グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

259 / 337
第250話 ジェンニの希望

浅梨の部屋

 

「ジェンニの入学が認められないぃ?」

 

梅で電話で怒りを見せていた。

 

「ちょっと、どういうことよ! あの子

 あんなに楽しみに・・・・・・ったく!」

 

「お姉ちゃん、どうかしたの?」

 

怒る梅に浅梨が駆け寄る。

 

「どうしたもこうしたもないよ。

 ヘクセライ・シューレが猛反対でね。

 元々あの子、あそこに入学するはずだったから。」

 

「ヘクセライ・シューレって・・・

 ドイツの学園だっけ?」

 

「我妻がグリモアに入学するみたいに、

 コッコはヘクセライ・シューレ。

 デラーがネテスハイムとか、そういうのがあんの。」

 

「知らなかった・・・。」

 

「日本への渡航が認められたのも、霧の護り手

 殲滅までって期限付きだし。もー

 大人の世界っていやだいやだ。」

 

うんざりしながら、頭を振る。

 

「・・・学園長にお願いしてみるって

 いうのはどうかな。確かいろんな人と

 知り合いだって言ってたから。」

 

「さすがにコッコとヘクセライ・シューレの

 間に割り込むのはまずいからねぇ。

 ・・・所属しなくても、学園の授業を

 受けられるようにして・・・。」

 

腕を組んでうなり始める。

 

「あとはジェンニが学園の1人、みたいに

 感じられるように・・・何かあの子の

 希望をかなえられたらいいんだけどね。

 ジェンニ、何か言ってなかった?」

 

コンコン

 

浅梨の部屋のドアがノックされる。

 

「我妻さん・・・いらっしゃいますか?」

 

ノックしたのは薫子だった。

 

「・・・・・ん?」

 

 

 

 

 

 

そのころ

 

校門前

 

「お待たせー! ネネ、ちゃんと来たよー!」

 

「来たか。」

 

待っていたロウは欠伸をする。

 

「理事長に言ったもんね! クエストの

 あとはじゅぎょうめんじょだって!

 そしたら、お兄ちゃんと一緒ならいいよって!

 あと、ちゃんと5時までには帰ってきなさいって。」

 

「親かよ・・・。」

 

「ネネ、学園長なのにな~。でも

 遊びに行くからいいも~ん。」

 

「んで、どこ行きたいんだ?」

 

「おもちゃ屋さん! あと本屋さんに行って

 映画館にも! あとね、あとふうびきっずと

 プレジャータウン!」

 

次々と挙げていく。

 

「贅沢コースか。全部行くにはさすがに

 無理だ。」

 

「えー・・・。う~ん・・・そしたら・・・

 おもちゃ屋さんがいいかなー。」

 

「ずいぶんあっさり選んだな。

 なんでだ?」

 

「えっとね、魔物さんを倒したら、

 ほうしゅうっていうのがもらえるの。

 だからね、ネネ、お人形さん買うんだ!」

 

「なるほど。ま、1つくらいなら

 5時には間に合うだろ。」

 

「お兄ちゃんも行こ!」

 

 

 

<ロウ、寧々、移動中>

 

 

 

おもちゃ屋

 

「えーと、えーっとぉ・・・えーとぉ・・・」

 

寧々は2つの人形の前で

迷っていた。

 

「どっちにしようかなぁ。くまちゃんと

 わんちゃん・・・・・ねえねえ。」

 

「ん?」

 

「お兄ちゃんはどっちがいい?」

 

熊の人形と犬の人形を見せる。

 

「どっちがどう違うんだ?」

 

「えっとね、くまちゃんはおっきい

 でしょ? だからこうやって・・・」

 

熊の人形を抱きしめる。

 

「ぎゅーってすると気持ちいいの!

