グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
「あれ・・・? 魔物・・・いない。
静かね・・・。」
救助を終えたゆかりたちが
駆けつけたが、魔物の姿はなかった。
「・・・ん・・・ああ、オメーらか。」
メアリーが軽く手を挙げる。
「テメーらがここにいるってことは、
もう終わりってことだな。」
「ね、ねえ、ウィリアムズさん・・・。
もしかして・・・魔物、倒しちゃった・・・?」
「ああ、タイコンデロガを2体とも
潰したら引き上げてったぜ。IMFの
連中が出張ってきてな。」
「IMF・・・来てくれたんだ・・・。」
「まあ、来なきゃ批判の嵐だろうからな。
だから、俺らの仕事は終わった。」
???
「さぁて・・・ここからは私の仕事ね・・・。」
そう言うと、裏世界の心は
キーボードを操作し始める。
「心ちゃん・・・一緒に遊びましょ。」
数週間後
「こんちゃっす、先輩!」
この日、ロウは自由との
クエストとなっていた。
「今日はなんか偶然にも自分と先輩の
クエストだそうで!」
「何が偶然だよ。」
「まっ、どーせ先輩と行くなら駅前
とかがよかったっす。」
明るい顔から一転して
クエストが面倒そうな顔に変わる。
「終わった後でもいいだろ。」
「いや~、そーじゃないんすよねー。
そーいうんじゃないんすよー。」
ますますめんどくさそうな顔になる。
「・・・まー、自分もある程度実績? を
作らないといけないんでやりますけどね。」
「実績?」
「なんの実績かはとりあえず秘密っす。
あとでお話ししますよ。
よーし、いっちょやりましょっかー。」
<ロウ、自由、移動中>
「・・・! これは・・・。」
ロウは多くの魔物の足跡を見つける。
「霧の影響で変化したんでしょうね。
レーダー見ると、数が多そうです。」
「随分と詳しいもんだな。さっきの
実績ってやつと関係があるのか?」
「ええ。自分、実は・・・魔物の
情報サイトを運営してるんすよ!」
「情報サイト・・・? ・・・
ちょっと待て、それは・・・」
魔物の情報を許可なく出すことは
禁止されている。
「そこはどーか、ご内密に。
・・・! 魔物、来てます!」
「ったく・・・。『ROOM』!」
青色のドームを出現させる。
「『
数匹の魔物を一撃で切り裂いた。
「で、サイトなんてやって大丈夫だろうな?
バレれば終わりだぞ。」
「でもでも、政府発表やクエスト情報からじゃ
わからない、魔物オタクの視点・・・
そーゆーのがあるんです。
ここの魔物もサイトに載ってますし。」
「・・・ま、ここでは不問にしとくか。
そもそも俺がどうこう言えたもんじゃないしな。」
そう言うと、ロウはデバイスを取り出す。
「? なにしてるんです?」
「サイトどこだ?」
「結局見るんすか!?」
「んなこと言われたら見たくなった。」
「あっと、ちょっと待ってくださいっす。」
ロウにサイトのURLを送った。
「先輩だから、特別っすよ? あ、あと、
悪用はやめてください? 自分、懲罰房いやなんで。」
「わかってる。」
「・・・っと、そろそろ、魔物が来ますね。」
自由の言葉通り、数体の魔物が
2人に近づいてきていた。
「さて・・・やるか。」
再び、青色のドームを展開させる。
「はあ!」
炎の魔法が放たれ、魔物を焼き尽くした。
「『タクト』!」
とどめに、岩を浮かせ、魔物にたたきつけた。
「・・・ほかの反応はないな。」
デバイスで入念に確認する。
「ということは・・・これにて
クエスト終了!」
緊張が解け、軽く伸びをする。
「これで報告が終われば
数日で政府から終了宣言がされて・・・
そうすればサイトに反映されて、
ますます有用性が高まって、アクセス数が
増えて、アフィリ・・・」
「ん?」
「・・・じゃなくて、感謝されるってわけです。」
なんとかごまかそうと、するが
自由の目はかなり泳いでいる。
「お前、今アフィリエイトって・・・」
「い、いやいや! 何言ってるんすか~!」
「こっち見ろ。」
「違いますってー! く、クエストは
終わりましたし、早く帰りましょ?
・・・あー、でもこれで先輩と
二人きりは終わりかー。」
「ごまかしきれてねえぞ。」
「そそ、そんなことは・・・。・・・
あっ、せ、先輩いつもクエスト後は
遊びに行ってますよね!?」
「まあ、いろいろな。てか、それより」
「自分の時だけ、遊びに行かないって
ことはないですよねー。」
追及を逃れるため、ロウの言葉を遮る。
「・・・はあ、何言っても意味ないな・・・。
・・・ん?」
ロウのデバイスにモアットの
メッセージが入る。
「・・・? あいつ・・・なにやってんだ・・・?」
「? どうしました?」
「いや、ここは任せとくか・・・。」
ロウと自由が出発した数十分後
教室
「あれ? 律って今日休みだっけ?」
千佳は友達である律の姿を探す。
「ええと・・・体調が悪いとかで
早退しましたよ。」
「マジで? なら帰りにジュースでも
買ってこっか。」
「そうですねえ、ゆえも行きたいですね。」
「そだ、駅前のスムージーにしよっかな。」
「駅前? スムージーを買うのにわざわざ?」
「違う違う。ほら、今日は光男様との
デートだから。」
「・・・・・え?」
まさかの人物の名が出たことに
ゆえ子は驚いた。
「律も来るかなって思ってたんだけど、
よく考えたら二人のほうがいいよね。
そーゆーわけで先生!」
ゆえ子の前でパンッと両手を合わせる。
「は、はいっ。」
「先生はうちのデートが成功する
ように、応援しててね!」
「あ、その・・・放課後でしょうか?」
「そりゃ、授業中に行くわけないじゃん。」
のんきな笑みを浮かべる。
「そうですよね。よかったです。」
「ふっふっふっ。いやー、どうしようかな。
ふかーい話になっちゃうかも!」
千佳のニヤニヤが深まっていく。
そのまま教室を出て行った。
「・・・こ、これはあまりよくないのでは・・・。」
わかりやすくオロオロする。
「ゆえの出番かもしれません・・・音無さんが
いないときは、ゆえが・・・」
しばらく考えるゆえ子
「・・・・・・誰かに事情を話して
ついてきてもらいましょう・・・。」
ひとまず、ロウを含めた何人かに
さっきの話をもあっとに送信した。