グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第28話 ロウと義人

「・・・・おっさん?」

 

「よっ。」

 

なんでここに・・・。

 

「あの、お知り合いですか?」

 

「ん・・・ま、まあな・・・。」

 

若干引きつりながら答える。

 

「おいおい、つれねえこと言ってくれるな!」

 

肩をパンと叩く。

 

「いってえ・・・。」

 

「おおっと、こっちはロウの

 友達か?俺は、及川義人。よろしく。」

 

「あ、はい!南智花です!」

 

ぺこりと頭を下げる。

 

「そんなに頭下げなくてもいいぞ、

 こいつには。」

 

「だーれがこいつだよ。」

 

ロウの足を思い切り踏む。

 

「ぐあっ!? てめえ・・・!」

 

「ああ? やんのか?」

 

ポキポキと手を鳴らす。

 

「ふ、二人とも!?

 風紀委員が来ちゃいます!」

 

「・・・それはそれで面倒だな。

 今日は見逃してやるよ、ロウ。」

 

「こっちのセリフだ、おっさん。

 つか、なんでこの学園にいんだよ?」

 

「ん? ああ、言ってなかったな。」

 

懐からタバコを取り出そうとする。

 

「ここ禁煙だぞ。」

 

「・・・くそ、まあいい。

 俺が来たのは、あれだよ。」

 

外の白い小屋のようなものを指さす。

 

「なんだあれ?」

 

「学園警備の名目で俺があそこに

 駐在することになったんだよ。ったく、

 他の若い奴にやらせりゃいいものじゃねえか・・・。」

 

「え、け、警察の人なんですか!?」

 

「・・・俺そんなに警察の人間に見えねえのか?」

 

「ああ、チンピラに見える。」

 

ぼそっとロウが言う。

 

「くっそ、ってことで、俺は

 これからこの学園にいることが多いから

 よろしくな、ロウ、智花ちゃん。」

 

ニッと笑い、去っていった。

 

「ふふ、面白い人ですね!」

 

「そうか?」

 

「はい! ・・・ところで・・・

 お二人はどうやって知り合ったんですか?」

 

「・・・昔いろいろあってな。」

 

若干口ごもる。

 

「そう、ですか・・・。」

 

「さて、帰るか。」

 

「え?」

 

「これから帰るんだろ?

 早く行くぞ。」

 

「///あ、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

教室

 

「え、ロウさん、来てないんですか!?」

 

授業の終わった智花は

職員室に呼び出されていた。

 

「では、これを渡せばいいんですね?」

 

「ああ、頼めるかな?」

 

プリントの山を手渡す。

 

「はい!」

 

返事をした智花は

職員室を出た。

 

 

 

 

 

<智花、移動中>

 

 

 

 

男子寮 ロウの部屋前

 

「えっと・・・ここだよね・・・。」

 

プリントを持った智花は

部屋の前でうろうろしていた。

 

「ろ、ロウさ~ん?」

 

軽くノックするが

返事が来ない。

 

「いないのかな? ・・・・え?」

 

ドアノブに手をかける。

すろと、鍵がかかっていないようで

ドアが開く。

 

「ロウさ~ん?」

 

「んん・・・。」

 

部屋の奥から

何かの声がした。

 

「・・・! ロウさん!」

 

奥の机でうつ伏せに

寝ていたロウを発見する。

 

「寝てる・・・のかな?」

 

肩を軽くたたく。

 

「・・ん・・。」

 

「ロウさーん! 起きてください!」

 

肩を思いきり揺らす。

 

「ん・・・ふあ~あぁ。」

 

大きく欠伸をする。

 

「あっ! やっと起きました!」

 

「南・・・お前どうやって入った?」

 

「玄関のドア開いてましたよ?」

 

玄関を指さす。

 

「ああ・・・閉め忘れたか。

 んまあ、ちょうどよかった。」

 

机の引き出しを開け、

何かを取り出し、それを

智花に向ける。

 

「へ?」

 

ロウが向けたのは

拳銃だった。

 

「あ、あ、あのこれって・・・。」

 

「・・・・。」

 

にやりと笑い、

ゆっくりと引き金を引く。

 

「!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ビヨヨ~ン

 

 

 

 

「え?」

 

拳銃からあまりしないような音が

する。

 

「・・・うん、こんなとこか。」

 

机の上のパソコンを

開き、何かを打ち込み始める。

 

「あ、あの・・・。」

 

「ん? ああ、これか?

 この銃は俺が作ったパーティーグッズだ。」

 

「ぱ、パーティーグッズですか!?」

 

「これはその第一号だ。もうちょっと

 改良するか。」

 

銃を再び机の引き出しにしまう。

 

「さて・・・で、なにか用か?」

 

「! そ、そうでした! これ、

 今日の授業で配られたプリントです!」

 

「授業・・・? ・・・・今何時だ?」

 

きょろきょろと

時計を探す。

 

「今は・・・夕方の4時です。」

 

「夕方・・・? 朝の4時まで

 起きてた記憶はあるはずだが・・・。」

 

「そんなに起きてたんですか!?」

 

「12時間は寝たか・・・・。

 ・・・とりあえず、コーヒー飲むか。」

 

コーヒーを沸かし、

マグカップにそそぐ。

 

「・・・はあ、寝起きは

 ブラックコーヒーに限るな。

 お前も飲むか?」

 

「いえ、ブラックは苦手で・・・。」

 

「そうなのか。俺は一日一本は飲まないと

 イライラするくらいのコーヒー中毒でな。

 ・・・あ。」

 

何かを思い出したロウは

冷蔵庫を開け、探り始める。

 

「どうしたんですか?」

 

「いや、実はこの前里中が来てな・・・。」

 

「花梨ちゃんが?」

 

「ああ、段ボールに大量の野菜を

 詰め込んできてな・・・。」

 

「そ、そうなんですか・・。」

 

「・・・くそ、しょうがねえ。

 これ使って軽くなんか作るか。」

 

そう言い、野菜を

キッチンに運ぶ。

 

「作れるんですか?」

 

お前ほどひどくはないがな・・・。

 

「んまあ、簡単なものだけだ。」

 

慣れた手つきで

野菜を切り始める。

 

 

 

 

 

 

 

10分後

 

「よし、できた!」

 

テーブルの上には

チャーハンと野菜炒めが

並んでいた。

 

「うわあ・・・おいしそうですね!」

 

「だったら少し食うか?」

 

「え、でもこれ、ロウさんが・・・。」

 

「久しぶりに作ったから、味付けが

 ちょっと不安でな。」

 

「毒見ですか!?」

 

「そう言うな、ほれ。」

 

チャーハンを一口すくう。

 

「あの、これ・・・。」

 

「? 何やってる早く食え。」

 

「///ええ!?」

 

ロウは全く意図せず、

『アーン』の状況にする。

恐る恐る口を開ける。

 

「ほい。」

 

智花の口にチャーハンを入れる。

 

「///!! とってもおいしいです!」

 

「おお、そうか!」

 

チャーハンをすくい、ロウも食べる。

 

「うん、まあまあだな。

 ・・・てか、なんで口抑えて顔赤くしてんだ?」

 

「///あ、そ、それは・・・・。」

 

「?」

 

「///し、失礼ししました!!」

 

駆け足でロウの部屋を出て行った。

 

「・・・なんだあいつ。」

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

放課後

 

「あれ、南のやついないんすか?」

 

「あ、ああ・・・調理室で

 腹痛で倒れてたらしい。」

 

「・・・腹痛?」

 

腹痛の原因を知ったのは

少し先のことだった。

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