グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第3章 裏からの言伝
第33話 相性


裏世界調査からしばらくして

 

「まったく、余計に面倒なことが起こった・・・。」

 

ロウの面倒なこととは

虎千代達の卒業のことだった。

 

「あいつらの卒業今年だったか・・・・

 去年だったか・・・。」

 

いまいちはっきりしねえ・・・。

 

「まあ、その辺は宍戸や遊佐に

 任せとくか。」

 

俺は俺でいろいろあるしな。

 

「・・・そろそろ時間か・・・。」

 

 

 

 

 

 

風飛市 廃ビル

 

「んで、何かわかったか? おっさん。」

 

「ああ・・・とはいえ、そっちで

 つかんでることと大体一緒だ。」

 

すい切ったタバコを携帯灰皿に捨てる。

 

「阿川奈で死んだ男の名は、間ヶ岾昭三。

 霧の護り手の幹部だ。」

 

「やっぱりそうか。」

 

「だが、天羽鉄舟とつながってる

 証拠は出てこなかった。公安も

 調べてみたが、一切ない。」

 

「本当につながっていないのか、

 それとも・・・・・。」

 

「とにかく、もうちょい調べてみる。

 それと、学園見張りにももうちょっと行くか・・・。

 てか、ロウ、なんかあったか?」

 

「ああ、いろいろな。」

 

大きくため息をつく。

 

「んまあ、がんばれ。」

 

軽く背中をポンポンと叩く。

 

 

 

 

 

翌日

 

校門

 

「あ、兎ノ助。おはよー。」

 

「ん、なんだみちるか。」

 

「なんだってなによー。フレッシュな転校生

 なんだからもっと構って?」

 

「この学園じゃ転校生として入学するのが

 普通だからな。みんな慣れっこだよ。」

 

多少呆れる。

 

「で、どうだ? 魔法学のほうは

 ついていけてるか?」

 

「通常教科は楽なんだけどね。

 転校の時の検査であんまよくなかったし、

 先行き不安だなぁ・・・。」

 

「お前も極端な体質だからな。

 あ、そうだ。そろそろ初クエストだぞ。」

 

「ええ!? で、でも魔力量が

 少ないからすぐにバテちゃうのに・・・。」

 

「まあ、その辺は大丈夫だ。捨てる神あれば

 拾う神ありってやつだ。ちょうどいい

 パートナーがいる。ほら、あそこだ。」

 

「ん?」

 

兎ノ助が指さした方向を見る。

 

「ったく、あんまりくっつなって。」

 

「えぇ~? ええやん! 朝から

 ダーリンに会えるなんて、ほんま

 ラッキーやわ~!」

 

ロウに香ノ葉が抱き付いていた。

 

「ええと・・・抱き付いてる人が?」

 

「いいや・・・・抱き付かれてる方だ。」

 

兎ノ助の歯ぎしりの音が聞こえる。

 

「ん・・・・ああ、うなぎか。」

 

「いやだから兎だっつってんだろ!

 そろそろその間違えるやつやめろ!!」

 

「定番にしていくつもりだ。」

 

「もっとやめろー!」

 

「んじゃ、教室行くぞ。」

 

「ほなな~。」

 

「・・・・ちくしょう。」

 

小さな拳を握りしめる。

 

「それで、あの人は何がすごいの?」

 

「その辺はクエストに出てみりゃあ

 わかる。あいつが在籍一年未満だからって

 甘く見るんじゃないぞ?数々の修羅場を

 くぐってきてる。」

 

「・・・・ち、近づかないほうがいい人なの?」

 

「人の話を聞け。」

 

 

 

 

 

 

 

「まったく、今日もクエストか・・・。

 ほぼ授業出てねえ・・・まあ、

 寝てるからいいか。」

 

「ごめんね、ちょっと遅れちゃった!」

 

「今日の相手か。相田ロウだ。ロウと

 呼んでくれ。」

 

握手のため、手を差し出す。

 

「あ、さっきぶり、だよね。

 私、松島みちるっていうの。」

 

「さっきぶり? ・・・会ったことあったか?」

 

「えぇ・・・・今朝校門の前で会ったよ!」

 

「今朝・・・・すまんわからん。」

 

「うぅ・・・やっぱりあんまり

 目立ってないんだぁ・・・。」

 

