グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第305話 新手

「明鈴、今ヨ!」

 

「フン、ハァ!」

 

小蓮、明鈴の連携により、

魔物は倒れ霧散していく。

 

「これで3体目・・・まだまだ物足りないネ!

 明鈴、次ヨ次!」

 

にらみを利かせ、次の魔物へと

向かっていく。

 

「・・・なんだ、二人とも強くなったじゃないカ・・・。」

 

その様子を万姫はわずかながら

寂しげに見ていた。

 

「何ぼうっとしてんだ?」

 

「うほぁ!?」

 

後ろから声を掛けられ、驚き

背中をのけぞらせる。

 

「ろろロウ! アナタ、まだいたのカ!」

 

「まだ魔物がいるからな。んで、どうだった?

 二人は。」

 

「フフン! 小蓮と明鈴がなんぼのものヨ。

 アイツら、二人がかりでもワタシに

 勝ったことないネ。我が功夫がどれほどか

 久しぶりに見せてやるのことヨ。」

 

そう言うと、万姫は魔物に向かっていく。

 

「フン! ハアァ! ・・・リャン!」

 

次々と魔物を蹴散らしていく。

 

「むぐ・・・やっぱり速いネ・・・。」

 

「小蓮! 気にしてもしょうがないアル!」

 

「そ、そうだヨ。ワタシたちは街を

 守るネ。万姫が魔物倒すなら、それで

 いいじゃないカ。・・・ムムム・・・。

 ・・・・やっぱりダメネ!」

 

しばらく悩み、万姫をキッと見る。

 

「明鈴! 絶対、万姫よりたくさん倒すネ!

 度胆抜かせてやるネ!」

 

「もー、しょうがないなぁ・・・。」

 

魔物に向かっていく小蓮に

明鈴は呆れながらついていく。

 

「なんだべ、小蓮。張り切ってるっきゃ。」

 

「そうですね。どうやら周万姫さんと魔物の

 討伐数を競い合っているようです。」

 

「討伐数? ははあ、そういや、ずっと

 対抗心燃やしてたすけな。」

 

万姫にずっと張り合っていた小蓮を

思い出す。

 

「けどよ、相手は始祖十家だっきゃ?」

 

「そうですねぇ・・・では、わたくしも

 お手伝いいたしましょうか。」

 

「魔物倒せば、その分安全になるすけな。

 ロウも今の所大事なさそうだすけ、

 おらも加勢するべか。」

 

「パー、キュウ! シィッ!」

 

その間にも万姫は次々と

魔物を倒していく。

 

「んふ。見てたカ? まあまあ、ワタシに

 かかればこの程度の魔物、紙を折る

 ようなものネ。しかし、本当に魔力が

 回復しているヨ。アナタの力、本物ネ。」

 

「そりゃどうも。」

 

「我が清ロ魔法学園に来たら、すぐにでも

 老師になれるガ、どうだ?」

 

「悪いが、グリモア離れる気はねえよ?

 てか、回復はいいのか?」

 

「雑魚相手なら魔法を使うまでもないネ。

 子供の時から功夫高めてるヨ。魔力で

 強化された肉体があれば・・・魔物と

 戦うには十分ヨ。」

 

「ぜー・・・ぜー・・・ロウ、魔力・・・は!」

 

小蓮がロウに魔力をもらいにくるが、

隣の万姫に気づき、顔をしかめる。

 

「あーら小蓮。アナタ、もう魔力尽きちゃったカ?

