グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第281話 新たな措置

生徒会室

 

「・・・それは・・・本当なのか・・・?」

 

「ネネ、がんばったんだよー。いろーんな

 人にお話聞いて・・・がんばってせっとく

 したんだから。」

 

寧々から告げられた言葉に虎千代は

驚きを隠せない。

 

「いや、しかしグリモアの最高責任者とはいえ

 制度を簡単に変えることなど・・・」

 

「できたのー! うそだと思うんなら理事長に

 聞いてよ! 虎千代ちゃんは、来年も

 生徒会長です! 学園長めいれい!」

 

びしっと虎千代を指さす。

 

「その・・・ただ単に、一年を繰り返すから

 続投する、という意味とは違うんだな。」

 

「じかんていし? ううん、ちがうよ!

 ぜーんぜん関係ないし、虎千代ちゃんは

 卒業するけど、生徒会長なの!」

 

「・・・・・薫子・・・薫子を呼んでくれ。

 アタシには何が起きているのかさっぱりだ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校門

 

この日、つかさとクエストに向かっていた

ロウが帰ってきていた。

 

「んじゃあ、報告は俺がしとくから

 戻って・・・・・んん?」

 

『あーあー、マイクテスト、マイクテスト。』

 

校内放送で虎千代の声が響く。

 

『全員、作業を止めて聞いてくれ。突然で

 すまないが、重大発表がある。』

 

「・・・重大発表とは、また突然だな。

 面白い。なにを言うのか、じっくり

 聞かせてもらおう。」

 

『戦力を増強し、テロリストを壊滅させ、

 裏世界とは違う歴史を作る・・・それが

 アタシたちの使命だ。もう条件はほぼ

 整っているといえる。あと一点、

 第8次侵攻を乗り切れば・・・・・』

 

 

 

 

 

 

「・・・そりゃいーですね。動いて

 くれたんですか。」

 

薫子から事前に話を聞いていた風子は

胸をなでおろす。

 

「ええ。あなたが学園長に力説した、

 とも聞きましたが。」

 

「アンタさん方にとってもいーことでしょ?

 武田虎千代が、合法的に残るなら。」

 

「・・・生徒会長になりたくないですか?」

 

「・・・ウチは、裏世界で失敗してますからね。」

 

 

 

 

 

『そこで、アタシもさっき知ったのだが、異例の

 措置がなされた。アタシたち最終在籍年度の

 生徒は通常、今年で卒業し、就職する。

 だが・・・今年は卒業したうえで、学園に残る。』

 

 

 

 

結希の研究室

 

ここでは、放送を結希、卯衣が聞いていた。

 

「・・・生徒ではなくなるのね。生徒のまま

 残ると、何か不都合があるのですか?」

 

「それだと留年になるから、不都合がないとは

 言えないわね。魔法学年の留年は、6年経っても

 魔法の制御ができなかったという意味だから。」

 

「それは言葉上の意味であって、本質では

 ないのでは?」

 

「そうだけど、それでも好ましくないのは

 確か。慣習は面倒くさいわね。」

 

 

 

 

 

『グリモアに軍隊が創設され、アタシたちは

 そこに就職するという形をとる。立場上は

 執行部所属・・・つまり、精鋭部隊の

 上位組織だ。』

 

 

 

 

 

精鋭部隊詰所

 

「なんか・・・上位組織って言われると

 ムカツクわね。」

 

「珍しいな。同意見だよ。」

 

月詠と焔は虎千代の言葉に少し

イラッとしていた。

 

 

 

 

『ただこれはあくまで対外的にそうする、

 というだけの話だ。内部的にはこれまでと

 同じ学園生として扱うことにする。

 その上で・・・アタシが来年度も

 生徒会長を務めることになった。』

 

 

 

 

 

校門前

 

「・・・・今の話だと、まさかその軍隊

 ・・・私も含まれているのか?」

 

「そうなるだろ。しかし、随分

 大胆なことしてきたな・・・。」

 

 

 

 

 

『なおこの措置は、また一年を繰り返した

 場合は無効だ。そしてあくまで、次の年度に

 限る・・・つまり、第8次侵攻を乗り切る

 ための措置だと考えてほしい。最終在籍年度の

 生徒は、後でアタシの所に来てくれ。

 意思確認をする。後日、また書面で詳細な

 通知を行う。学園の制度が変わることも含め、

 全員に関係がある。熟読してくれ。以上。』

 

 

 

 

 

報道部部室

 

「・・・お疲れ様。来年度も君は生徒会長だ。」

 

鳴子は小さく拍手する。

 

「今でもアタシは、水無月に引き継いだ方が

 いいと思っている。」

 

「当の水無月君が画策したんだろ? なら

 それが彼女にとって都合がいいんだ。

 なにせ自分が生徒会長になるチャンスを

 逃してまで、だからね。」

 

「・・・どういうことだ? 来年度末には

 本当に水無月に引き継ぐつもりだぞ。」

 

「だって君、彼女は今16歳だよ。時間が

 進むと、6月で17歳。その次は最終在籍年度だ。

 君が生徒会長を引き継いでも、一年しか

 会長職を務められない。」

 

合点がいかない虎千代を呆れながら笑う。

 

「・・・慣例では、2年以上続けられる生徒が

 望ましいんじゃないのかい?」

 

「とにかく、テロリストの大半をなんとかできた。

 時間停止の魔法がどうなるかにもよるが・・・

 ロウが、第8次侵攻を乗り切れるかどうかに

 大きく関わってくる。」

 

拳を強く握る。

 

「これまで頼りっぱなしだった。世界中の

 人間がロウを殺そうとしても、アタシたちが

 守るぞ。」

 

「いいね、それ・・・でも僕は、ちょっと

 別件がある。先にそれを片付けるよ。」

 

「・・・別件?」

 

「間ヶ岾が無策で突撃してきたとは思わない。

 何かあるはずだ。双美君と組んで、

 ネットワークを監視するよ。」

 

 

 

 

 

数日後

 

天文部部室

 

この日、結希が天文部を訪ねていた。

 

「わ、我がNASAに行くのか!?」

 

「ええ。ちょうどスケジュールが空いて

 いたから。一週間くらいかかるのだけれど、いい?」

 

「一週間・・・! ほ、他の円卓の騎士たちは!?」

 

不安そうに周りを見る。

 

「卯衣には来てもらうわ。でもほかの人たちは・・・。」

 

「心は遊佐と仕事、梓も何か頼まれごとが

 あるようじゃ。」

 

「で、でも恋は・・・」

 

「わっちは復興支援の絵画展に行かなければ

 ならないんじゃ。一日だけなんじゃが、

 ちょうど被ってしまってのう。」

 

「そ、そっか・・・。」

 

他の部員たちは来ないと知り、肩を落とす。

 

「天文部だから、宇宙に興味があると思ったの

 だけれど・・・。」

 

「わっちらのことは気にするな。それとも・・・

 一人は寂しいか?」

 

「さ、寂しくなんてない! 行く!」

 

「土産話を期待しておるぞ。ふふふ。」

 

 

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