体育座りでいじけ始める。

 

「ま、まあ気づかなかった俺が

 悪かった! だから、とりあえず落ち着け。

 なっ?」

 

「う、うん・・・。

 よ、よーし! そんじゃあ、出発しよっか!」

 

「・・・・・。」

 

変わりようが早いな・・・。

 

 

 

<ロウ、みちる、移動中>

 

 

 

 

「へえ・・・魔法がほとんど使えない代わりに

 魔力譲渡か・・・・すごいね!」

 

「いまだに実感はないがな。」

 

「すごいよ! わたしはこれといって

 特徴がないからさぁ。うらやましいなぁ・・・。」

 

「にしたって・・・・! とまれ。」

 

手をかざして止める。

 

「? え? え?」

 

きょろきょろとあたりを見回す。

 

すると、2人の前に魔物が現れる。

 

「『ROOM』!」

 

青色のドームが囲う。

 

「な、なにこれ!?」

 

「『切断(アンビュテート)』!!」

 

目の前の魔物が真っ二つになる。

 

「・・・すごぉい!!」

 

「まだいるぞ。」

 

魔物が3体、とびかかる。

 

「ど、どりゃぁー!!」

 

巨大な炎が出てくる。

 

「うお!?」

 

ロウにも当たりそうになり、

何とかかわす。

 

「はぁ~。」

 

疲れから一気にへたり込む。

 

「疲れすぎだろ。」

 

「仕方ないの! 私ね、一発の威力は

 すごいんだけど、魔力が超少なくて

 一発しか撃てないっていう・・・しんどいでしょ?」

 

「セーブしてみたらどうだ?」

 

「そうなったら魔力が少ないだけに

 なっちゃうんだ・・・・あれ?」

 

「どうした?」

 

「ロウ君、たしか、魔力がすごい多くて

 しかも受け渡しできるんだよね?」

 

そういい、ロウの手をつかむ。

 

「ああ。」

 

「てことは、今日はまだ何発も

 撃てるってこと!? すっごい!」

 

「そういうことだ。さて、魔力を渡す。」

 

「ええと、どうやってもらえばいいのかな?」

 

「特にすることはないぞ。そっちが

 受け入れる態勢ができていればいい。」

 

「あっ、そうなんだ。手をつなぐ・・・とか

 だったら恥ずかしいじゃん?」

 

「そうなのか?」

 

「・・・抵抗ないんだね。そうゆうの。」

 

少し目をそらす。

 

「?」

 

「と、とにかく! 魔力をもらわないと・・・!

 受け入れる・・・受け入れる・・・・!」

 

「・・・。」

 

みちるに向かって手をかざす。

 

「ひゃっ!? な、なんか・・・ん、終わった。

 今のが?」

 

補充を終えると

また魔物が現れる。

 

「よっし! じゃあもう1回やってみるよ!

 どりゃー!!」

 

巨大な炎が魔物を包み込む。

 

「すげえ威力だな・・・。」

 

「あつつ・・・やけどしちゃった。

 調子乗りすぎちゃったかも・・・。」

 

戦闘服が少し焦げていた。

 

「慣れるまで時間かかるかも・・・。

 でもさでもさ!私たちって結構いいコンビに

 なりそうじゃない!?」

 

ロウの肩をぐっとつかむ。

 

「もっとパーティ組んでみようよ!

 そうすれば私も・・・。」

 

「あー待て待て。松島。」

 

「え?」

 

「これを見てみろ。」

 

そういってデバイスを取り出し、

スケジュール表を出す。

 

「な、なにこれ!? ほとんどびっしり

 埋まってる!?」

 

「俺もいろいろと忙しくてな。」

 

「なにそれ・・・人気っていっても

 ほどがあるでしょ・・・・・・じゃあ、

 空いてるとこでいいから、私予約ね!」

 

「ああ、わかった。」

 

「絶対またパーティ組むからね!」

 

「『注射(インジェクション)ショット』!」

 

「え、ちょっと!?」

 

急な攻撃にとっさに伏せる。

 

後ろには魔物が接近していた。

 

「ふぅ・・・危なかったな。」

 

にやりと笑う。

 

「う、うん・・・。」

 

(なんでだろ、ちょっとドキドキしてる・・・。)

 

「さあ、終わったしとっとと帰るぞ。」

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