グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第11章 一網打尽
第229話 コントロール


数日後

 

今日もクエストが入り、

ロウは校門前に向かっていた。

 

「おはよう、ロウ君。」

 

今回組むのは、みちるだが

その本人は不安そうな顔を浮かべていた。

 

「どうした、その顔。」

 

「あ、いや・・・これ、結構前にお願い

 してたクエストなんだけど・・・。いろいろ

 状況が変わっちゃって、気が引けちゃって・・・。」

 

「そう言うな。それにもう発令されてるしな。

 早く支度しろ。」

 

「う、うん・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

「お待たせー!」

 

準備を終えたみちるが

駆け寄ってくる。

 

「よーし、サクッと行っちゃお!」

 

そう言いながら、グイッと伸びをする。

 

「すぐにやる気だしたな。」

 

「う、うん。ホントはテストだったから・・・

 魔法の威力を調整するためのね。」

 

「そうだったか。確かに俺の記憶じゃあ

 一発撃って終わりだったからな。」

 

すぐに力尽きたみちるの

姿を思い浮かべる。

 

「でも、今度は違うよ! 行くとなったら

 本気だからね! よろしくお願いします! ロウ君!」

 

 

 

 

<ロウ、みちる、移動中>

 

 

 

 

 

碧万千洞

 

「ええい!」

 

みちるの放った炎によって、

魔物はうめき声をあげながら霧散する。

 

「確かに、だいぶ調整できるように

 なっているな。」

 

「もっちろん!」

 

元気よく親指を立てる。

 

「威力だけなら、会長に匹敵するかもって

 言われたときはね・・・調子に乗ったんだよねー。

 一発だけど、会長に迫る! どうだ! みたいな。」

 

照れくさそうに頭を掻く。

 

「でも結局、互角ってほどじゃないし、

 普通のクエストでは役に立てないし・・・。」

 

「・・・・。」

 

「ハワイの時に思い知ったんだよね。魔物を

 一撃で全滅させられないと・・・全然、

 意味ないって。」

 

「そうか・・・。・・・!」

 

話している最中に向かってきていた

魔物を倒す。

 

「だから、師匠に弟子入りして、鍛えて

 もらおうって考えたわけ。」

 

「アイラが師匠か・・・まあ、奴なら

 問題なかっただろ?」

 

「うん。でも、大変だったよー。威力の

 コントロールをやってたんだけど、

 弱すぎて使い物にならなかったり・・・。」

 

小さくため息をつく。

 

「それでも・・・」

 

強く拳を握りしめる。

 

「やっとここまで来れたんだもん。ロウ君に

 じっくりと、私の実力、見てもらわないと。」

 

「それは頼もしいな。んじゃあ、さっそく

 見せてもらうとするか。」

 

「!」

 

2人の周りに魔物が現れる。

 

「『ROOM』!」

 

青色のサークルが張られる。

 

「魔法撃つ準備しとけ。」

 

「う、うん!」

 

「『シャンブルズ』!」

 

魔物とみちるの位置が入れ替わる。

 

「ええい!」

 

みちるの炎が魔物に当たる。

そして

 

「『ラジオナイフ』!」

 

入れ替わった魔物を切り裂き、

霧散させる。

 

しかし、残りの何体かは

奥に行ってしまう。

 

 

 

<ロウ、みちる、移動中>

 

 

 

「うぅ・・・思ったより強かったなぁ・・・。」

 

そういいながら、腕をこする。

 

「? どういうことだ?」

 

「あ、今回の私の課題だよ。魔物の強さを

 見極めて、それに適した威力の魔法で

 攻撃すること。あと、外見からじゃ細かい事は

 わからないけど、攻撃の威力とか、魔法を当てた時の

 挙動とかでね。」

 

「なるほど。まあ、確かにそうすれば魔力の

 消費を抑えられる。」

 

「うん。一応、強さごとにどんな感じかってのは

 簡単に教えてもらってるんだ。だけど、それも

 絶対じゃないから、最終的にはカンなんだって。」

 

相変わらず、いい加減な奴だな・・・。

 

「カンって自信ないんだよねぇ・・・やるしか

 ないけど。・・・・。」

 

みちるはロウをじっと見る。

 

「? どうした?」

 

「・・・ロウ君ってさ、もうベテランじゃん?

