グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第301話 パルチザンと第8次侵攻

旧魔導科学研究所

 

「きぃー! 照準がずれたわ!」

 

デウス・エクスから放たれた

攻撃は魔物のすぐ近くに当たり、

それを見た魔物は逃げ去っていった。

 

「こんなミスするなんてありえない!」

 

「まあ、当たれば倒せただろうな。」

 

「・・・そう。一応参考にしておくわ。

 アンタ、ベテランだものね。」

 

「そりゃどうも。・・・ひとまず、

 逃げた奴を追うか。」

 

「ええ。科学が発展する瞬間ってのを

 見せてあげるわ!」

 

 

 

 

 

 

 

学園

 

魔法使いの村

 

「・・・君たちの世界、確かに見せてもらった。」

 

「ええ・・・魔物を倒してくれて、ありがとう。」

 

コズミック・シューターこと

ジェイソンがさらを含めた

パルチザンの面々と会っていた。

 

「しかし、そっちにはまだムサシが

 いるんだな。・・・なんとかしたいが。」

 

「さすがにそこまで頼るわけにはいかないわ。

 私達の世界は、私達で守らなければ

 いけないもの。」

 

「・・・また会おう。」

 

ジェイソンは魔法使いの村から

離れた。その入れ違いに虎千代がやってきた。

 

「・・・待たせた。ここまで遅くなったことを

 謝罪する。」

 

裏の聖奈は首を横に振る。

 

「十年耐えてきたんだ。数か月程度、

 苦ではない。そちらの事情も

 なかなか面倒になっていると。」

 

「ああ。まずは情報共有といこう。」

 

 

 

<虎千代、説明中>

 

 

 

「時間停止の魔法とやらが解けて、

 これから半年後に第8次侵攻が来る。

 それは間違いないんだな?」

 

「間違いない・・・と考えている。実際は

 まだわからない。何しろ3年も繰り返して

 いたからな。これから先は全く予想できない。

 ただ、第8次侵攻が来ると決め打ちして

 行動する。それがグリモアの方針だ。」

 

「まあ、そうするしかないだろうな・・・。

 しかしそうなると、私たちについて

 どうこうできるような余裕はないだろう?」

 

不安そうに話を聞くパルチザンの

面々を見る。

 

「それについてだが、グリモアは今年に

 入って軍を創設した。」

 

「軍・・・?」

 

「卒業生が所属するグリモアの私設軍隊だ。」

 

「卒業生を軍隊に・・・また危ういことを

 したな。いや、そちらの学園の立ち位置を

 考えれば、不可能ではないか。」

 

「国連軍や国軍からは随分と嫌味を言われたよ。」

 

疲れたようにため息をつく。

 

「しかし学園長の根回しのおかげで、

 創設自体はスムーズにできたそうだ。」

 

「・・・それで、もしかして私たちに?」

 

「そうだ。軍とは言っても、まだ4人。

 アタシはあまり活動できない。アタシ達は

 レジスタンスを受け入れる用意がある。」

 

「・・・・・・。」

 

虎千代の提案に裏の聖奈は

しばらく考える。

 

「・・・私達に、どのようなメリットがある?」

 

「時間はかかるが、こちらでの暮らしを

 約束する。同時に、お前たちとアタシ達は

 一心同体となる。あらゆる戦いに同行する。」

 

「つまり・・・吸収されるわけね。そちらの

 戦力としてこき使われるというなら、

 ごめんよ。」

 

「・・・私達が軍に入らなければ、協力関係を

 解消するという話ではあるまい?」

 

裏のさらが否定的であるが、

聖奈は提案を聞いていく。

 

「ああ。どちらにしろ、希望者はこちらの

 世界で受け入れる方針だ。だがそのために

 戦える者が軍に入ってくれる方が説得

 しやすい、という話だ。実際、戦力が

 ほしいのは事実だからな。」

 

「もちろん、協力するわ。でもそれは、

 私達の世界も救うということが前提。

 約束は守ってもらえるんでしょうね?」

 

「そちらの世界も、同じ人類だ。いずれは

 どちらの世界からも魔物は駆逐しなければ

 ならない。そうだろ?」

 

「軍関係の話はみんなの意見を聞く必要が

 ある。第8次侵攻までは時間があるだろう?

 いったん持ち帰るぞ。」

 

「ああ。それと、けが人や病人がいたら

 申し出てくれ。命に関わるほどなら、

 先にこちらの病院に入院させる。」

 

「・・・ええ・・・それは・・・助かるわ・・・。」

 

裏のさらの目に涙が浮かぶ。

 

「・・・ありがとう・・・。」

 

「・・・いい。まだ予断を許さない状況で

 あることに変わりはない。お前たちに

 聞きたいことがあるしな。先日、ロウが

 第8次侵攻中のそちらへ行った。霧の嵐に

 巻き込まれてな。」

 

「・・・え?」

 

「第8次侵攻中・・・あの時、彼が・・・?」

 

自分たちが知らない事実に

二人は体を震わせる。

 

「そうだ。その時に、記録では死んでいたはずの

 音無と野薔薇・・・そして撤退後に脱走し

 死亡したと思われる間宮と共に街を脱出したそうだ。」

 

「な、なんだそれは・・・知らんぞ。野薔薇の

 3人も音無も、あの街で死んでいるはずだ!」

 

「・・・確か聖奈、あなたは宍戸を避難させる

 ために前線にはいなかったんだったな。

 誰か、当時街にいた人間に聞いてほしい。

 音無たちが生き残った可能性を・・・。」

 

「・・・あったとしても・・・。」

 

「・・・歴史が変化していたとしても、

 あまり・・・うれしく思えないわね。」

 

「何?」

 

さらの思わぬ言葉に虎千代は驚く。

 

「私は音無さんの亡骸を見たときに、心に

 湧いた思いを覚えているわ。それが

 無かったことになる、ということでしょう?

 今の私が変わってしまうということでしょう?」

 

「・・・それは・・・。」

 

「・・・一応、確認してみる。それと

 今度ロウ君に会わせて。詳しく話を

 聞きたいから。」

 

 

 

 

 

 

その頃

 

天の攻撃によって、最後の魔物が消えていく。

 

「・・・よし! 霧散を確認! 帰るわよ!」

 

「ったく、せわしねえ奴だな。」

 

「とりあえず車の中で、ある程度の

 メモを取って、帰ったら早速・・・・・」

 

天の言葉が急に止まる。

 

「? どうした?」

 

「・・・ちょっと待って。何かおかしいわね。」

 

少し頭を押さえる。

 

「魔力を使い過ぎかしら。体調がおかしい

 ような・・・。」

 

「普段より魔法を使ったからじゃないのか?

 あんまり無理するな。」

 

「大丈夫よ。そこまで深刻じゃあないから。

 アンタは気にしなくていいわ。さ、

 車に乗るわよ。ちょっと横になれば、

 元気になるから。」

 

「・・・なら、すぐに帰るか。」

 

 

 

 

 

 

数時間後

 

「うー・・・まだだるい。反動が

 少ないからって、調子に乗っちゃったわ・・・。」

 

「ったく、結局か・・・。とっとと

 治しとけよ。」

 

軽く欠伸をする。

 

「はぁ・・・中国行く準備、しなきゃ・・・

 期日までにタスク片付けて・・・。」

 

その後結局天は一日休んだ。

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