グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第242話 キイントタハティ

街中

 

「・・・モイッカ。」

 

ジェンニが手をかざすと

魔物が勝手に爆発した。

 

「モイッカ~。」

 

「・・・? なにあれ。なにが

 起きてるの? あの子供が近づく

 だけで、魔物がダメージを受けて

 霧散していく・・・。」

 

春乃は爆発していく魔物の様子に驚く。

 

「魔法使ってるの? 使ってないの・・・?」

 

「おいおいおい! なにやってんだ

 テメー!」

 

近くの龍季が駆け寄る。

 

「あんなガキが囲まれてんだぞ。

 助けに行けよ!」

 

「待て!」

 

「むぐ!?」

 

助けに行こうとした龍季を

腕をつかんで止める。

 

「あの子供、魔法使いよ。」

 

「はあ? あんなガキが? 見たことねえぞ。」

 

「朝比奈。しばらく秋穂のこと頼むわ。」

 

「はぁ!?」

 

「傷でもつけてみなさい。ひきちぎるからね。」

 

キッとにらむ。

 

「自分で行きゃいいじゃねーかよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれぇ・・・? お姉ちゃんたちと合流

 するはずだったのに、ここ、どこだろ・・・?」

 

浅梨は迷ってしまい、うろうろ

していた。

 

「魔物も出てきて、街が大変・・・合流する前に

 戦った方がいいのかなぁ。」

 

そんな浅梨の前に魔物が現れる。

 

「あ・・・近くに出ちゃった。1人だけど

 戦わないと・・・!」

 

「オイタ~。」

 

ふらっと現れたジェンニが

その魔物を倒した。

 

「おお~。ヤパニのおみせ、たくさん。

 かわいい・・・。」

 

沢山の店の数々に

目を輝かせる。

 

「あれ・・・ジェンニ? ジェンニー!」

 

「にゅ・・・浅梨?」

 

ジェンニは浅梨と合流する。

 

「日本にようこそ! えっと・・・ウェルカム・

 トゥ・ジャパン!」

 

「モイ。」

 

「モイ! ・・・じゃなくって、どうして

 こんなところにいるの? お姉ちゃんと

 一緒に学園に来るはずじゃなかったの?」

 

「梅、いなかった。ぼく、ひとりできた。」

 

「お姉ちゃんがいなかった? おかしいな

 ・・・羽田についたって連絡あったのに・・・。」

 

「トーキョーのエアポート、とっても

 とおい。ばく、がんばった。3じかんかかった。」

 

浅梨は梅に電話をかける。

 

「あ、もしもしお姉ちゃん? ジェンニが

 もう風飛にいるんだけど・・・・え?

 うん。わかった。」

 

電話を切る。

 

「ジェンニ、もしかして成田空港についた?」

 

「ナリタ? ううん、トーキョー。

 イスィーいってた。トーキョーの

 エアポートだって。」

 

「・・・と、とりあえず・・・会長さんに

 報告しなきゃ。」

 

「・・・始祖十家? あんた、

 始祖十家なの?」

 

春乃がジェンニに追いついた。

 

「あ、さっきのひと。モイ。ぼく、

 ジェンニ・コッコ。あなた、

 まほうつかいだったですね。」

 

「それ、魔法?」

 

「どれですか?」

 

「あんたが近づいただけで、魔物が

 爆発するの。」

 

「そうです。ぼく、まほう、じょうず

 じゃないです。だからキイントタハティ、

 でっぱなし。」

 

「キイントタハティ・・・光の魔法か

 なにかか・・・・・・理由がわかったなら、

 いいわ。あたしは秋穂のところに戻る。」

 

そう言って、浅梨を見る。

 

「あんたたち、パーティは組んでない

 みたいね。」

 

「はい。あの、よかったら私たちも

 合流していいですか?」

 

「好きにして。」

 

 

 

 

 

その頃、ロウたちは・・・

 

「今回の魔物、変ですよね?」

 

「・・・確かにな。」

 

霧散していく魔物を見る。

 

「パンプキンヘッドに、ドラキュラの

 マントまで・・・仮装用のを、魔物が

 被ってやがる。」

 

「・・・偶然なんでしょうか?」

 

「偶然だと思うけどねー。」

 

「ヤヨイ。その根拠は?」

 

「ジャック・オー・ランタンは飾りの中で

 一番多いものだし。ドラキュラのマントは

 被ってないヤツもいるからさ。」

 

ヤヨイの言う通りの魔物が現れる。

 

「鎧になるわけでもないし、狙ってやってる

 なら、怖がらせてるってことでしょ?