 わかったりしない?」

 

「生憎だが、俺も同じようなことしか

 アドバイスされてないぞ。」

 

少しため息をつく。

 

「うーん・・・ロウ君でも難しいんだ・・・。

 ・・・あっ!」

 

みちるが大きな声をあげ、

指さした先には数体の魔物がいた。

 

「ようやくいたか・・・。『ROOM』!」

 

再び、青色のサークルを張る。

その時、魔物がロウのもとに向かってくる。

 

「・・・!」

 

魔物の上に移動する。

 

「『カウンターショック』!」

 

親指を魔物に当て、電撃を浴びせる。

電撃を浴びた魔物はうめき声をあげながら

倒れ、霧散していった。

 

「やぁ!」

 

みちるも攻撃しようとするが・・・

 

「・・・あ!?」

 

本人も驚くほど、あまり炎が

出ず、魔物はくらってもピンピンしている。

 

そのまま魔物はさらに奥へ逃げていく。

 

「あぁ~・・・弱すぎたぁ~・・・!

 けど、油断するとタガが外れちゃうしな・・・。」

 

大きくため息をつく。

 

「だが、かなりコントロールできてるぞ。」

 

「うん。でも、みんなはもっとうまいよ。

 すっごい簡単そうにコントロールしてるしさ。」

 

手を何度も閉じたり、開いたりする。

 

「あ、それで、魔物の強さなんだけど・・・」

 

「さっきの続きか。」

 

「うん。さすがにタイコンデロガはわかるじゃん?

 大きいし、とにかくレベルが違うよね。でも、

 タイコンデロガになる前の大きさだったり、

 ぎりぎりそうじゃない強さを見極めろって

 言われてもね~・・・あ!」

 

何かを思いついたみちるは

デバイスを取り出す。

 

「? 電話でもするのか?」

 

「ううん。アイラ師匠ならできるかなぁって

 思って、もあっとで聞いてるの。」

 

そう言って、もあっとでメッセージを

送信した。

 

多分、無理だとでも言うんだろうな・・・。

 

 

 

<ロウ、みちる、移動中>

 

 

 

「よし・・・見つけたぞ。」

 

奥へと進んだ2人はようやく

逃げた魔物と出くわす。

 

「『ROOM』!」

 

サークルが張られると、魔物は

また逃げようとする。

 

「みちる、俺に向けて攻撃しろ。」

 

「えぇ!?」

 

「いいから、はやく。」

 

「・・・う、うん! いくよ!」

 

ロウはみちると向き合う。

そして、みちるはロウに向かって

炎を放つ。

 

「『シャンブルズ』!」

 

ロウと魔物の位置が入れ替わる。

 

魔物は抵抗できず、炎を浴び、霧散する。

 

「ふぅ・・・これで終わりだな。」

 

デバイスを見て、魔物がいないことを

確認する。

 

ピピピ!

 

「ん?」

 

みちるのデバイスが鳴る。

 

「・・・えぇ!?」

 

「どうした?」

 

「師匠からのもあっと! そんなん

 無理じゃって書いてる!」

 

やっぱりか・・・。

 

心の中であきれる。

 

「じゃあ、なんでやれって言ったのよ・・・

 ・・・ん? 続きが来た・・・。」

 

「続き?」

 

「えっと、どんなに強くても正確には

 わからないけど・・・大まかに予測をつける

 だけでも戦い方は変わる。精進せい・・・だって。」

 

「ま、とにかく、経験つければどうにか

 なるだろ。」

 

「そうだね。こうやって経験を積んで、ちゃんと

 戦えるようになれば・・・みんなから頼られる

 ようになったりするのかなぁ・・・えへへ・・・。」

 

その姿を想像し、みちるは少しにやける。

 

「何にやにやしてる。とっとと戻るぞ。」

 

「・・・はっ! そ、そうだね!

 忘れないうちに、復習しとかなきゃ!」

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