グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
「・・・何を・・・いきなり、何を
言い出すんですか!」
あまりに信じられない話に
七撫は動揺する。
「本当に知らなかったのか。それとも・・・。」
間ヶ岾は周りの様子を見る。
「知っている者も、何人かいるようだがね。
秘密にしておいたのかい。君らは、
生徒会に信用されていないということか。」
「おい、武田! どういうことだ!」
「待て、メアリー。今は間ヶ岾に集中しろ。
戦いが終われば、時間はいくらでもある。」
メアリーは怒りから虎千代に
詰め寄ろうとするが、エレンが諫める。
しかし、そのエレンも虎千代をじっと睨む。
「・・・・・。」
一方、紗妃は呆気にとられ、
言葉を失っていた。
「きき、聞き間違いですよね? 聞き間違いですよね!?」
「落ち着きなせー。間ヶ岾の口車に乗っては
いけませんよ。・・・相手をどーよーさせる
ためなら、なんだって言う男ですから。ええ。」
「ぶっ放せ!」
初音の号令とともに、間ヶ岾に
銃撃が降り注ぐ。
「ぐ!?」
間ヶ岾の体がぐらつく。
「効いてる効いてる! さすがに150mm
口径のレールガンはいてーだろ! なんか
また演説しだしてっけどな! アタシらは
もう騙されねーぜ!」
「ローニングジクシー部隊、展開しろ!
タイコンデロガ級だ!」
「カムロギクシー部隊、好きにやっちゃって!」
樹、茉理の号令により、さらなる
攻撃が放たれる。
「・・・塵も積もれば何とやらだな。ここには
いないようだが・・・グリモアにはほかにも
侮れない戦力がいる。油断は禁物か。
では・・・霧よ。私に力を貸してくれ。」
間ヶ岾の周りに霧がまとわりついていく。
「・・・そうだ・・・この力だ・・・人間は、
霧と1つになることで・・・ここまで・・・
ここまで、進化できるのだ・・・・・!」
間ヶ岾の体がどんどん大きくなり始める。
「うげぇ! なんかむっちゃデカく
なったけど・・・逃げた方がよくね?」
「ま、まだ成長するのか・・・意味が
わからん・・・。」
「みんな、一度下がって! 一か所に
固まらないでばらけること!」
「ぅああ!」
絢香が痛みから頭を押さえる。
「絢香! ちょっと、もうダメだって!
保健室連れてくからね!」
「・・・意味が・・・意味が、わからない・・・
なにこれ・・・」
「絢香?」
「・・・・。」
純が何度も絢香の体を揺するが、返事をしない。
「絢香!?」
「気絶しているだけだ。連れて行って
やってくれ。・・・何かを聞いたな。
すまない、皇・・・。」
「何かってなんのことよ!」
虎千代は、純から目を逸らす。
「・・・すまない、鳴海。今は間ヶ岾を
優先させてくれ。・・・ヤツが何を
考えていようと・・・止めなければ!」
「霧は・・・意思を持っている。知能が
ないのではない。明確に、目的を持っている。
言葉が通じないだけで、我々人類は容易く
間違える。思考体系が違うだけで、容易く
本質を見失ってしまう。」
「あなたが、何を言っているのか理解
できません! これ以上、ロウ君を
惑わせないでください!」
「理解できないかね! 当たり前だ、貴様らは
霧のことを何も知らない! 300年も
調べ続けて、本当に何もわかっていない!」
この間にも、間ヶ岾はまだ成長を続けている。
「私とてそうだった。だがこの姿になれば、
全ては自明なのだ! 答えを知りたくはないかね
ロウ君! 君の過ちを正す機会が欲しくないかね!
