グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第283話 合体魔法?

ケープ・カナベラル

 

「・・・現在、沿岸付近から新たな魔物が

 出現しているわ。動きは遅いけれど、

 この場所に向かって進行しているのは

 間違いない。」

 

作戦を立てるため、ロウたちは集まっていた。

 

「予測される最大数が全て、NASAを襲った場合

 ・・・無傷で守り切ることは困難。」

 

「じゃ、じゃあ展示室が壊れちゃうのか!?」

 

「いえ、そこは元から外しているわ。」

 

「そ・・・それじゃあ・・・」

 

「それじゃあだめよ!」

 

月詠が声を荒げる。

 

「ここでツク達がしっかり守ったら、NASAの

 人たちに感謝されるかも・・・。結希がツク達を

 連れてきたのって、こういう時のためなんでしょ!?」

 

「あいつがそういう交渉をするとは思えねえが・・・。」

 

「けれど、魔物が現れた時のため、というのは

 守谷さんと同意見よ。この施設が壊されたら、

 交渉も何もなくなってしまう。」

 

「ならやっぱり守らなきゃ!」

 

「案ずるな! 我がここにいるからには、

 魔物など一体も近づけさせはしない!」

 

「・・・えーと・・・自分は立華氏が

 一番的確だと思いますねー・・・。」

 

だるそうに手を挙げる自由。

 

「あんまり無茶を通すってのは好きではなく・・・

 とはいえ、このまま帰るのもシャクでは

 あるというか・・・・・どーしましょ。」

 

「そうだな・・・とりあえずは・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

「・・・魔物はみんなに任せて、交渉を

 続けましょう。魔物が現れて以来、人類には

 解決できていない謎が数多い。」

 

騒がしくなっていた上役たちは徐々に

静かになる。

 

「私たちは謎の一端を解きほぐす可能性が、

 宇宙にあると知った。地球を防衛するために・・・

 私達を、宇宙に行かせてほしい。」

 

 

 

 

 

「とりあえずは、優先順位をつけてくぞ。」

 

デバイスで地図を映し出す。

 

「そうっすね。展示場は結構離れてるから・・・

 発射台や格納庫を優先する、でいいっすかね。」

 

「ええ。魔物の動きは鈍い。少し撃ち漏らしても

 少量なら米軍が対処できる。ヒーローが

 こちらに向かっているとの情報もあるわ。」

 

「そりゃ頼もしいっすね・・・。」

 

「・・・ねえ、魔物は一定範囲内から

 出てきてるのよね?」

 

地図の一地点を扇子で指す。

 

「なら、ツクたちがそこに行って、魔物が

 広がる前に倒したり弱らせたりできない?」

 

「そうなると、大量の魔物を相手することになる。

 魔力は俺がどうにかするが・・・手が足りねえ。」

 

「でも、出現地点から離れるほど、魔物は

 広がるじゃない? いちいち移動して

 倒していく方が手が足りないと思わない?」

 

「うーむ・・・一理あるっちゃあるっすけど・・・。」

 

3人はしばらく考え込む。

 

「どちらも前提として、私たちの戦力が

 足りないことが挙げられる。それを解決

 しなければ、防衛は失敗するわ。」

 

「やっぱそうなっちゃいますよね~・・・。」

 

「もっと大人数で来れば、悩まなくてすんだのに・・・。」

 

「読んだらすぐ来てくれる便利な人って

 いないっすかね?」

 

「確かNASAには始祖十家のエルベシア・マッタが

 いるはずだが・・・」

 

「今も出てこないということは、外出して

 いるのかしら。」

 

「ちっ。」

 

「か~! こんな時に限って!」

 

苛立ちからロウは強めに舌打ちし、

自由は頭を掻く。

 

「近くにいるなら、呼び出しましょ!」

 

「間に合うなら、米軍、ヒーローとともに

 連絡があるはず。あまり期待しない方が

 よさそうだわ。」

 

「合体魔法だ!」

 

ミナが目をキラキラさせながら言う。

 

「・・・合体魔法?」

 

「合体魔法?」

 

聞き覚えのない言葉に、首をかしげる。

 

「4人で協力して、強力な魔法を使うんだ!」

 

「強力な魔法を協力して、強力にするための

 協力をするんですね!」

 

「え? な、なんて・・・?

