グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
あっさりと終わらせました。
2月14日
この日、学園の男子たちは少し殺気立っていた。
しかし、そんな中、全くいつも通りの
男が1人いた。それは・・・
「・・・なんか妙に気が立ってんな。」
相田ロウである。
「おはようだぜー! ロウ!」
「ん、亀ノ助。やけにテンション高いな。」
「いやだから俺うさg・・・もういいやめんどくせえ・・・。」
「で、なんでそんなテンション高いんだ?」
「ええ? そりゃあお前・・・。」
兎ノ助はにやりと笑う。
「今日はバレンタインじゃねーか!」
思い切りロウの肩を叩く。
「ばれんたいん? なんだそれ。」
「・・・・・はぁ!?」
「うるせえぞ。」
あまりにうるさいので耳をふさいだ。
「お前マジで言ってんのか!?」
「ああ。そんなにおかしいか?」
「世の中で知らねえ奴お前ぐらいだぞ・・・。」
「そんなもんなのか・・・で、
どういう日なんだ。」
「それはだな・・・。」
兎ノ助はロウに耳打ちした。
「・・・チョコレート?」
「そうだ!」
「それ面白いのか?」
「あったりまえだろ! てか、まあ
今日一日でわかる! 行け!!」
学園の校舎を指さす。
「んだよそれ。ったく・・・。」
ロウはスタスタと歩いて行った。
<ロウ、移動中>
「せんぱぁ~い!」
「ん?」
呼ばれたため、振り返る。
「ああ、七喜か。」
「おはようございますぅ。」
「はい、おはよう。」
軽く欠伸をしながら挨拶をする。
「先輩、これどうぞぉ!」
綺麗にラッピングされた箱を差し出す。
「・・・?」
訳が分からずとりあえず受け取る。
「えへへ、じゃあ、私は教室に
行きますねぇ~。」
そう言って、スキップしながら
教室に向かった。
「・・・ほんとに渡すのか。」
さっきまで兎ノ助の話を一切信じていなかった。
「・・・・・・。」
ひとまずカバンにしまい、教室に向かった。
昼休み
「あぁ~くそ・・・疲れた・・・。」
机に伏せる。
「まったく、休み時間ごとに何人来たんだか・・・。」
休み時間に自由、もも、ノエルと次々に来たため、
ロウのカバンはチョコレートでぎゅうぎゅうに
なっていた。
「・・・少し消費するか。」
チョコを数個取り出す。
「・・・やっぱいったん部屋に持ち帰るか。」
取り出したチョコをしまう。
「持ち帰りがてらカップ麺食うとするか・・・。」
朝より重くなったカバンを抱え、
ロウは教室をでる。
「あ、ああああの、せせせ先輩!」
「んん?」
教室の扉のそばで
秋穂が立っていた。
「どうした、瑠璃川。」
「あ、ここ、これ、チョコレートです!
受け取ってください!」
ハート型の箱を差し出した。
「は、早く受け取ってください!」
「? なんでだ。」
「お、お姉ちゃんが来ちゃうので・・・!」
「・・・あいつ来ねえぞ。」
「・・・え?」
後ろを見るが誰かのいる気配はない。
「・・・お姉ちゃん・・・?」
「ほらな?」
「で、では・・・受け取ってください。」
「ああ。」
箱を受け取ろうとする。
「あ、でもこれは、私だけじゃなくて・・・」
「?」
「わたしたちからのプレゼントということで
よろしくお願いします!」
「・・・あ、ああ・・・。」
・・・わたしたち、ね・・・・。
夕方
屋上
「うっぷ・・・・。」
放課後、ロウは部屋に持ち帰った
チョコを全て食べようとしたが
さすがに限界になり、屋上で一休みしていた。
そばにはブラックコーヒーの缶が2個ある。
「やべぇ・・・・。」
「・・・ロウさん?」
「・・・ああ、南か。」
ロウに声をかけたのは智花だった。
「よくここだとわかったな。」
「ロウさん、いつもいるじゃないですか。」
「まあな。」
置いてあったコーヒーを飲む。
「・・・あ、あの、ロウさん・・・。」
「・・・ん?」
・・・まさか・・・。
ロウの予感は当たった。
「こ、これ、チョコレートです!」
「やっぱりか・・・。」
「が、がんばって作ってみました!」
・・・終わった・・・。
「・・・そ、そうか、ありがとな。」
恐る恐るそれを受け取る。
「・・・んじゃあな。」
「あれ? もう戻るんですか?」
「・・・ああ、ちょ、ちょっとな・・・。」
「そ、そうですか。では、また明日です!」
「ああ、また明日。」
・・・覚悟を決めるか。
翌日、ロウは授業を休んだ。
しかし、ロウがさらに
てんてこ舞いとなるのは、この1か月後である。
寮
ロウの部屋
「・・・さて、どうにかして片すか。」
カバンからチョコレートを
取り出していく。
「・・・・ん?」
カバンの底にあった箱に気づく。
「こんなんあったか・・・?」
送り主の正体を知ったのは少し先の話である。