでもない。ただ、
ゆっくり食ってるだけだ。コーヒーを
楽しみながらな。」
そう言って、コーヒーのコップを
持ち上げる。
「ゆっくり食べるなんて余裕ぶっちゃって。
これじゃツクががっついてるみたい
じゃないの。もう。」
皿をテーブルに置き、座る。
「? 取りに行かないのか?」
「なんか恥ずかしいから、アンタが
食べ終わるの待ってるから。」
「別に行ってもいいぞ。」
「ツクがいやなのよ。いい? 待ってるからね!
「・・・・・。」
月詠をじっと見た後、ロウは
ゆっくりとコーヒーをすする。
「・・・だから、早く食べなさいっての!」
「いや、言い方にカチンときたから
徹底的に遅く食ってやる。」
「なんなのよ、その新手の嫌がらせは!」
こうして、2人はケーキを(ロウは主に
コーヒーを)、楽しんだ。
街中
「ふー、お腹いっぱい・・・夜ご飯は
抜かなきゃ・・・。」
「結局、かなり食ってたな・・・。」
「アンタも結構食べるじゃない。ま、
そんな筋肉ついてたら当然か。」
ロウの体や腕を見る。
「ホンット、うらやましいわ。ツクだって
このくらいガッシリしてたら・・・」
自分の腕を触る。
「・・・・もうちょっと体力ついてるはずなのに。」
「うらやましいか。」
「・・・・はっ! べ、別にアンタがうらやましい
って言ったわけじゃないのよ!あくまで
一般的な男子並みの筋力が欲しいって意味だからね!
第一!」
ロウをビシッと指さす。
「アンタってその、いろいろあったせいで、
魔力量やらなんやらが全然参考にならないのよ。
だから今のツクの発言と、アンタは全然関係
ないからね!」
「はいはい。」
軽い返事をする。
「ならよし。ったく・・・。」
「だが、筋力つけたいなら、飯から少し
変えてみるのもいいぞ。肉や魚とかな。」
「・・・肉と魚? 確かにタンパク質は多い
だろうけど・・・ま、まぁ、食事の傾向を
変えるってのは、悪くないわね。」
「そういうことだ。甘いものだけってのじゃ
筋力つくなんて夢のまた夢だな。」
「甘いもの好きなのに・・・あーもう・・・
話さなきゃよかった! ・・・・!」
月詠はあるものを見つける。
「こうなったら、今から行くわよ!」
「? どこにだ。」
「あそこのステーキ屋に・・・」
「今食ったら余計意味がねえ。行くぞ。」
「あ、ちょっと話して! アンタが
言ったんじゃないー!」
ロウは月詠を引きずって学園に戻った。
そのころ
学園
噴水前
「はぁ・・・この前は大変でしたね。」
「ロウさんが狙われたときのことですか?」
葵、ソフィア、香ノ葉がいた。
「ワタシもへるぷに行くことができず、
もやもやしっぱなしでした。」
「あの後、お父様からいろいろと聞かれて
しまいました。なぜデーヴィー様がロウさんを
狙ったのか、など。」
困った顔を見せる。
「私も存じ上げなかったので説明できず、
お父様も混乱していましたね。」
「まぁ・・・今もよくわからんままやけどね。
生徒会と風紀委員は知ってそうやけど。」
「IMFで捜査しているとのことですから、
いずれわかると思いますが。ほかの始祖十家の
方々もロウさんに、危害を加えるつもりはないと
そう言っていたようです。」
「それ、どこまで信じられるんやろ。」
ピピピピピ!
「ん・・・葵ちゃん、デバイス鳴っとるで。」
「ありがとうございます。あら・・・
じいやからだわ。」
電話に出る。
「もしもし笹川。なにか用事ですか。・・・・・
え? そ、それはどういう・・・・」