グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第225話 裏の心

「あ、あかん!」

 

叫んだ香ノ葉は急いで

正宗を戻す。

 

「あ、あぶな・・・くはないけど・・・

 正宗が攻撃されるところやった・・・。」

 

「な、何かあったんですか?」

 

「だ、誰やっけ。何かで見たことある人

 やった・・・魔法使いで・・・。」

 

遭遇した男を思い出そうとする。

 

「! テロリストの中に魔法使いがいるのか?」

 

「多分、魔法使いなんよ・・・・あ! ライ!

 ライのリーダー!」

 

「ライ・・・ライ魔法師団の、リーダーですか?」

 

「でもでも、ライ魔法師団の人はほとんど

 逮捕されたって・・・。」

 

「いや、リーダーはうまく逃げていたはずだ。」

 

「・・・おい。」

 

焔が声をかける。

 

「水無月が来た。そっちも安全確認できただろ?」

 

「ああ。」

 

「そろそろ始めるぞ。」

 

 

 

<ロウたち、移動中>

 

 

 

 

議員会館

 

「はぁ・・・はぁ・・・み、見られて

 なかったですよね?」

 

葵は周りを何度も見る。

 

「見つかっていれば、とっくのとうに

 襲われてるはずだ。」

 

「だいじょーぶでしょ。それより、えー・・・

 今回はロウさん禁止です。」

 

風子はロウを見て言う。

 

「ほわっと? どういうことでしょうか。」

 

「正確には、戦闘中の魔力補充を禁止します。

 一般人を制圧するのに、全力を出しては

 いけません。けがをさせますから。」

 

「そ、そんなんウチらが危ないやん!」

 

「そういう戦いだってことだ。そうだろ?」

 

「そーです。今回は、それは厳守です。」

 

険しい顔で忠告する。

 

「だから警察の方々も一緒に突入してもらったん

 ですよ。どーしても魔法が必要な場合というのを

 しっかり見極めてくだせー。」

 

「わかった。・・・・・・!」

 

ロウは誰かの気配に気づく。

 

「! 静かに。物陰に隠れてくだせー。」

 

風子の指示通り、ロウたちは

隠れる。

 

「・・・ちょーどいーです。一発、お手本を

 見せましょ。魔法を使うからには徹底的に

 傷をつけないようにする姿勢が大事です。

 こーやって・・・」

 

「させるか!」

 

狙おうとした男が魔法によって

攻撃を仕掛けた。

 

「!? ま、魔法ですか!?」

 

まさかの事態に風子は困惑する。

 

「・・・貴様らが私立グリモワール魔法

 学園だな・・・。同胞の敵を取らせてもらおう。」

 

「・・・ど、同胞?」

 

「魔法使い・・・ま、まさかしそ・・・わっぷ!」

 

ソフィアの口をロウが押さえる。

 

「ロウさん、ナイスです。その話題はNGですよ。

 越水ソフィア。この前の事件とは関係ありません。」

 

「ああ、そうだ。あの男はデレック・メイスフィールド。

 元ライ魔法師団のリーダーだ。」

 

「・・・相手はウチがしましょ。警察の方々と

 一緒に、議員の救出を急いでくだせー。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園

 

報道部部室

 

「・・・やっぱり来たか。」

 

パソコンに声明が表示される。

 

「裏世界のことは書かれていたか?」

 

「ああ。ゲートのことも、それにかかわる

 作戦も、裏世界のこともばっちりだ。これは

 問題だね。キネティッカの言説なんて誰も

 信じやしないけど・・・全部真実なのが

 厄介さ。」

 

深くため息をつく。

 

「キネティッカは陰謀を暴露したことになる。

 今後、時間をかけて発表していくはずの情報が

 一気に明らかにされた。認めても認めなくても

 公的機関へのバッシングと混乱が起きるぞ。」

 

「グリモアは巻き込まれそうか?」

 

「巻き込まれるなんて表現は正しくない。

 言葉は正確に使うべきだ。グリモアは

 ()()()だよ?」

 

「・・・・・・。」

 

虎千代は唇をかみしめる。

 

「そうだったな。すまない。」

 

「互いの認識がはっきりしたところで、1つ

 問題を片付けよう。今回、警察の初動が

 遅れたのは通信関係の妨害が入ったからだと

 わかった。だけどね、警視庁と国会の連絡網を

 断ち切るなんて、普通はできないんだよ。」

 

「・・・・まさか・・・・。」

 

()()()()()()人材が関わってるとは

 思わないかい?」

 

 

 

 

 

宍戸結希の研究室

 

「もしもし・・・連絡を取って、大丈夫なの?」

 

『ええ、大丈夫・・・とりあえず、今はね。』

 

裏の結希から電話がかかる。

 

「・・・どういうこと? この通話も、

 双美心に妨害されているのではないの?」

 

『パルチザンのメンバーから報告が来た。今、

 こちらに双美心はいない。数週間前から

 まったく姿を見かけないそうよ。』

 

「・・・いない? こちら? ・・・・・・。」

 

結希はしばらく考える。

 

「・・・!! 切るわ!」

 

『気をつけて。』

 

急いで通話を切った。

 

「天! 天!」

 

「聞こえてたわよ。ったく・・・今、学園と

 外部のネットワークを切り離したわ。ただ

 いろんな活動に支障が出るから、これから

 ずっとは難しいわね。」

 

天は顔を強張らせる。

 

「・・・こっちのネット網は向こうの比じゃないのよ・・・!」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・そろそろだと考えるね。私は。そろそろ

 私たちがかかわっていると気づく。」

 

議員会館にいる間ヶ岾は

誰かに話しかけるように話す。

 

「あの連中は一筋縄ではいかん。パルチザンとは

 わけが違うぞ。双美君。君ならやれるかね。」

 

「始祖十家を退けたんでしょう? 油断して

 いい相手じゃないわ。」

 

奥から裏世界の双美心が出てくる。

 

「まぁ・・・この前は挨拶みたいなもの

 だったけど。ねぇ、この世界って、どこまで

 やっちゃっていいの?」

 

「あちらのように徹底的につぶす必要はない。

 戦略が違う。まずは殲滅派の陰謀を暴いて

 しまうことだよ。」

 

「・・・そんなことのために、私を呼んだの?」

 

双美は不満そうな顔をする。

 

「馬鹿を言うな。それが難しい段階にまで

 私たちは追い詰められている。」

 

「あら・・・あの眼鏡のお坊ちゃんの前とは、

 ずいぶん態度が違うじゃない。」

 

「君を前んい取り繕っても仕方がなかろう。

 これからはなりふり構わん。せいぜい

 デレックとキネティッカには混乱を起こしてもらうさ。」

 

にやりと笑みを浮かべた。

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