グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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お久しぶりです。

就活が一段落してきたので、
投稿を再開します。

ペースは遅いかと思いますが、
宜しくお願いします!


第228話 覚悟

その頃

 

ロウたちは議員たちの救出を終えていた。

 

「ソフィアちゃん、気ぃ付けてや。どこかに

 まだテロリストがおるかもしれんし。」

 

香ノ葉は心配そうな顔で

周りを警戒する。

 

「のーぷろです! ちゃんと警察の人と一緒に

 見てますから! でも・・・」

 

建物の壁やら窓は見事なまでに

破壊されていた。

 

「これ、明日からは仕事できないですよねぇ?」

 

「違うところで作業するんやろか・・・。

 国会って簡単に休んだりできんよね?」

 

「お待たせしました。」

 

葵が駆け寄ってくる。

 

「あっ、葵ちゃん? お父さんについといて

 あげんと・・・」

 

「いえ、私のクエストはまだ終わってませんから。

 ロウさんがついてくれると言ってくださったので・・・。」

 

「だ、ダーリンが?」

 

 

 

 

 

 

 

「お久しぶりです。冷泉幸四郎さん。」

 

「・・・まさか、君に助けられるとは・・・。」

 

ロウを鋭い目でにらむ。

 

「まあ、そんな目をしないで。それより・・・

 あなたに聞きたいことがある。」

 

「・・・・なんだね?」

 

軽くため息をつく。

 

「あなた、天羽の正体を知っていたのですか?」

 

「いいや。そもそも、そのお方の話は

 タブーとされていたからな。」

 

「・・・なら、奴に息子がいたことも?」

 

「・・・!?」

 

目を大きく開く。

 

「息子・・・だと・・・!?」

 

「・・・やはり何も知らないか・・・。」

 

ピピピ!

 

「・・・ん?」

 

ロウのデバイスが鳴り、画面を見る。

鳴子からの電話だった。

 

「・・・なんだ?」

 

『さっき入ったニュースで、君に教えたい

 ことがあってね。』

 

「ニュース?」

 

『実は・・・』

 

「・・・・・・!!」

 

鳴子の言葉を聞き、ロウは驚いた。

 

「・・・俊が・・・脱獄だと・・・!?」

 

 

 

 

 

 

???

 

「はぁ・・・はぁ・・・。」

 

息を切らしながら、俊は暗い

通路を進んでいた。

 

「・・・ここか・・・。」

 

ゆっくりと鉄のドアを開ける。

 

「・・・誰だ?」

 

機械音交じりの男の声が部屋に響く。

 

「先生・・・私です。俊です。」

 

「・・・むざむざと捕まったお前が

 一体、何の用だ?」

 

背を向けたまま話す。

 

「確かに・・・確かにそうです。ですが

 先生の目的成就のため、私は・・・。」

 

「・・・・そうか。」

 

大地はニヤリと笑う。

 

「そこまで言うのなら、1つ頼まれて

 もらうぞ。」

 

「! は、はい! なんなりと!」

 

跪いて、頭を下げる。

 

「霧の護り手に合流しろ。」

 

「霧の護り手・・・ですか?」

 

「奴らの・・・いや、間ヶ岾の指示には

 従っておけ。」

 

「・・・はっ!」

 

俊は部屋を出て行った。

 

「・・・さぁて・・・」

 

ゆっくりと、椅子に腰かける。

 

「ロウ・・・お前はどう出る・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

学園

 

報道部部室

 

「それで、俊が脱獄したって

 どういうことだ。」

 

「どうもこうも、さっき電話で話した

 通りだよ。彼は、警備の一瞬の隙をついて、

 脱獄を行った。」

 

パソコンにその脱獄の記事を見せる。

 

「まさか、天羽大地が手引きしたのか?」

 

「さあ、そこまでは僕は知りえないよ。」

 

「・・・くそ。」

 

ドンと壁を強くたたく。

 

「てことは、いずれまたあいつが

 来ないとも限らないってことか。」

 

「そうなるよ。いつなのかはわからないけどね。」

 

不敵に笑う。

 

