グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第252話 間ヶ岾の救いの手

「オラァ! テメーら気ぃ抜いてんじゃねぇぞ!

 守谷、来栖! 1匹も通すなって言っただろうが!」

 

メアリーは魔物を攻撃しながら

檄を飛ばす。

 

「もうヘバッたのか、ああ!?」

 

「バ、バカにしないでよ! も、

 もう通さないわよ! 焔、気合入れなさい!」

 

「やってるっての・・・クソッ。

 こんなの初めてだ・・・。」

 

「・・・まーだ喝入れねーとダメか。

 だがまあ、弱音吐かないだけ上出来だな。」

 

にやりと笑う。

その時、近くで青いドームが張られ、

すぐさまロウが現れた。

 

「メアリー、状況はどうだ?」

 

「ロウか。ちょうどよかった。アイツらに

 魔力やってくれ。いつもより疲れるのが

 早ぇみたいだ。」

 

2人を指さす。

 

「プレッシャーかけすぎたかも

 しれねえ・・・。」

 

「いつもとは勝手が違うからな。

 仕方ねえ。」

 

「テメーに依存した作戦ってのが

 情けねえがな。」

 

 

 

 

 

 

「すぐにヘリが来ますから。安全な場所に

 避難できます。国軍と私たちが守って

 ますから魔物は入ってこれません。

 安心して、任せてください。」

 

ゆかりは必死に患者を避難誘導していた。

 

「よろしくお願いします! はあ、はあ・・・

 まだたくさんの人が残ってるのに・・・。

 避難してくる人も増えてる・・・やらなきゃ・・・。」

 

顔に疲れの色が見える。

 

「随分疲れてるな。」

 

ゆかりのそばにロウが現れる。

 

「ろ、ロウ君どうして・・・・・きゃぁ!」

 

ゆかりはふらつき、ロウにもたれる。

 

「ご、ごめんね! ちょっとフラッとした

 だけだから! ほんとに平気、平気・・・」

 

「何言ってる、お前らしくない。下手に

 無茶すれば、倒れるぞ。」

 

「・・・そう、だよね・・・。強がっても

 意味ないよね・・・。魔力分けてくれるかな。」

 

「そう言えやいいんだ。」

 

ロウはゆかりの魔力を回復させる。

 

「・・・うん、元気になった。まだ

 頑張れる。心配かけてごめんね。」

 

「おい、本当に大丈夫か?」

 

「うん、まだ、平気。本当に平気、だから・・・。」

 

「・・・・・。」

 

一応、報告しとくか・・・。

 

 

 

 

ロウはゆかりの様子を聖奈に

報告していた。

 

「なに、椎名が・・・?」

 

「ああ。万が一のために報告しとくぞ。」

 

「・・・椎名は将来的にも医療系の職場を

 希望している。患者救出のために、

 気負いすぎている可能性があるな。」

 

「患者のために無理してるってとこか。

 ったく・・・。」

 

ピピピピピ!

 

聖奈のデバイスが鳴る。

 

「む・・・副会長からの連絡だ。

 もしもし、結城です・・・・・は?」

 

薫子の話を聞いた聖奈は素っ頓狂な声を上げる。

 

『すぐにテレビのニュースを見てください!

 現状を把握してください! 間ヶ岾が

 ・・・・動いています!』

 

「! ・・・間ヶ岾が・・・?」

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ・・・酷いものだ。こうして

 殲滅派が被害を大きくしていくのだな。」

 

間ヶ岾は騒ぎを見て、深いため息をつく。

そして、携帯を開く。

 

「双美君、始めるぞ。」

 

『・・・護衛は本当に要らないの?

