グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第32話 もう1つの世界

クエストから3日後

 

「こりゃひどいな。」

 

ロウの目の前には

荒廃した光景が広がっていた。

 

「これが向こうの世界か・・・。」

 

 

 

 

時間を少しさかのぼり

 

生徒会室

 

「地下の魔導書がほかの世界への

 入口だと?」

 

「ああ。」

 

ロウは虎千代から

生徒会室に呼ばれていた。

 

「・・・本気で言ってるのか?」

 

半ば冗談だと思っている。

 

ほかの世界って・・・。

 

「本当だ。それは『ゲート』と呼ばれ、

 そこから霧が入り込んでる。」

 

「んなことがあるとはな・・・。

 まあ、魔法があるんだから

 もう一つの世界くらいはあるか。」

 

「ずいぶん開き直ったな。

 とにかく、ロウ。一緒に来てほしい。

 お前の能力が必要だ。」

 

「言われずとも行くつもりだ。

 てか、そこまで必要なのか?」

 

「向こうは少なくとも、

 ここのように平和じゃない。

 魔力補給ができるお前の力が必要に

 なってくる。」

 

なるほど・・・。

 

「ああ、わかった。んじゃあ準備してくる。」

 

「頼んだぞ。」

 

 

 

 

 

 

そして

 

もう一つの世界

 

「さて、会長。どうすればいいんだ?」

 

「そのことだが・・・。」

 

「?」

 

「どうやら、つかさが単独行動を

 とっていてな。無理をさせないように

 朱鷺坂と一緒に合流してくれ。」

 

「獣かあいつは。」

 

ため息をつく。

 

「そういうことよ。」

 

「ん、朱鷺坂か。」

 

「あら、チトセと呼んでも

 いいのよ?」

 

「あいにく人を呼ぶときはほぼ

 苗字って決めてんだよ。」

 

「ふふ、残念。」

 

「んなこと言ってねえで

 早くいくぞ。」

 

「はいはい。」

 

しかし・・・なんだ、この妙な

感覚は・・・・。

 

 

 

 

 

地下

 

「ふむ、地下か。こんなところがあるとはな。」

 

つかさは

ここに来る途中、十数体の

魔物を倒していた。

 

「本当に強いわね・・・見くびってたわ。

 肉体強化だけで倒すなんて意味わかんない。」

 

「相変わらずだな・・・。で、ここに

 なにかあんのか?」

 

「何かではなく、魔物だ。

 いる。息をひそめた強者がな。」

 

野生の闘争本能だな・・・。

 

「ええ、確かにいるわ。これまでに比べて

 はるかに強い魔物が。」

 

「本当に要るとは、とんだ本能だ。」

 

「おそらく、タイコンデロガね。

 これ以上は危険ね。1度報告しに戻りましょう。」

 

「勝手に行け。このまま進む。

 貴様の命令に従う理由はない。」

 

「そうはいかないわ。会長さんから無理を

 させるなと言われてるの。」

 

「そういうことだ。お前がこっちに従わないなら

 こっちも従う気はないぜ?」

 

鞘から刀を少し出す。

 

「ほぉう、やる気になったのか。

 ならば、始めるか。」

 

「はあ・・・。」

 

「そういうことじゃないんだがなぁ・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

数十分後

 

「ふぅ・・・ったく、余計に

 疲れた気がするな。それに・・・。」

 

3人の目の前には

数匹の魔物が立ちふさがっていた。

 

「くくく、地下深くから魔物がやってくる。

 邪魔をするなよ。」

 

「かなり多いわ。さすがにそれは聞けないわね。

 それに、地上に出すわけにもいかない。

 私も戦うわよ。」

 

手に青い炎を浮かべる。

 

「不要だ! 離れないのならせめて

 見ているだけにしろ!」

 

「そうはいくかっての。『ROOM』!」

 

 

 

 

 

そのころ上では

 

「しかし、この辺りは徹底的に破壊

 されてますね。戦いがあったのか・・・

 どちらにせよ、それほど時間は経っていないようですね。」

 

「姫殿、そろそろ戻られる時間に

 ございます!」

 

「・・・そうですわね、一度戻りましょうか。」

 

 

 

 

 

「ちぃ・・・!」

 

一体一体が強いな・・・。

 

「『ラジオナイフ』!!」

 

周りの魔物を切断する。

 

「くっ、邪魔をするな!」

 

つかさも魔物を吹き飛ばす。

 

「! これは・・・・。」

 

あまりの衝撃により、

大きな音が響く。

 

 

 

 

 

再び上では

 

「・・・・?」

 

「む? 今の音は・・・。」

 

そのとき、突然姫が立っていた

地面が崩れる。

 

「きゃあっ!!」

 

地下に落ちる。

 

「ひ、姫殿!!」

 

「お嬢が落ちた・・・・え!?

 なんで!?」

 

「あ、ああ・・・・。」

 

自由が刀子に近づく。

 

「み、自由! 人を呼んで来い!

