グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第273話 間ヶ岾の侵攻

???

 

間ヶ岾はパソコンの映像を

じっと見ていた。

 

「双美君が残した映像、そして頭に

 鳴り響くこの声・・・私に語り掛ける声・・・。」

 

頭を押さえ、にやりと笑う。

 

「光男君、私は魔物の全てを知ることができた。

 私は正しかったのだと・・・殲滅派こそが

 人類の敵だったと、知ることができた。」

 

ゆっくりと、パソコンを閉じる。

 

「・・・・さて、出かけるか。真の共生を

 魔法使いの連中に見せてやろう。」

 

 

 

 

 

 

 

学園

 

結希の研究室

 

「・・・なるほど。間ヶ岾がロウさんを

 誘拐しに来ると?」

 

紗妃は結希に呼ばれ、研究室に来ていた。

 

「ええ。間違いないわ。信頼できる筋からの

 情報だから。」

 

「しかしあまりに唐突というか・・・なぜ、

 間ヶ岾がロウさんを? 確か一度、

 銃で撃たれたと聞きましたが・・・。」

 

「時間が経つに従って、状況も変わってくる。

 あの時ロウ君を殺し損ねてよかったと

 思ってるでしょうね。」

 

「・・・ということは、ロウさんの莫大な

 魔力に目を付けたのでしょうか。」

 

一瞬、結希の顔が曇る。

 

「ええ。そういうことね。霧の護り手には

 魔法使いもいる。ロウ君がいれば、これまで

 やりたかった大抵のことはできる。」

 

「・・・時期はわかるでしょうか。」

 

「正確な時期はまだわからないけれど、

 すぐのはずよ。間ヶ岾は半分詰んでいるの。

 副総監を始めとした協力者が捕まり・・・

 この数か月で積み上げたイメージが崩れてきたから。」

 

「なるほど・・・その罪が明らかになれば、

 間ヶ岾は動きがとれなくなる・・・。」

 

「ロジックで考えても、必ず来るわ。」

 

「・・・わかりました。他ならぬ宍戸さんの

 言うことであれば。間ヶ岾が来ることを前提に

 警備を強化しましょう。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校門前

 

「お、お待たせしました。報告、すみました!」

 

報告を終えた萌木が駆け寄る。

 

「ん、お疲れ。さて・・・この後どうする?

 特にないなら、このまま帰るが。」

 

「ふぇ? あ、そうですね、ええと・・・

 ・・・あっ。」

 

「? どうした。」

 

「え、あ、なんでもないです! ちょっと

 思い出しただけで・・・。」

 

ブンブンと首を横に振る。

 

「あの、予約していた本が届いてるかなって・・・。」

 

「本? わざわざ予約ってことは

 貴重なやつか?」

 

「は、はい・・・古本でして・・・あ、

 で、でも、個人的な用はまた今度に・・・」

 

「よし、そこ行くか。」

 

「・・・・ふぇ?」

 

 

 

 

<ロウ、萌木、移動中>

 

 

 

 

「あ、あの・・・ありがとうございます!」

 

買った本を萌木は腕に抱えている。

 

「ほんとはすぐにでも欲しくて・・・

 あの、お礼をさせてください!」

 

「大げさだな・・・。」

 

「そんなことありません! あ、

 この辺りに来たら、いつも本を読む

 喫茶店があるんです!」

 

「喫茶店?」

 

「はい。過ごしやすいところですから

 ご紹介しますね!」

 

 

 

 

 

 

 

喫茶店

 

二人ともコーヒーを飲み、

一息つく。

 

「ど、どうでしょうか・・・。私、ここが

 大好きなんです。」

 

「確かに、過ごしやすくていいな。

 少しここで・・・」

 

ピリリリリ!

 

ロウのデバイスが大きな音で鳴る。

 

「・・・んだよ。」

 

苛立ちを見せ、軽くぼやく。

 

「・・・・・。」

 

「・・・ロウさん?」

 

「学園に戻れってよ。しかも急ぎでだ。」

 

「そ、そうですか・・・。」

 

デバイスを見たロウの顔は

険しくなっていた。

 

 

 

 

 

 

風紀委員室

 

「・・・わかりました。間ヶ岾が

 攻めてくるんですね。」

 

間ヶ岾の名前に七撫の

顔は強張っていた。

 

「これまで、ヤツは奇策を用いて私たちと

 まともに戦っていない。正直、今回も

 魔物を操って攻めるだけ、とは考えづらい。」

 

七撫と怜は間ヶ岾への対策を考えていた。

 

「そうでしょうね。何か私たちの裏を

 かくようなことを考えているはずです。」

 

「宍戸の情報によると、間ヶ岾はロウを

 狙ってくるらしい。」

 

「ロウ君を? ・・・魔力が目的・・・

 にしては、このタイミングで・・・?」

 

結希からの情報に少し首をかしげる。

 

「ロウを仲間に引き入れようとしているらしい。

 浦白。ロウの護衛を頼む。」

 

「え・・・私が?」

 

「ああ。間ヶ岾がどんな手を使ってくるか

 わからない。スパイとして潜入していた

 お前なら柔軟に対応できる。」

 

「・・・わかりました。ロウ君は

 お友達です。霧の護り手には渡しません。」

 

 

 

 

 

 

 

十数日後

 

 

「・・・静かだ。」

 

間ヶ岾は目を閉じ、つぶやく。

 

「相談する相手も、私を止めようとする者も

 いなくなった。だが・・・もともと

 そうだったのだ。それに、私には・・・」

 

間ヶ岾は目を開け、後ろを見る。

そこには何体もの巨大な魔物が控えていた。

 

「最も頼りになる者がついているではないか。

 この味方がいる限り、負ける気はせんね。

 ・・・さあ、ロウ君。私が行くぞ。」

 

不気味な笑みを浮かべる。

 

「愚かにも意地を張り通すか、賢明にも

 自らの使命を受け入れるか・・・私と

 語り合おうではないか。今や私の言葉が

 わかるのは、君だけだ。」

 

後ろの魔物に向き合う。

 

「ミスティック諸君。私がロウ君と対話を

 試みる間・・・魔法使いたちの始末は

 任せたぞ。もう、君たちを率いるのに

 科学技術も必要ない。」

 

学園の方向を指さす。

 

「さあ、行進といこうか。」

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