 ・・・・・・そ、そうだ!」

 

「ていうか、何、合体魔法って! そんなの

 知らないわよ!」

 

「ただ同属性の魔法を同時に使うだけ。

 特別なことじゃないわ。タイミングが合えば、

 威力が飛躍的に上がる。その事象を、

 部長は合体魔法と呼んでいるの。」

 

「あー・・・相乗作用か・・・。でも、あれって

 狙ってやるものじゃないでしょ!」

 

ミナの狙いはわかったが、その難易度を

知っているからか、月詠は声を荒げる。

 

「得意魔法が被ってなきゃいけないし、

 タイミングもシビアだし・・・正直、

 久造のパーティでできるとは思えないんだけど・・・。」

 

「もともと、我とアートフィシェル・ハートの

 タイミングはバッチリだ! だからお前たちは

 我らに合わせればできる!」

 

「・・・とりあえず、一度やってみればいい。

 失敗したら、他の方法を考えるぞ。『ROOM』!」

 

周囲に青色のドームを張る。

 

「う・・・ま、まあ失敗しても戦況が悪くなる

 わけじゃないし・・・。ダメ元でやって

 みましょう。」

 

「よし! では我に続け! 風の魔法だ!」

 

「うぇ・・・風って苦手なんすけど・・・。」

 

「準備はできたな! 狙うのはあそこの

 海岸だ!」

 

「『シャンブルズ』!」

 

ミナが指さした場所に魔物を集める。

 

「私がカウントダウンを行う。正確に

 3秒数えるから・・・みんな、それに合わせて。」

 

「はいはい! それって、3・2・1、どーん

 ですか? それとも、3・2、どーんですか?」

 

「321どーんよ! 普通そうでしょ!?」

 

「普通っていうほど普通じゃないっすよ。」

 

「ええい、321どーんだ! それでやるからな!

 アートフィシェル・ハート! 始めろ!」

 

「わかったわ。それじゃあ・・・3・・・

 2・・・1・・・」

 

「「「「どどーん!」」」」

 

4人が魔法が放たれるが、1つにまとまらず

魔法が4回、魔物に当たるだけになった。

 

「・・・し、失敗だ!」

 

「どどーんってなってたわよ!? 誰か

 早かったでしょ!?」

 

「いちいち揉めるな。元々成功の確率は

 低かったんだ。さっき言った通り、

 いったんばらけて、施設を守るぞ!」

 

「発射台が一番危険。けれど、他のところも

 放っておけないわ。」

 

「範囲が広いから、全員で同じところ行ってたら

 間に合わないわね・・・。米軍と協力するっての

 どう? それなら、一か所に一人でいいかも。」

 

地図のそれぞれの重要地点を指さす。

 

「ひ、一人!? ええと、ええと・・・ま、

 魔力がなくなったらどうするのだ!」

 

「私がロウ君を運ぶわ。空を飛んで、魔力の

 足りないところに行く。」

 

「つままれナントカみたいっすね・・・。」

 

「じゃあそれで決まり! 話してる間にも

 狙われるわ。行きましょ!」

 

月詠の言葉の後、3人はそれぞれの

場所に向かった。

 

「・・・ロウ君。あなたに話があるの。

 あなたに判断してほしい情報。」

 

「なんだ、卯衣。」

 

「部長が珪素生物と名付けた魔物だけれど・・・

 NASAの施設と同時に、あなたを狙っていると

 考えられるわ。」

 

「・・・俺をだと?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・なぜ、マッタがいないの? この有事に

 始祖十家の彼女がいない理由は?」

 

周りを見て、始祖十家が姿を見せない

理由を結希は尋ねた。

 

「彼女がNASAを離れて、すぐに戻って

 これないのは・・・もしかして、何かが

 起きているの・・・?」

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