 わんちゃんはそんなにおっきくない

 けど・・・シローちゃんみたいにふわふわなの!」

 

「んで、どうするんだ?」

 

「うーん・・・くまちゃんにしよっかなぁ

 ・・・。わんちゃんはシローちゃんを

 触ればいいし。でも、ん~・・・。」

 

再び悩み始める。

 

「ん~・・・・そうだ、お兄ちゃん選んで!」

 

「は? 俺が?」

 

「そう! 選んで?」

 

「・・・・。」

 

なんで俺が・・・

 

心の中でぼやく。

 

「なら、そっちで。」

 

熊の人形を指さす。

 

「うん! じゃあ、これにする!

 ネネだけだったらいつまでも

 決まらなかったもんね。」

 

熊の人形を強く抱きしめる。

 

「学園長室に飾っておくから、

 お兄ちゃんも遊びに来てね?」

 

「ああ、わかったわかった。」

 

こうして、買い物を終えた

ロウと寧々は会計を終え、店を出た。

 

 

 

 

<ロウ、寧々、移動中>

 

 

 

 

「ふんふふ~ん♪」

 

鼻歌を歌いながら、寧々は歩く。

 

「よーし、これでもっとつよきで

 理事長とこうしょうだー!」

 

「理事長と交渉? 何をだ?」

 

「なにをこうしょうするか、聞きたい?

 お兄ちゃん、知りたい?」

 

「ああ、そんなに聞かれるとな。」

 

「どうしよっかなー、教えてあげよっかなー。」

 

体をくねくねとさせる。

 

「・・・やっぱり秘密ー! だって

 お兄ちゃんにもびっくりしてほしいもん!」

 

「んだそりゃ。」

 

「ぜったいぜったいぜったい、びっくりさせてあげるね!」

 

 

 

 

<ロウ、寧々、移動中>

 

 

 

 

学園

 

校門前

 

「ただいまー!」

 

「あ・・・学園長、おかえりなさい。」

 

薫子が2人に駆け寄る。

 

「なんだ、薫子。わざわざ出迎えか。」

 

「モイ。」

 

ひょいと出てきたジェンニがあいさつする。

 

「あれ? ジェンニちゃん、どしたの?」

 

「ええと・・・先ほど、理事長と会長が

 相談しまして・・・フィンランド大統領の

 許可も得まして・・・」

 

「・・・フィンランド大統領?」

 

「コッコさんがロウさんと相部屋になりました。」

 

「・・・え・・・」

 

「ああ、そうか。・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・んん?」

 

今なんつった・・・?

 

ロウは言葉を飲み込むのに、時間がかかった。

 

「ええー!?」

 

隣の寧々は大声をあげた。

 

「危うく国際問題に発展しかけました・・・。」

 

「てか待て、薫子。俺への許可は!?」

 

「やだやだー! そんなのだめ! ネネ

 だってお兄ちゃんと一緒がいいー!」

 

「いや、そういう問題じゃねえだろ。」

 

「そんなわがまま言うジェンニちゃん

 なんて退学ー!」

 

「コッコさんは学園生ではありませんから・・・。」

 

薫子は冷静に寧々をなだめる。

 

「学園長。繊細な問題なんです。学園の

 代表として、どうか・・・。」

 

「うえーん・・・・・」

 

「ロウさんにはご迷惑かと思いますが、

 コッコさんたっての希望でして・・・。」

 

「ジェンニが?」

 

「せんぱい・・・ぼく、いいこにしてます。

 ねねちゃんも、おねがいします。」

 

「・・・遊びにいっていい?」

 

「いやだから俺に聞けって・・・。」

 

そういって、ため息をつく。

 

「ぼく、ねねちゃんとあそびたいです。」

 

「・・・・うん・・・。」

 

「コッコ家の方には梅さんがその、

 問題が起きないことを保証しました。

 ですから・・・あとはロウさんの

 ご承諾だけです。」

 

「・・・・・・。」

 

「・・・どうでしょうか?」

 

「・・・はぁ・・・もう大統領の

 許可だのとっちまったんだろ?

 受け入れるほかないだろ。」

 

「・・・! せんぱい・・・!」

 

「てことだ、ひとまず帰るぞ。ジェンニ。」

 

「はい・・・!」

 

こうして、ロウとジェンニの

相部屋生活が始まった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。