 知能がついてきたっていっても、

 そこまでとは考えにくいかなぁ。」

 

「うん・・・そうなんだけど・・・

 やっぱり考えすぎなのかな・・・。」

 

「で、始祖十家の情報は何か

 わかったか?」

 

「見てた人がまたいたよ。近い場所だから

 すぐ追いつけると思う。」

 

「そうか・・・んじゃあ」

 

強化魔法をかけた刀で

ロウは後ろの魔物を突き刺し、霧散させる。

 

「すぐ行くとするか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、たまたまいた真理佳もクエストに参加していた。

 

「はい。円野です。」

 

デバイスにエレンから

連絡が来た。

 

『お前が現地にいてよかった。私たちが

 向かうまでやってほしいことがある。

 始祖十家のジェンニ・コッコを保護しろ。』

 

「し、始祖十家ですか? 始祖十家が

 来てるんですか? っていうかそれなら・・・

 え? 応援じゃなくて保護・・・?」

 

『ジェンニ・コッコは今年9歳だ。

 不安がある。』

 

「9歳!? あ、コッコか・・・わかりました。

 それじゃあ・・・・・・ん?」

 

真理佳がある異変に気づく。

 

『どうした。』

 

「ちょっと待ってください。・・・これ・・・

 これって・・・! 教官! 魔物の数が

 増えています!」

 

『どの程度だ。』

 

「いえ、増えてるっていうか・・・

 一体一体が広がって・・・霧みたいに

 なって・・・融合しているような・・・。」

 

その霧は徐々に大きくなる。

 

『留意する。貴様への命令は変わらない。

 ジェンニ・コッコと接触しろ。住民の

 避難は他の学園生が行う。いいな。』

 

「・・・・はい!」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・。」

 

ジェンニは何かを探すように

きょろきょろとする。

 

「・・・どうしたの。置いていくわよ。」

 

「浅梨は?」

 

「は?」

 

ジェンニの言うように浅梨の

姿がない。

 

「浅梨、またまよった。いかなきゃ。」

 

浅梨を探しに行く。

 

「・・・ったく・・・。秋穂、ごめんね。

 もう少し待っててね。すぐ行くからね。

 朝比奈・・・秋穂を守らないと承知

 しないわよ。」

 

 

 

 

「あれ? おかしいな・・・いつの間にか

 ジェンニと瑠璃川さんが・・・。」

 

浅梨は迷ったことに今気づいた。

 

「・・・なに? 魔物が集まって・・・

 大きく・・・・」

 

 

 

 

 

「瑠璃川さんが? ・・・え? 魔物が?」

 

みちるは連絡を受けていた。

 

「あ・・・は、はい! わかりました!

 住民の避難を優先し・・・へっ!?

 わ、わかりました!」

 

「みちる、どうした。」

 

「あ、ロウ君。あの、精鋭部隊の人から

 指示がね・・・」

 

「エレンか。」

 

「う、うん。魔物の動きが変わって、

 ちょっと危なくなってきてるんだって。

 だから学園生も街の人の避難も出るんだけど・・・

 私たち、やっぱりコッコの人と合流するんだって。」

 

「結局こうなってきたか。で、

 ジェンニ・コッコは今どこだ。」

 

話しながら、魔物1体を切り裂く。

 

「今は瑠璃川さんと我妻さんが一緒に

 いて・・・それで、ロウ君とコッコさんの

 力で、一気に魔物を倒しちゃうんだって。

 じゃないと手に負えなくなっちゃうかも

 だって・・・。」

 

「俺とコッコ・・・? どういうことだ。」

 

「え? いや、詳しくは教えてくれ

 なかったんだけど! とにかく急いで

 智ちゃんたちに伝えないと・・・!」

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