 それで何体倒したのヨ?」

 

「10体ヨ。みんなでだガ。」

 

「嘘ついてもいいことないヨ?」

 

「嘘ついてどうするネ。すぐ戻ってマシロたちの

 加勢するヨ。それに万姫! アナタが魔法

 使わないのは、細かい魔法が苦手だからデショ!」

 

「ドキッ。」

 

図星だったのか、余裕の笑みを浮かべていた

万姫の表情が崩れる。

 

「だだっ広いとこならドカンとできるが

 壊しちゃいけない建物だらけネ。こっちは

 武術も魔法も使ってるネ。そこが差に

 ならないといいガ?」

 

小蓮はましろたちの所に戻ろうとする。

 

「ん、魔力いいのか?」

 

「いらないヨ。無理したのはワタシだからナ。

 病み上がりのアナタに負担かけるわけには

 いかないネ。明鈴、行くヨ。」

 

「ったく・・・。」

 

呆れつつも、ロウは小蓮、明鈴の魔力を

回復させる。

 

「・・・あ・・・シェ、謝謝・・・。」

 

「ありがとなのだ! 小蓮、待ってー!」

 

「しゃ、小蓮め・・・ワタシの秘密を・・・。

 こうなったら容赦しないヨ。絶対に

 討伐数、負けないカラナ!」

 

小蓮を追いかけ、万姫は魔物に

向かっていく。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・あれ?」

 

ミナは辺りを見回して、首をかしげる。

 

「ふぅ・・・これ、ミナ。そんなとこで

 突っ立っておると危ないぞ。」

 

「恋・・・魔物、もういない?」

 

「うむ。どうやら全て、倒してしまったようじゃな。」

 

「え、ええー!? もう終わり!?」

 

ミナの大声がこだまする。

 

「あ、あまり大きな声を出すな。いいではないか。

 魔物の襲撃など、早く終わるに越したことはない。」

 

「そ、そうだけど・・・でもこれまでに

 比べてもずっと少ないぞ!?」

 

「偵察終わりましたー。」

 

偵察を終えた梓と卯衣が戻ってくる。

 

「街の近くにはもう魔物はいないっぽいッスね。」

 

「空から見ても、魔物の反応は確認できなかったわ。」

 

「え、ええと・・・ネット上にも、新たな

 出現報告はありません・・・すみません・・・。」

 

梓、卯衣、心の報告にミナはポカンとする。

 

「も、もう終わりなのか・・・そっか・・・

 なんか拍子抜けかも。」

 

「そりゃアレっすよ。元々、街に攻め込んできた

 数は少なかったんです。タイコンデロガも

 始祖十家の魔法で弱ってたところを軍が

 倒したっていうし・・・こんなもんじゃないですか?」

 

「うーん・・・でもなんか、変な気分だ・・・。

 ・・・あれ? 目が・・・。」

 

ミナは何か違和感を感じたのか、

目をゴシゴシとこする。

 

「うわ!? な、なんかいっぱい地面から

 出てきてるぞ!」

 

「・・・魔物の反応です。」

 

「え? ど、どこッスか?」

 

「『ここ』。正確には、上海市内。規模は

 先ほどの数倍・・・いえ、もっと多い。」

 

 

 

 

 

 

「どーよ! ツクの実力、思い知った!?」

 

作戦が成功したのか、月詠は

はしゃぎまくっていた。

 

「あーウゼ・・・さっきからずっとあんな

 調子だ。」

 

「ウゼー・・・・・。」

 

その様子に焔とメアリーはうんざりしていた。

 

「・・・・・。」

 

そんな中、エレンは地面を注視する。

 

「ん? なんだ、地面が・・・・・・!

 おい守谷! 新手だ!」

 

「へっ?」

 

新たに現れた魔物は月詠に攻撃を

仕掛けるが、メアリーがそれを迎撃する。

 

「・・・ちょ、ちょっと・・・今、

 ツクのこと狙った!?」

 

「当てるようなヘマするか! さっさと

 状況を把握しやがれ! ケッ・・・

 これまではお遊びだったってワケかよ。」

 

 

 

 

 

 

「・・・というわけで、市内全域に

 魔物が出現しました。」

 

「嫌な予感はあたるものだな・・・。」

 

聖奈からの報告に虎千代はため息をつく。

 

「よし。中国軍、清ロ魔法学園の生徒に

 連絡しろ。改めて、各所の連携を強化するぞ。」

 

「わかりました。学園生の配置はそのままで

 いいでしょうか。」

 

「ああ。まだ慌てるような数じゃない。

 腰を据えて対処するようにと、全員に

 通達してくれ。」

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