グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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風邪にかかり、予定より3日も遅れました・・・・


ロウのクリスマス2017

12月某日

 

学園

 

教室

 

「・・・・・・。」

 

ロウは窓の景色を見ながら

ぼーっとしていた。

 

「どーっすかな・・・。」

 

「なにかあったの?」

 

「うぉ!?」

 

急に声がしたのでびっくりする。

 

「ひゃ!?」

 

「なんだ、松島か。驚かすなよ。」

 

「そ、そういうつもりじゃなかったんだけど・・・。」

 

「ったく・・・。」

 

「まぁ、そんなことよりー」

 

「そんなことって・・・。」

 

少しあきれる。

 

「いやー、もうすぐクリスマスだよ! クリスマス!

 もう予定って、決まってる? ロウ君は人気者だから

 とっくに埋まってそうだなぁ・・・・。」

 

「人気かどうかは知らんが、予定はある。」

 

「・・・やっぱり。本当に埋まってるんだ。

 さすがロウ君って感じだね。」

 

「さすがって言うのか?」

 

「・・・ね、ねぇ? どんな予定? やっぱり・・・

 デートとか?」

 

「パーティの手伝い。」

 

「・・・へ?」

 

みちるは上ずった声になる。

 

「? 聞こえなかったか? パーティの手伝いだ。」

 

「それって、仕事じゃん! 学園のでしょ?」

 

「そりゃそうだろ。」

 

「クリスマスまで仕事って・・・君はそれでいいの?」

 

「それでいいかって言われてもねぇ・・・。」

 

そう言いながら、窓の外を見る。

 

「だってさ! せっかくのクリスマスだよ?

 1年に1回だよ? パーっと遊びたい! って

 思うのがふつーだと思うのがふつーじゃない?」

 

「そういうもんなのか?」

 

「私は絶対にそうだと思うだけどなぁ。」

 

「って言われたところで、俺にはどう過ごすか

 よくわからん。」

 

やれやれ、というように頭を横に振る。

 

「まあ、そういう私も予定ないんだけどねー。」

 

「人のこと言えるのかっての。」

 

「あはは・・・・。・・・あっそうだ! それじゃあさ、

 当日以外ならどう?」

 

「? どうって?」

 

「遊びに行くの。2人で!」

 

「そういうことか。まぁ、特に予定はないしな。

 いいぞ。」

 

「ほんとに? じゃあ決定ね! 行ってみたい

 お店があるんだ!」

 

「それはよかった。どこに行けばいいか、さっぱり

 わからなかったからな。」

 

「・・・それあんまり言わないでほしかったなぁ・・・。」

 

みちるは頬を少し膨らませる。

 

「まあ、いいや。それじゃ、忘れちゃダメだからね!」

 

びしっとロウを指さす。

 

「他の予定も入れないでね! 絶対! 当日になって

 ほかの予定が・・・とかナシだからね!」

 

 

 

 

 

 

 

パーティ数日前

 

 

「お待たせー!」

 

「ああ、まあまあ待ったな。」

 

「そこは『いや、今来たところだよ』じゃないの?」

 

みちるは頬をふくらませる。

 

「実際待ったからな。」

 

「うっ・・・。・・・・おお?」

 

ロウをじろじろと見る。

 

「? どうした?」

 

「いや、ロウ君にしては明るい色の

 マフラーだな~って。」

 

ロウの首の赤いマフラーをじっと見る。

 

「ん? ああ、これか。去年のクリスマスに

 もらったんだよ。」

 

「ふふふ、なんかうれしいなぁ。」

 

「何がだ?」

 

「だっていつもと違うって、特別じゃない?」

 

「・・・特別ねぇ・・・。」

 

つぶやきながら空を見る。

 

「? どうかしたの?」

 

「いや、なんでもねぇよ。」

 

「そっか。それじゃあ、街に繰り出そー!」

 

 

 

<ロウ、みちる、移動中>

 

 

 

 

「やっぱり綺麗だね! クリスマスの

 イルミネーションって!」

 

「・・・・・・。」

 

「・・・? ロウ君?」

 

ロウの目の前で何度も手を振る。

 

「・・・! 今なんかしゃべったか?」

 

「あ、う、うん・・・。」

 

「わるいな。こういうところは来たことが

 なかったからな。」

 

「そうなの? お父さんとかお母さんとかとは?」

 

「親はとっくの昔に死んだからなぁ・・・。」

 

「・・・ご、ごめんね?」

 

きまずくなり、ロウから目をそらす。

 

「あ・・・まあ、気にするな。もう慣れてる。」

 

「う、うん・・・。」

 

「・・・ん、おっと。」

 

「ひゃ!?」

 

みちるは急に手をつかまれ、引っ張られる。

 

「///なななな、なに!?」

 

「いや、人とぶつかりそうだったからな。

 伝えるのも面倒だったから引っ張った。」

 

「///あ、そそそそうなんだ!」

 

「・・・顔赤いぞ。どうした?」

 

「///いいいいいや!? なんでもないよ!?」

 

顔と手をブンブンと横に振る。

 

「そうか。思えば南もこんな感じだったな・・・。」

 

「え? 智ちゃん?」

 

「去年の話だ。」

 

「・・・もしかして、そのマフラー・・・・。」

 

「ああ。あいつからもらった。」

 

「・・・そ、そう、なんだ・・・。」

 

徐々に声が小さくなる。

 

「? どうした?」

 

「な、なんでもない・・・ちょっと、あったかい

 飲み物買ってくる。」

 

ふらふらと歩いていく。

 

「・・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・。」

 

みちるは顔をうつむき、ベンチに座っていた。

 

「そうか・・・智ちゃん・・・。」

 

「なにぶつぶつ言ってるんだ?」

 

「うひゃあ!?」

 

驚きで飛びのく。

 

「な、なんで・・・。」

 

「いや、歩くのが遅くてな。すぐ追いついたぞ。」

 

「そ、そう・・・。」

 

「まあいい。ほれ、行くぞ。」

 

手を差し出す。

 

「え・・・?」

 

「行きたいところがあるんだろ?

 多分それだと思う雑誌がカバンから出てるぞ。」

 

「あっ!」

 

急いで雑誌を押し込んでしまう。

 

「遊びに行くっつったのはお前だろ。

 早く行くぞ。」

 

「えっと・・・その手って・・・。」

 

「人も多くなってきたからな。」

 

「・・・・・うん。」

 

そっとロウの手を握る。

 

「さて、行くか。」

 

 

 

<ロウ、みちる、移動中>

 

 

 

 

「えっと・・・あ! あったあった! あのお店!

 スイーツバイキングなんだけど、すごくたくさん

 あるでしょ?」

 

「確かにすごい量だな。」

 

2人が着いた店は多くの人でにぎわっていた。

 

「実はここ、この時期カップルで来店すると

 半額なんだぁ。」

 

「だから俺誘ったのか。」

 

「そっ。えへへ・・・。今日は甘いものたくさん

 食べて・・・もうちょっと歩き回ろ? ね?」

 

「・・・ああ。そうだな。」

 

・・・こういう楽しみ方もあるか。

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