「・・・いや・・・」

 

「?」

 

「1つ伝手がある。そこからしばらく奴の

 情報を得る。」

 

「伝手?」

 

「ああ。唯一残ってる、とっておきがな。」

 

そう言って、部室を出ようとする。

 

「まあ、もし奴がここを狙おうとするなら、

 奴の相手は・・・・俺がする。」

 

ドアを開け、部室を出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

廊下

 

「・・・・さて・・・」

 

「おや、ロウさんじゃねーですか。」

 

にやりとした顔で風子がロウの

もとに来る。

 

「風子か・・・。何か用か?」

 

「いえいえ、報道部から出てきたので、

 何かあったのか、と。」

 

「生憎だが、大した話はしてねえよ。

 もういいか? 俺は寮に戻る。」

 

「あっと、帰る前に・・・少し

 付き合ってもらえません?」

 

「・・・・?」

 

 

 

 

<ロウ、風子、移動中>

 

 

 

 

風紀委員室

 

「何かと思えば・・・」

 

2人は対面に座り、机の上には

チェス盤が置かれていた。

 

「チェスのためにわざわざ呼び止めたのかよ。」

 

「でも、嫌いではないでしょう? よく

 守谷とは将棋を指してるそうじゃねーですか。

 こういったゲーム、お得意かと。」

 

「否定はしねぇけどな。んじゃあ、

 とっとと始めるぞ。」

 

「ええ。」

 

2人はチェス盤の上に駒を

並べ始める。

 

「あ、そーです。」

 

「ん?」

 

「ただやるっていうのもつまらねーですし、

 何か賭けません?」

 

にやりと笑う。

 

「風紀委員が賭けか。紗妃あたりが

 聞いたらいろいろとうるさそうだな。

 で、何を賭けようってんだ?」

 

「そーですねぇ・・・・・・あの時の言葉の

 真意、ですかね・・・。」

 

「・・・あの時? 何の話だ?」

 

「あんたさんが一時、行方をくらましたあと、

 ウチらを集めた、あの時ですよ。あの時の

 あの言葉・・・」

 

『今のやるべきこととしては、ここに

 いること・・・だな。』

 

「あの時・・・アンタさん、はぐらかしましたよね?」

 

ロウの目をじっと見る。

 

「・・・何のことだ?」

 

「とぼけても無駄ですよ。ウチはよーく

 わかるんで。」

 

「・・・・・ったく・・・仕方ねぇな・・・。

 ただし、俺に勝てたらな。」

 

 

 

 

<チェス対戦中>

 

 

 

 

「・・・ちっ。」

 

軽く舌打ちをする。

 

「これでチェックメイト。ウチの

 勝ちですね?」

 

勝ち誇った笑みを浮かべる。

 

「ああ、そうだな。」

 

「それでは、教えてもらいましょーか。

 アンタさんのやるべきことを。」

 

 

 

 

 

 

 

廊下

 

「ふんふふ~ん・・・。」

 

智花は鼻歌を歌いながら

歩いていた、その時だった。

 

バンッ!!

 

「!?」

 

通り過ぎようとした部屋から

大きな音が聞こえた。その部屋は

風紀委員室だった。

 

「な、なんだろう・・・。」

 

少しドアを開け、中の様子をうかがう。

 

「アンタさん・・・本気でそんなこと・・・!!」

 

見ると、風子がロウにつかみかかっていた。

 

「ああ、それが俺の本当にやるべきこと

 だからな。」

 

「だとしても・・・・!」

 

「てか、そろそろ離してくれるか?

 帰りたいんだよ。」

 

「・・・・・。」

 

ゆっくりと、風子は自分の

手を離す。

 

「んじゃあな。」

 

「!」

 

ロウが出ようとしていたので、

智花は慌ててドアから離れる。

 

「・・・・・。」

 

智花に気づかず、ロウは

そのまま帰っていく。

 

「・・・ロウ、さん・・・?」

 

呼びかけたが、ロウはそれに

答えず、階段を下りていく。

 

見せていた背中は大きな覚悟を

背負ったように見えた。

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