グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第232話 魔物の動き

国際通り

 

「・・・なあ・・・アタシの見方が

 あっているかはわからないが・・・。」

 

画面を見て、虎千代は

顔をしかめる。

 

「百名ビーチに、魔物が集まりすぎて

 ないか?」

 

「そんな感じだ。確かあそこは図書委員と

 野薔薇・・・それに歓談部か。だけど

 いつものパーティじゃなくて、混成で

 戦ってる。」

 

「そこまでわかるのか?」

 

「あらかじめ生徒にマーキングしてるからな・・・。

 先導してるのはロウと与那嶺か・・・・・・。」

 

望は画面を見て、じっと考える。

 

「・・・・海竜? いや、魔物が流されたり

 なんかするかな。あとは・・・・・・・

 ・・・ロウ!?」

 

画面のロウの位置を確認する。

 

「まさかアイツが狙われたりしてないよな?」

 

 

 

 

 

 

「・・・なんだか、魔物が集まってきてない?」

 

戦っていた萌木は魔物の異変に気づく。

 

「はいぃ・・・わたしにもそう見えますぅ・・・。」

 

「ちょっと私、気になることがあるから、

 ここ任せていいかな?」

 

「え・・・わ、わたしだけですかぁ・・・?」

 

ちひろが不安な顔を見せる。

 

「野薔薇さんたちもいるし、すぐに

 戻ってくるから。」

 

「うぅ・・・えっとぉ・・・。」

 

「ごめんね、本当にすぐ、戻ってくるから!」

 

そう言って、萌木は駆け出していく。

 

「急がなきゃ・・・でも、ちひろちゃんを

 あのままにしておくわけには・・・ !」

 

ある人物の姿を見つける。

 

「の、野薔薇さん!」

 

「おや、霧塚さん・・・。」

 

「すみません。少しだけちひろちゃんの

 こと、お願いしていいですか? ちひろちゃん、

 まだ覚醒前に汐ファンで襲われたことが

 トラウマになってて・・・。」

 

「霧塚さんはどちらに? ビーチですか?」

 

「いえ、ちょっと確かめたいことがあって、

 山に。す、すぐに戻ってきます!」

 

「あ、霧塚さん、1人では・・・。」

 

萌木は再び、ちひろのもとに行く。

 

「ちひろちゃん、もし魔物が来たら、

 野薔薇さんたちと一緒に戦ってね。」

 

「・・・は、はい・・・。」

 

「大丈夫。山の上を確認したら、

 本当にすぐ戻るから。」

 

「・・・わかりました。」

 

覚悟を決めた目を見せる。

 

「わたし、ずっと怖がってちゃダメ

 ですよね。わたしのために、野薔薇先輩に

 お願いしてくれてありがとうございますぅ。

 ここでちゃんと待ってますねぇ!」

 

「・・・・・うん!」

 

萌木は急いで、山へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

百名ビーチ

 

「くそ・・・倒しても倒しても湧いて出て

 きやがって・・・!」

 

ロウは魔物を次々と

斬っていくが、それを上回る

ペースで魔物が現れる。

 

「・・・反賀を思い出す。あの時も、

 狭い場所で大量の魔物の侵攻を

 防いだものだ。」

 

「・・・もし沖縄全体がこの量の魔物に

 襲われてるなら・・・大規模侵攻に

 なっちゃうんじゃないかしら~?」

 

「ええ!?」

 

驚いた顔をあやせに向ける。

 

「もしかしたらよ? 魔物が集まってるのが

 ここだけだったら違うし~・・・。」

 

「あ! 萌木に聞こう! 萌木・・・」

 

萌木に聞こうとするが、肝心の

本人の姿が見えない。

 

「あれ!? 萌木がいないのだ!

