グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
学園
生徒会室
「・・・・・。」
虎千代は自分のデバイスを
穴が開くほど、じっと見ていた。
「服部からの連絡がないな。」
「うぃっち、みつからない?」
ジェンニはデバイスを覗き込む。
「遊佐は、ウィッチの本体は科研跡地だと
突き止めた。生死に関わらず・・・何かの
痕跡が残っているはずなんだが・・・。」
科研
「・・・魔物の気配はナシ。人の気配もナシ。」
周囲の気配を確認しながら、
梓はウィッチを捜索する。
「なかなか・・・・見つからない
もんですね。・・・・ん? 革靴2つ・・・。」
梓はデバイスを手に取り、
虎千代に電話をかける。
「もしもし、虎千代だ。」
梓の通話に出る。
『お疲れ様ッス。結論から言います。
ウィッチは死にましたね。』
「! 死体が残っていたのか?」
『いえ、残ってませんでした。ですけど
ウィッチの痕跡があり、そこに男性二人。
おそらく、間ヶ岾と神宮寺のお兄さん
ですか・・・がきてます。』
「・・・じゃあ、生きてるんじゃないのか?」
『ウィッチが出ていく痕跡がないんですよ。
おそらく二人が抱えていったんでしょう。
彼女がいた場所荒れてますし。死体は
回収されてます。』
「・・・そうか。ご苦労だった。戻ってくれ。」
険しい顔になり、電話を切った。
「・・・ウィッチは、死んだ。」
「・・・・ぼくがたおすのに・・・。」
「本来なら捕らえたかった。人間同士で・・・
魔法使い同士の戦いで、死者を出すなど・・・。
・・・ここからは、時間の勝負だ。間ヶ岾に
次の準備をさせないように・・・。」
校門前
「よー、ロウ。今日はあたしとクエストだぜ、
クエスト。」
少しだるそうに律がやってくる。
「毎度毎度で疲れるったらねえよ。」
「そーいや、千佳のヤツが危ないこと
しててさ。知ってる? えっと、
ライブストリーミングだか・・・」
「ライフストリームだろ。」
「そうそう、それそれ。その事務所に
行って、もー大変だったっていうか・・・。」
千佳の行動にかなり呆れていた。
「ったく、あいつは・・・。」
「それでさ、念のため、あたしもレベルアップ
しときたいなって思ったわけよ。あ、千佳には
内緒だぜ?」
「? なんでだ?」
「ロウと行くっていったら、機嫌悪くなるからな。」
「なんであいつが?」
軽く首をかしげる。
「ほんとだって。まじで。・・・あ、そうだ。
レベルアップもそうなんだけど、あと・・・
魔法の試験もあるんだよ・・・。」
試験という言葉に肩を落とす。
「お前の魔法って確か・・・」
「声の魔法、スクリームだ。なんでもぶっ飛ばせるけど
仲間にも被害が出るから禁止だったんだよ。
今回は、ちゃんと制御できるかって試験を
一緒にやるんだ。」
「そういうことなら、今回は任せておくか。」
「安心しとけって。」
<ロウ、律、移動中>
「な、なあ・・・やっぱもう少し近くに
いてくんねえ・・・?」
「さっきの言葉どこにいったんだ?」
律は周りにビビりながら、ゆっくりと
した足取りで進む。
「怖いのか?」
「いや、別に怖かねーんだよ? でも、
なんか薄気味悪いっていうか・・・。」
「怖いんじゃねーか。」
「だから怖くねーってば! いいよじゃあ!」
堂々と進もうとする。
カタンッ
「ひぃ!」
少しの物音に体がビクッとなる。
「・・・・・。」
「あ、い、今のは魔物かと思って警戒した
だけだからな! 幽霊なんていない、幽霊
なんていない、虫もいない・・・・・。」
ぶつぶつとつぶやく。
「ビビッてたのそこかよ。」
「だ、だから怖がってなんかねーって!」
「おっ。」
「うひぃ!」
「いや、魔物来てるぞ。」
ロウの言葉通り、魔物が
2体ほど近づいていた。
「な、なんだ魔物か・・・。脅かすなっての!
すぐ倒してやる!」
そう言って、深く息を吸い込む。
「おっと。」
ロウは急いで耳をふさぐ。
「うらぁぁぁ!」
声の魔法が響き渡り、魔物が霧散する。
「一瞬だったな・・・。」
「あー・・・でも、地面とか壁とかが
結構壊れちまうな・・・。」
律の言う通り、地面や壁が抉れていた。
「トクテーのタイショー・・・だったっけ?
それに攻撃する練習したんだけどな。」
「まあ、実際の戦闘になるとまた
いろいろ変わるんじゃないか?」
「そーなんだけど・・・これを制御できる
ようにならねーと卒業できねーし・・・。
協力ヨロシク。」
「なら・・・ちょうどいいな、来てるぞ。」
先ほどより大きい魔物が
ゆっくりと歩いてきていた。
「よし! ちょっと集中して・・・」
「その間は俺がやるか。『ROOM』!」
青色のドームを張る。
「『タクト』!」
指をクイッと上げると、魔物が宙に浮かぶ。
「・・・オッケー・・・! 行くぜぇ!」
「!」
慌てて、ロウは耳をふさぐ。
「ああああぁぁぁ!」
浮いていた魔物がうなり声を
あげながら霧散していく。
「・・・よっしゃー! 見ろよこの芸術!」
言う通り見ると、地面や壁に
傷がなかった。
「魔物だけぶっ飛ばしてやった! これで
あたしも一人前ってことだ! デビューも
できる!」
「そこはまた、別問題だろ。」
「ま、まあとにかく未来は明るいってことだな!
へへ、とりあえずこれで今日は終わり
だから・・・学園戻って、遊びに行こうぜ!
お祝いだ!」