グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
最新話投稿しました。
しばらくの間、身内の葬式や
自分の転職等でなかなか
書く暇がなく、投稿できませんでした。
次こそは少しずつでも
投稿できればと思っております。
これからもよろしくお願いします。
等々力病院
「し、椎名先輩。少し休んでください。
その間、代わりにあたしが・・・。」
「いいえ。終わったらゆっくり休めるわ。」
ももの提案をゆかりはあっさりと断る。
「患者の人たちは、私たちよりずっと
魔物が怖いの。魔法が使えなくて
ケガもしてて、周りを囲まれて・・・。
休んでなんかいられない・・・!」
「それはエゴだ。貴様には救護活動を
任せたはずだ。その調子で全員を
救えるとはどう見ても思えん。」
「・・・助けて、見せる・・・。」
そういうゆかりの体はふらついている。
「責任を自覚しろ。貴様が倒れたら
他の保健委員は誰に指示を仰ぐ?」
「魔力はロウ君が補給して
くれるから・・・大丈夫よ。」
「・・・桃世、それでどうなるのか言ってみろ。」
聖奈はももをじっと見る。
「・・・魔力枯渇のほかに、短時間で
たくさん魔力を使うと肉体も疲労します。
魔力を補充できる先輩が来たから・・・
わかったことです。」
「そうだ、会長含め、多くの学園生が
経験したことだ。知らんとは言わせんぞ。
椎名。助けるものが倒れては本末転倒だ。」
「・・・・そうね・・・わかったわ。
桃世さん、少しの間お願い。」
「・・・ロウ、しばらくついてやれ。」
「・・・ああ。」
「・・・はあ。ダメダメね、私。」
ゆかりは顔を伏せ、
聖奈の言葉を思い出していた。
「結城さんの言うこと、全部正しいのに
・・・でも、ケガをして動けなくて、
魔物に囲まれて、みんな怖いんだよ。
だから1分でも早く、脱出させてあげたいの。」
「まっ、そう思う気持ちはわからんでも
ないけどな。」
「・・・私に、もっと実力があったらな・・・。
・・・はあ、クエスト中にグチっちゃった・・・。」
手で顔を覆い、深いため息をついた。
「ごめんね、こんなことグチられても、迷惑だよね・・・。」
「それで吹っ切れんならいいけどな。」
軽く首をコキコキと鳴らす。
「・・・うん。魔力とか体力とか、もっと
しっかり自己管理できるようにならないと。」
自らを鼓舞するように、自分の頬を
たたく。
「だから、もう少し休むわ。何もなければ
桃世さん一人で大丈夫だから。休んで
元気になったら・・・最後まで誰にも
心配されないよう、こなしてみせるわ。」
「・・・どうやら、本当に大丈夫そうだな。
俺は、聖奈たちに合流してくる。」
「うん。」
数時間後
グリモアの救助は順調に進んでいき、
そして遂に最後の救助者となった。
「・・・後は・・・この人だけ・・・。」
そう言ったゆかりの体が少しふらつく。
「おい・・・。」
「大丈夫だよ。最後にちょっとだけ
魔力わけて・・・。」
「ああ。」
ロウは魔力を渡す。
「全員助けて、気を失わないで・・・それが、
私の責任・・・。わかってる・・・!」
自分に言い聞かせながら、
最後の救助者の治療をしていく。
「患者さん、治療終わりました!
搬送可能です!」
「椎名先輩! 最後、あたしも手伝います!」
「うん! ありがとう! もうすぐです!
ヘリに乗ったら、もう安全ですから!」
そして、最後の救助者の搬送を終えた。
「・・・どうした、魔物が再び攻撃を
始めたぞ。タイコンデロガもいるのでは
ないかね?」
様子を見ていた間ヶ岾は
不敵な笑みを浮かべる。
「! ・・・ジェンニ。ここにいても
なにもできないよ・・・。」
「けが、させない。つかまえる。」
ジェンニは魔法を使おうと構える。
「やめておいたほうがいい。上空を
飛んでいるヘリに私たちが映っている。」
余裕そうに空を飛ぶヘリを見上げる。
「しらない。」
「間ヶ岾!!」
攻撃しようとしたジェンニの前に
虎千代が現れる。
「よくアタシたちの前に出てこれた
ものだな・・・!」
「今度はグリモアの生徒会長じゃないか。
お目にかかるのは初めてかな。
私が間ヶ岾昭三だ。」
紳士的な笑みを浮かべながら、
ゆっくりと頭を下げる。
「何を企んでいる。共生派のお前が
アタシたちと共闘する理由はないだろう。」
魂胆のわからない間ヶ岾を虎千代は睨む。
「人々を救うという目的が一致して
いれば、共闘もあり得るさ。口論しても
始まらない。君はまだ若い。
ここは笑顔で別れるのが得策ではないのかね。」
「アタシたちがお前と馴れ合うと思っているのか・・・!」
「言い訳も用意してやろう。君たちは思想に
囚われず、私を見逃したんだ。」
虎千代に背を向ける。
「全ては人々を救うためだ。そのためなら
共生派でも・・・役に立つなら、普段の
いがみ合いは忘れられる。君たちは
高潔な魔法使いだろう?」
「・・・お前の一言一言が、アタシの
気分を逆撫でするぞ・・・。」
握った拳がブルブルと震える。
「行動に移さなければいい。私のことを
どう思おうが勝手にしたまえ。」
また不敵な笑みを見せる。
「だがここで私を捕まえ、それが全世界に
流れた場合・・・共生派や議員会館
襲撃以降に疑問を持っていた人々は
どう思うかね。」
ゆっくりと、虎千代を指さす。
「君は、人類を二分するという決断ができるかね?」
「・・・・・!」
「そう、してはならないのだよ。そんなことを
決断できるのは狂人だけなのだからな。」
魔物が起こした砂煙の中に少しずつ消えていく。
「また会おう。次はもっと、私に有利な
舞台を整えておくよ。その時は思う存分
排斥してやろう。楽しみにしていたまえ。」
等々力病院
「ヘリが飛ぶぞ! 魔物を撃ち落とせ!」
「『ROOM』!」
青色のドームを出現させる。
「『
飛んでいた魔物を撃ち落とした。
「ケッ! こいつら、どっかおかしいぜ!
これが最後だってわかってるみてぇに
気合入ってやがる!」
「ちょ、ちょっと! タイコンデロガ
2体目が来たわよ!」
「わかってる。・・・ほら、あいつが来た。」
「・・・なかなか楽しませてくれそうな相手だな。」
大量の魔物を前につかさが
立ち塞がった。
「生天目! 貴様、いつから・・・!」
「退屈な警備クエストばかりでうんざり
していたところだ。梅がいなくてよかった。
横取りされるとつまらんからな。」
にやりと笑う。
「貴様も手を出すなよ。」
「ま、待て! 会長から聞いているだろう!
貴様は次の裏世界探索に参加する!
ここで大けがでも負ったら・・・」
「・・・私もなめられたものだ。」
この後、つかさの攻撃によって、
魔物は一気に消滅した。