ただ応えろ! 呼びかけに・・・応えるのだ!」
「過ちだと・・・? んなもん・・・」
ロウは間ヶ岾の近くに一気に近づく。
「とっくに自覚済みなんだよ、俺は!」
再び間ヶ岾の近くにワープする。
そして、ロウの手に光が集まり、
刃の形になる。
「またかね・・・君の攻撃では・・・」
「『ガンマナイフ』!」
光の刃を間ヶ岾に突き立てた。
「・・・!? ぬぐぅ・・・!?」
間ヶ岾の体が仰け反る。
「少しは効いたか・・・!」
「今なら・・・!」
七撫は近くにモンスターのメノコを出す。
「ぬう・・・そのサボテンは・・・
モンスターか! 哀れな! 親は選べない
ものだ・・・せめて痛みなく、霧に返してやろう。」
「・・・え?」
突如、メノコの体が光りだす。
「ね、姉さん!? メノコ姉さん!?」
光が止まると、メノコが巫女服を
着た黒髪の女性の姿になっていた。
「姉さんが・・・人間の姿に・・・!
やっぱり・・・やっぱりメノコ姉さんだった!」
「愚か者が! モンスターはただの霧の魔物だ!
護り手にいるとき、散々言っただろう!
君の姉は死んだ! 霧を寂しさを紛らわす
道具にするな!」
「私は信じます! メノコ姉さんはモンスターに
なった・・・今も私を見守ってくれています!」
「貴様らグリモアの魔法使いは救いがたい!
もはやこれまでだ! 全て死ね! 私が
人類の導き手となるには、彼一人いれば
充分だ!」
間ヶ岾は口を大きく開いた。
「ガアアアア!!」
音を発した瞬間、地面が揺れ、
周りの空気が震えた。
「ぐああ!」
ロウはなんとか耐えたが、
他の生徒は吹き飛ばされる。
「ぐふぅ・・・案外、大したことないな・・・。
君だけを吹き飛ばさずにおくというのも
なかなか難しい。」
ゆっくりとした足取りでロウに近づく。
「さあ、やっと邪魔者がいなくなった。
話し合おうじゃないか・・・ロウ君。」
「く・・・!」
「・・・だめ。」
二人の間に、ジェンニが入ってくる。
「まだいたのか! しかも・・・始祖十家
ではないか! ジェンニ・コッコ! 貴様の
魔法では私に敵わんとわかっているはずだ!」
「ぼく、まけない。テロリストたおす。
せんぱい、まもる。」
ジェンニの手に光が集まる。
「んんん・・・キイントタハティ!」
周りにいた魔物が次々と
霧散していく。
「・・・幼くとも始祖十家というわけか。
いいだろう。我が手にかかるか、
共生への道を歩むか決め・・・」
間ヶ岾の体中に鎖が巻き付く。
「・・・ぐ・・・こ、これは・・・
動かん・・・!」
「・・・と言いつつ・・・動いてる
じゃねーです・・・か。」
風子の言葉通り、ロウに向かって
僅かながらに動いていた。
「・・・タ、タイコンデロガの足止めくらいは
できる魔法ですよ、これ・・・。氷川ー!
ウチは間ヶ岾の動きを制限するのが限界です!
・・・任せ、ましたよ!」
「は、はい・・・!」
「なるほど、まだ実力者がいたようだな。
だがロウ君。この状態でも生徒を何人か
殺すことはできる。」
巨大な口から息を漏らし、
周りの学園生を見る。
「君が首を縦に振れば、何もかも丸く収まる。
どうするね?」
そう言う間ヶ岾の顔に砲撃が当たる。
「・・・神宮寺め、目障りな連中だ。来い!
君ならば、私と同じ視点に立てる!」
「生憎だが、お断りだ。てめえの言うこと
聞くくらいなら、死んだ方がマシだ。」
吐き捨てるように言うと、ロウは
中指を立てる。
「自らの役目を放棄するというのか。
霧の真実も、人類の未来も捨てて愚かな
仲間と共にするというのか!」
「ああ。今の俺には、そっちの方が価値がある。」
「ならば結構! 学園の者を皆殺し、君と
二人になったところでまた語らおう!
その時には、君の考えも変わっているはずだ!
・・・ぐぐ・・・オオオオオオォォ!」
「つかさ、合わせろ!」
「合わせるのは貴様だ!」
間ヶ岾に虎千代、つかさの攻撃が
叩き込まれる。しかし、かすり傷の
一つもつかない。
「効いてない・・・な・・・。」
「これは・・・さらに成長するのか・・・。」
「くそ・・・!」