グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
「相田ロウー!! どこだー!!」
つかさがロウの名前を叫びながら走っている。
「ったく、付き合ってられるかっての。」
そのロウは物陰に隠れていた。
「・・・よし、行ったか。」
つかさが通り過ぎたところを
確認し、物陰から出る。
「んん? おおっ、少年か。」
「!? なんだ、東雲か。驚かすな。」
「なんだとはなんじゃ。まあ元気そうで
なによりじゃ。たまには顔を見せてほしいがの。」
「あいにく、俺はいろいろと忙しいんだ。」
「天羽のことか?」
「・・・まあな。」
若干口ごもる。
「まあ、いいわ。そこに口挟む気は
ないしのう。それより、そこでなにを
しておったのじゃ?」
「生天目に追いかけられてたんだよ。
『勝負しろー!!』っつって。」
「なるなるほどほど。あの戦闘好きに
追いかけられるとは難儀なものじゃ。」
「まったくだ。めんどくせえ。
・・・・だが・・・。」
「んん?」
「ここにきてずいぶん経つが、一つ
気づいたことがある。」
「なんじゃ? 暇つぶしがてら聞いてやろう。」
「そうか、少し聞いてくれ。ばあちゃん。」
「そうそう、おばあちゃんの知恵袋的に
回答を導き出して・・・って、
誰がおばあちゃんじゃ!!」
「はいはい。で、俺が気付いたこと。
それは・・・。」
「ほうほう。」
「全然、魔法を使えていない気がする。」
自分の両手を見る。
「そういえばそうじゃのう・・・。
魔法学は受けておるのか?」
「逆にそれくらいしか受けてないぞ。
通常教科は出なくてもわかる。」
「訓練所で訓練は?」
「暇を見つけては行ってる。」
「うーん・・・。」
腕を組み悩み始める。
「そうさなー・・・妾が少年の修行を
見てやらんこともないが・・・・
・・・・ぶっちゃけめんどいのでパスじゃ。」
「ぶっちゃけたな、おい。」
「ま、まあ、少年がどうしてもっていうなら
考えてあげても、いいんだからね!」
「・・・どうした急に。」
「むぅ・・・・少年にツンデレは刺さらんのじゃな。
ちくしょうめ。」
「まずツンデレってなんだ?」
「ぐぬぅ・・・そこからか。まあよい。
一度貴様の戦闘技量を見てやろうか。」
「! それって・・・。」
「模擬戦闘をしようと言うておるのじゃ。」
アイラはにやりと笑う。
30分後
山奥
「なるほどのぅ・・・。
少年の現状、大体理解したわい。」
「ぐ・・・ああ・・・。」
ロウはぼろぼろになって
倒れていた。
「まあはっきり言ってしまえば、
魔法以外での戦闘なら、超優秀じゃ。」
「魔法以外ね・・・。」
「動き、基礎体力、なぜか戦闘経験値は
かなり高い。ただ、魔法の使い方だけは
最低ラインじゃの。」
「やっぱりそうか。」
「魔法だけならまあ妾でもどうにかなるか・・・。
じゃが、ほかにも教えを請うとよい。
ドイツ軍人やイギリス騎士とかにの。」
「ああ、わかった。」
若干ふらつきながら
戻ろうとする。
「おっと、その前に少年。」
「ん?」
「助言の見返りとして少年の血を
いただくが、かまわんかの?・・と
言ってももう抵抗できまい。さんざん
痛めつけたしの。」
「な、くそ、ふざけんな・・・。」
ゆっくり後ずさる。
「ふふふ・・・・にゃは♪
お兄ちゃんの血、いっただきまーす!」
かぷっと、音を立て、
ロウにかみつく。
「ああ・・・・うああああ!!!」
ロウの叫びがこだました。
学園
「うっほほ♪ 妾の肌、つっやつやじゃ♪
赤子のようにもっちりじゃ。」
「そりゃ・・・よかったな・・・。」
「ごちそうさまじゃぞ、少年。おお、
ちょっと、青白い顔がエロいぞ少年!」
「うれしくねえよ! ・・・ああ。」
まだふらふらする・・・。
「まあ、魔法に関しては努力すれば
そのうち強くなれるだろうよ。」
「そうか・・・。」
「ではの、少年。ま、大いに悩むといい。
学生とは悩むのも仕事のうちじゃ。」
「わかったよ。・・・ひとまず
あいつに会ってくるか。」
ロウは校舎の中に入っていった。
「ふむ、少年がどう成長するか、
楽しみじゃな。」
「おや、東雲アイラじゃねーですか。」
「んん? おお、水無月か。」
「どーも。それで、どうです?」
「何がじゃ?」
「彼のことですよ。相田ロウさん。」
「特に変わったことはないが・・・・
何かあったのか?」
「いえ、彼に少しきな臭い動きが
あったので、風紀委員で調べてるだけです。」
「・・・どうゆうことじゃ?」
廊下
アイラと別れたロウは
ある生徒を探していた。
「さて、あいつは・・・。」
きょろきょろと周りを見る。
「ええと・・・・おお、いたいた。
おおい、アメディック!」
ロウが探していたのはエレンだった。
「ん、ロウか。どうした?」
「お前に一つ頼みがある。」
「それが人にものを頼む態度か?」
「ずいぶん言ってくれる・・・・。
まあ、たしかにそうだ。」
ゆっくりと頭を下げる。
「・・・お願いします。俺を、
・・・鍛えてください。」
「・・・・・ほぉう?」
思ってもない提案に
少し声が上ずる。
「魔法に一切伸びがない俺じゃあ、
いずれ、この先死ぬこともあるかもしれない。」
「・・・・・。」
「だから、・・・・頼む。」
「・・・いいだろう。」
「!!」
「この私が直々に教官を務めてやろう。
もちろん軍隊式だ。授業のような
生ぬるい教え方はせんぞ!」
「それぐらいじゃないと困る。」
「ひとまずは、この週末はないものと思え。
血反吐を吐いて、死ぬまでしごいてやる。」
「了解。」
「サーをつけろ! 今から貴様は
私の部下だ。」
警察駐在所
「へえ、お前が人に教えを
講うとは珍しいな。」
「言ってくれるな・・・・。てか・・・・
疲れた・・・・。」
血吸われた上に、たくさんしごかれたしな。
「にしても、なんで自分から
頼んだんだ?」
「・・・表向きはこの学園のためだ。
だが・・・・本音を言えば、
やつから・・・・・」
途中で話をやめる。
「? どうした?」
「ちっ、また見張りだ。」
「相当警戒されてんな。」
「今日は戻る。本当に疲れたんだ。」
少しふらふらしながら
ロウは寮に戻った。