 どこに行ったんだ!?」

 

「むぅ・・・与那嶺殿! ひとまずここは

 魔物を倒しますぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山奥

 

そのころ萌木は・・・

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

山の中を走っていた。

 

「ここら辺ならわかるかな・・・。」

 

「ぶぎゃあああああ!!」

 

「きゃあああ!!」

 

突如、変な声が聞こえ、萌木は

声の主がいると思った場所に攻撃した。

 

「けほっ・・・げほっ・・・うむ、

 とりあえず反応できておるな。」

 

出てきたのはアイラだった。

 

「え!? アイラさん? あわわ、

 どうしよう・・・思わず・・・。」

 

「よい。妾が脅かしたんじゃ。戦闘中に

 1人で山を登るなどという愚かな行為を

 戒めるためじゃったが・・・。」

 

戦闘服をパンパンとはたく。

 

「腰を抜かさず魔法で反撃したのは

 褒めてやろうぞ。ほほほ。」

 

「その、どうしてここに?」

 

「や~っと調子が戻ってきたから、

 ビーチへ応援へ行くところだったんじゃ。

 楯野から応援要請の連絡が入ってな。

 そしたらお主が1人でなんかしとった。これは

 いかんと降りてきたわけじゃ。で、何をしておる?」

 

「・・・沖から来る魔物が、百名ビーチに

 集まってるんです。もし私が考えている

 通りなら、陸からも魔物が来るんじゃないか。

 それで、高いところからなら少しは見渡せる

 かもって思って・・・・。」

 

若干息を切らせながら話す。

 

「ほうほう。それはいいところに気づいた

 もんじゃ。じゃが楯野に連絡したほうが

 よかったの。」

 

「自分の目で確認したかったっていうのは、

 傲慢でしょうか。」

 

「いいや、最近の魔物どもは不穏な

 動きをしくさる。それを実感するには又聞き

 ではなく自分で見なければの。」

 

うんうんと何度もうなづく。

 

「ちなみに妾は空を飛んできたから、

 しっかり見とるぞ。」

 

「・・・ど、どうなってますか!? もし

 ビーチに集まっているなら・・・」

 

「まあ落ち着け。先にこの場所じゃ。」

 

「・・・・・え?」

 

「1人で動くのは愚かな行為じゃと

 言ったじゃろ。お主、狙われとるぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ふぅ。そろそろ私たちも、浜での

 戦いに加わりましょうか。」

 

姫は魔物を掃討し、浜に向かおうとする。

 

「ええ? そしたら、撃ち漏らしを

 片づける役がいなくなるっすよ。」

 

「私たちが加勢すれば、撃ち漏らし自体が

 少なくなります。ここには霧塚さんや

 七喜さんもいることですし・・・・・・あら?」

 

何かに気づいたのか、周りを何度か見る。

 

「萌木氏はいませんよ。さっき山の方に

 行くって言ってたじゃないすか。」

 

「そ、そっちではありません! もっと北です!

 魔物が迫ってきてますよ!」

 

姫の言った方向から魔物が迫っていた。

 

「あああ、あのぉ~! わたし、1人では

 そのぅ、まだ戦うのが怖くてぇ・・・。」

 

「もちろん、個別に戦う理由など

 ありません。私たちで受けて立ちましょう。

 ・・・ところで、霧塚さんはどちらに?」

 

「それがぁ・・・山に登っちゃって・・・。」

 

近くにある山を指さす。

 

「・・・山に? なんで単独行動を・・・

 っと、この中だと自分が前に出なくちゃ

 いけませんね。お嬢、フォローお願いしますよ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

ピピピ!

 

「・・・・ん?」

 

ロウのデバイスが鳴り響く。

ポケットからワイヤレスイヤホンを

取り出し、耳につける。

 

「誰だ? ・・・ああ、望か。お前ら、

 ちょっと戦ってくれ。」

 

望と電話を始める。

 

「こ、この状況で電話とは・・・・。」

 

「・・・・・・・ああ、ああ、

 わかった。少し試してみる。」

 

通話を切る。

 

「お前ら、戦いながら聞け。今から

 俺とあやせはここを離れる。」

 

「な!?」

 

「な、なんでだ!? お前がいないと、

 魔力がすぐ切れちゃうのだ!」

 

「問題ねぇよ。・・・ほれ。」

 

ロウが指さした先には・・・

 

「・・・みんな、よく戦った! 

 ここからはアタシも加勢するぞ!」

 

国際通りにいた虎千代が

駆け付けた。

 

「んじゃあ、いったん頼んだ。

 行くぞ、あやせ。」

 

「はいぃ~。」

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