グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
「・・・な!」
「あ、あれは・・・・!」
間ヶ岾の変わった姿に
聖奈と虎千代は驚きを隠せない。
「まさか・・・間ヶ岾か!?」
校庭
「クク・・・魔物大好き人間が、ついに
魔物になりやがった・・・。」
メアリーは間ヶ岾に武器の
銃口を向ける。
「ケッ。クレイジーにもほどがあるぜ。」
「攻撃だ。ロウたちを守るぞ。しかし・・・
なぜ間ヶ岾は、魔物になっても理性を
保っている?」
「魔物への愛だろ、ラヴだラヴ。見たな、
テメーら! 間ヶ岾はもう一般人じゃねえ!
魔物だ! ぶっ殺せ!」
「魔物になりやがった・・・どうなってる・・・?」
「ロウ君! こっち!」
ロウ、七撫、ジェンニは
コロシアムに向かう。
その直後、青空が
禍々しい紫に変わる。
「!? この空・・・大規模侵攻の時
みたい・・・。間ヶ岾が、こうしたの・・・?」
「・・・コロシアムに向かったか・・・。
ククク、決闘の場を用意するとでも
いうのかね。いいだろう。私がそちらに
向かってやろうじゃないか。」
コロシアムに向かおうとした
間ヶ岾だったが、自身の体に
銃弾が当たる。
「・・・・・ん?」
「うわ、こっち見た。」
「そりゃ撃ったんだから見るわよ・・・。」
攻撃したのは初音、茉理が操作する
JGJ製の武器だった。
「・・・神宮寺の一族か・・・。失せろ。
あちらの世界と同じ運命をたどりたく
なければな。」
「・・・だってさ。」
「魔物になって随分馬鹿になったじゃない。
頭脳労働の間ヶ岾が最前線に出てきて、
うまくいくはずなんてないのに。
それに、もうすぐ樹兄さまがローニング
ジクシーを連れてくるわ。」
「メアリー、私たちの役目は、間ヶ岾が
ロウの元へ行くのを妨害することだ。」
「しかしなんだってあいつら、コロシアムに
向かってんだ。グラウンドに来りゃ、
アタイらが行く手間が省けるってのによ。」
メアリーは深く息を吸い込む。
「おい、マザーファッカー!」
「・・・やれやれ・・・彼の元に行かねば
ならないというのに・・・。どうせ彼を
迎えた後は皆殺しにするのだ。
待っていたまえ。」
「そうはいかない。貴様に降伏を勧告する。」
「貴様が望みを達して学園を出る可能性は
ゼロだ! 先月までチマチマとお喋り
してたじゃねーか。どんな風の吹き回しだ?
愛人が死んでヤケになったか? ああ?」
メアリーのそれはあからさまな挑発だった。
今までの間ヶ岾は気にもとめなかった。
だが、今の間ヶ岾は動きを止める。
「・・・・・。その愛人というのは、双美君の
ことかね。」
「む・・・足が止まった。挑発を続けろ。」
「図星みてーじゃねーか。いろいろ御託
並べて結局オンナかよ。仇討ちってか。」
「仇討ち・・・仇討ちか。いかにも、私は
そのために来た。」
「間ヶ岾の動きが止まったな・・・。」
「うん・・・。」
「しかし、あんな安い挑発で止まるとはな・・・。
・・・!」
間ヶ岾の近くにいた一体の魔物が
ロウたちに襲い掛かる。
「『ROOM』!」
青色のドームを張る。
「『注射ショット』!」
魔物の喉元に刀を突く。
魔物は動きを止める。
「『切断』!」
強化魔法を纏った刀で
魔物は一気に切り裂かれ、そのまま倒れた。
「その通りだ。私は彼女の仇を取るために来た。
・・・だが、断じて貴様らの創造するような
下卑た理由ではない。」
「・・・間ヶ岾が動きを・・・!」
近くで紗妃が様子をうかがっていた。
「今です、皆さん! 全員で間ヶ岾を
取り押さえ・・・」
「ちょっとタンマ、タンマー!」
「も、守谷さん?」
紗妃の指示を月詠が遮った。
「攻撃しちゃだめ! メアリーたちが口で
止めてるから! 下手に攻撃すると、
間ヶ岾の気が散って、ロウたちを攻撃しちゃうかもって!」
「し、しかし今は絶好の・・・」
「氷川、待ちなせー。」
焦る紗妃を風子が宥める。
「楯野望から、攻撃はいったん中止との
連絡が来ました。」
「な、なぜですか!? もし間ヶ岾が
動き出したら・・・。」
「今、戦わずに足を止められているのは
幸運でした。精鋭部隊には、もう少し
足止めしてもらいましょ。」
「で、ですからなぜ!」
「今、間ヶ岾の戦力を再分析しています。
どーやら、事前の予想よりもだいぶ・・・
つえーみたいですよ。」
風子の表情はかなり焦っていた。
『手ぇ出すなよ! 怪我しても知らないからな!』
デバイスの向こうで、望の
声が聞こえる。
「だそうだ。もう少し挑発できそうか?」
「チッ。あのバケモノとサシで口ゲンカしろ
ってのかよ。」
再びメアリーは息を大きく吸い込んだ。
「そりゃご苦労さんだな! だが散々テレビで
偉そうなこと言ってたくせによ。こっちは
枯れた中年のロマンスに付き合うほど
ヒマじゃねーんだよ!」
「黙れ! それが下卑た想像だというのだ!
私にとって仇を取るとは! 真の共生を
成し遂げることだ! それが我が賛同者で
あり続けた、双美君の仇を討つという
ことなのだ! 貴様ら殲滅派がどれだけ私達を
抑圧してきたかわかるというのか!」
「知るかそんなもん。自分で好き勝手
やっといてよく言うぜ。」
「・・・待て。」
上空を見たエレンは何かに気づく。
「マスコミのヘリが近づいてきている。
共生派差別に繋がる発言が拾われたら
問題だ。控えろ。」
「・・・だが、私は真の共生を成し遂げた・・・。
それがこの姿だ。あとは、最後のピースを
手に入れれば、我らの時代が来る・・・。
貴様らも来い!」
メアリーたちに向け、腕を伸ばす。
「殲滅派であればこのまま死ぬだけだが・・・
私についてくれば、真に至るべき
未来を見ることができるぞ!」
「どーするエレン。ナンパされちまったよ。」
「丁重にお断りしろ。宗旨替えに興味はない。」
「連れはテロリストの時点でクソくらえ
だってよ! 悔しかったらいっぺん死んで
出直してきな!」
「愚か者が・・・そんなに死にたいのならば、
私が引導を渡してやろう。」
間ヶ岾の様子にメアリーは舌打ちする。
「思ったより短かったな。」
「どのような展開にしろ、魔物を口で
止められると思っていない。守谷、我妻、
来栖。校内の第一陣は私達だ。気合を入れろ。
人間の知能を持った魔物だ。初めての相手だからな。」
「ったく・・・。」
「考える魔物・・・か・・・。」
「・・・ジェンニ。先輩のこと、頼んだよ。」
「・・・ん?」
ロウの倒した魔物が
徐々に霧になっていく。
「・・・・・!!」
あるものを見たロウは
持っていた刀を強く握る。
「・・・ロウ君、間ヶ岾はグラウンドの方に
向かったよ。今のうちに少し隠れて・・・」
「あの野郎・・・・!!」
ロウは、間ヶ岾の元に駆け出していく。
「あっ、ちょ、ロウ君!?」