 拙者は行くぞ!!」

 

「ちょ、タンマ! 魔法使わず飛び降りちゃ

 ダメでしょ!すぐに国軍と

 立華氏呼んでくるんで!!」

 

 

 

 

 

 

地下

 

「む、崩落が起きたか。」

 

「こんだけ派手に暴れればそりゃ

 こうなるな。」

 

「・・・あら、あの子。」

 

「姫殿ー!!」

 

大声を出し、汗をかいた

刀子が走ってきた。

 

「支倉か、どうした?」

 

「お、お主ら、姫殿を見なかったか!?」

 

「野薔薇さんのこと?」

 

「左様! 崩落に巻き込まれて

 落ちてしまわれた!!」

 

「なに!?」

 

「・・・この先が岩と土砂でふさがった。

 このあたりにいないなら向こう側だな。」

 

岩と土砂の壁を指さす。

 

「!! い、今すぐにでも!!」

 

「瓦礫を魔法で吹き飛ばすのはあまり

 得策じゃない。わき道からぐるりと

 回りましょう。」

 

「それしかねえな。」

 

 

 

 

「姫殿ー!!

 どこにおられるかー!」

 

「ったく、次々とわいてくるな。

 『タクト』!!」

 

地面をトゲ状に隆起させる。

 

「その分、彼女のもとに向かう魔物が

 少なくなるのはいいことだけれど・・・。」

 

「構わん、もっとさわげ。

 私も腕の振るいがいがある。」

 

「まったく、結局こうなったか・・・。」

 

「姫殿ーー!! ・・・・!!」

 

倒れている姫を発見する。

 

「ひ、姫殿! 刀子が参りましたぞ!」

 

「うぅ・・・・。」

 

「! これは・・・!」

 

姫の足が岩に挟まっていた。

 

「くそ・・・『タクト』!!」

 

足を挟んでいた岩を浮かせる。

 

「朱鷺坂、治療を頼む。」

 

「ええ、もちろん。」

 

「ど、どうか姫殿を・・・・。」

 

「大丈夫よ、命に別状はないし、

 けがも治るわ。彼の魔力があるからね。」

 

ピピピ! ピピピ!

 

「ん? ・・・・服部か。

 てかデバイスつながるのか。」

 

『もしもーし、どーもっす! 先輩!』

 

「服部、どうした?」

 

『これから、ふくぶちょーがみなさんの

 ところに階段を作りますんで!』

 

「階段?」

 

ロウが首を傾げたその時、

灰色の階段が現れる。

 

「!!」

 

「これで出られるわね。」

 

 

 

 

 

「・・・ああ! 久しぶりの地上だ。」

 

地下から出たロウは

伸びをする。

 

「南条、助かった。」

 

「気にするでない。とはいえ・・・むぅ・・。」

 

話す途中でうつぶせで

倒れてしまう。

 

「!? 南条!?」

 

「きっと魔力を使い切ったのよ。

 これだけの階段を作るなら、

 相当の魔力を消費したはずよ。

 ロウ君、魔力の補充よ。」

 

「了解。」

 

 

 

 

 

それから数日、調査が続いた。

 

「しかし・・・・うん・・・・。」

 

「? ロウさん? どうかしました?」

 

高台から景色を見ていた

ロウに智花が話しかける。

 

「・・・なあ、南。」

 

「はい?」

 

「俺はここに来た時から

 1つ思っていたことがある。」

 

「なんですか?」

 

「なぜかはわからんが、ここには

 来たことがあるような・・・。」

 

「えぇ!?」

 

「地面の感触も、どうも最近に

 来たような・・・・・・なわけねえか。」

 

高台からぴょんと飛び降りる。

 

「うーん・・・・・・べぷ!?」

 

何かにつまずき、転ぶ。

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

「くそ・・・。」

 

はみ出ていた黒い板の

ようなものにつまずいたようだ。

 

「危ねえな・・・ったく。」

 

ロウはその板を拾う。

 

「ずいぶん汚れてんな。」

 

汚れを手で払う。

 

「ん? これは・・・・・

 ・・・・!!」

 

板に書かれた文字を見て

ロウの目は大きく開く。

 

「? ロウさん?」

 

「・・・・ここは・・・・」

 

「?」

 

「ここは・・・風飛だ。」

 

「・・・え?」

 

「これを見ればわかる。」

 

拾った板を渡す。

 

「!? こ、これって・・・・。」

 

 

 

 

 

 

 

「それで、見つけたものはなんだ?」

 

板を拾ったロウは

虎千代、メアリーに報告していた。

 

「・・・これだ。」

 

拾った板を手渡す。

その板には

『私立グリモワール魔法学園』と書かれていた。

 

「な、なんだこれは!!」

 

「おい、なんだよこれは。」

 

「それはこっちのセリフだっての。

 一体、どうなってんだよ。」

 

「・・・遊佐のところに行くぞ。」

 

 

 

 

「遊佐! なんで何も言わなかった!」

 

「ゲートの先がもう一つの風飛があるなんて

 信じてもらえると思うかい?まあ、自分で

 気づけたぶん、感動もひとしおだろ?」

 

「相変わらず変な趣味してるぜ・・・・。

 んで、お前は何か探してたのか?」

 

ロウたちの調査中、

鳴子は探し物をしていた。

 

「まあ、予想通り見つからなかったけどね。

 運が悪かった。」

 

運・・・?

 

「・・・お前が以前訪れた裏世界とは

 ここのことなんだな?」

 

「その通り、僕は事故でここに来たんだ。

 ある人に拾われて魔法使いとしての

 訓練を受けた。」

 

「それ、人間だろうな?」

 

「れっきとした人間だよ。僕らと同じのね。

 だが、侵攻を防げずずっと数を減らし、

 細々と生きるしかない、哀れな敗北者たちだ。」

 

「そう・・・だったか・・・。」

 

まったく、さらに面倒なことに

なってきたな・・・・。

 

 

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