 それにマッチポンプと疑われるって・・・。』

 

「今回は、事実としてマッチポンプでは

 ない、ということが強みだよ。

 いいタイミングで襲われたものだ。だが、ふむ・・・。」

 

病院を襲う魔物をじっくり観察する。

 

「今年に入って、魔物が都市を襲うことが

 増えたな。グリモアの連中が何かした

 結果ならば、追い風となるのだがね。」

 

『・・・調べろって言ってるの?』

 

「君に命令はしないよ。」

 

穏やかな笑みを浮かべる。

 

「・・・始めるとしよう。さあ、

 友人たちよ。同朋の暴走を止めたまえ。」

 

その笑みは不気味なものに変わった。

すると、間ヶ岾の周りに魔物が現れ、

病院の魔物を攻撃し始めた。

 

 

 

 

 

 

「魔物と魔物が・・・同士討ちをしている!?」

 

突然の事態にエレンは動揺する。

 

「どういうことだ! 意味がわからんぞ!」

 

「間ヶ岾が・・・魔物を従えて・・・

 魔物を戦わせているそうだ・・・守るために!」

 

 

 

 

 

「魔物を憎んではいけない! 彼らは迫害に

 反発しているだけなのです! 私は

 このように、魔物と分かり合えることを知っている!」

 

集まっていた多くの人々に語りかける。

 

「彼ら友人は、人類と魔物の架け橋と

 なるため、己を犠牲にしてくれている!

 今は逃げてください! この状況で

 考えろと言われても無理でしょう!

 命のために、今は避難を!」

 

 

 

 

「ん、だとぉ・・・! 間ヶ岾がだと!?

 てめえら! それを知って、何を

 ボケッと突っ立ってんだ!」

 

メアリーは魔物とともに来た

間ヶ岾を捕まえようとする。

 

「今がチャンスじゃねーか! ニンジャに

 あいつをヤらせちまえ!」

 

「できるわけがないだろう! 報道ヘリが

 ずっと捉え続けているんだぞ!」

 

「放っとくってのか! これ以上

 好き勝手させていいことがあると思うか!?」

 

「ったく、落ち着けっての。あいつが

 街ぶっ壊してんなら捕まえてもいいが、

 守ってんじゃあ、捕まえようがねえだろ。」

 

「・・・・ぐ・・・!」

 

悔しさから歯ぎしりさせる。

 

「ロウの言う通りだ。それに奴は

 善意でやっているわけではないだろう。

 だが、今思想の違いを理由に排除できるものか!」

 

「あいつは、テロリストだろうが!」

 

「それもわかっている! だが私たちに

 テロリストを処罰する権限はない!」

 

「・・・腰抜け野郎が・・・!!」

 

苛立ちから地面を蹴った。

 

「・・・え、エレン・・・。」

 

月詠が恐る恐る尋ねる。

 

「どうした。」

 

「す、すっごい言い合いだったけど・・・

 メアリーが間ヶ岾のところに

 行っちゃったら、どうすればいいの・・・?」

 

「行くわけがない。」

 

エレンははっきりと言い切る。

 

「え・・・? ど、どうして、そんなこと!」

 

「言われたことはあいつだってよく

 わかってるよ。馬鹿じゃねえんだ。

 まあ、言いたいこと言ったしな。」

 

「それに、メアリーが持ち場を離れたことがあるか?」

 

「そ、それは・・・えっと・・・ないかも・・・・。」

 

「そういうこった。俺らもしっかりやることやるぞ。」

 

 

 

 

 

 

「・・・ん?」

 

何者かの気配に間ヶ岾は気がついた。

 

「ま、魔物が・・・魔物と戦ってる・・・?」

 

「テロリスト・・・。」

 

それは遅れていた浅梨とジェンニだった。

 

「ミナビハーン。」

 

「おや・・・君は・・・そうか、

 始祖十家か。日本にようこそ。コッコだね。」

 

ジェンニは魔物もろとも間ヶ岾を攻撃しようとする。

 

「ジェンニ、ダメ!」

 

浅梨は慌てて攻撃をやめさせる。

 

「・・・浅梨・・・どして・・・。」

 

「魔法使いが一般人を傷つけては

 いけないよ。特に始祖十家はね。」

 

「ど、どうしてここにいるんですか!」

 

「それはもちろん、魔物と人間の

 争いを止めるためだ・・・。

 私には君たちに、協力するのだよ。」

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