グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
学園
廊下
「ふぅ、食った食った。」
食堂で味噌ラーメン2杯を
平らげたロウは教室に戻っていた。
「あっ! ロウさ~ん!」
「ん、仲月か。どうした?」
「あのぉ、たつきさん見ませんでしたかぁ?」
「たつき? 誰だそれ。」
首をかしげる。
「ロウさんと同じクラスと聞きましたよ?」
「見たことないな。」
「あれぇ、そうなんですか。
あ、では、ロウさんもたつきさんを
探してくれませんかぁ?」
「ええ・・・めんどくせえなあ・・・。」
「お願いしますぅ!」
少し目に涙を浮かべながら
ロウに抱き着く。
「ちょ、待て! わかったわかった!」
「! ありがとうございますぅ!」
そういって去っていった。
「まったく・・・。さて、その
たつきとやらを探すか。」
「くそ・・・全然見つからねえな・・・。」
30分近く探し回ったが
姿かたちも見えない。
「・・・一応あいつに聞くか。
よぉ、エロウサギ。」
「誰がエロウサギだ!」
「お前しかいねえよ。」
「くそ、なんでお前みたいなのが・・・!」
「何の話だ?」
「いやこっちの話だ。で、何の用だよ。」
「たつきって奴知らねえか?」
「たつき・・・・・ああ、
朝比奈龍季か。」
手をポンと打つ。
「朝比奈・・・・どっかで聞いたような。」
「あいつなら少し前に見たぞ。
・・・・おっ、あいつだあいつ。」
兎ノ助が指さした方向には
女子生徒が1人歩く姿があった。
「あれか。わかった、んじゃあな。」
「ちょ、少しくらいは感謝しろ!」
校門前
「おーい。」
「ああ? なんだよ。」
ロウに声をかけられ、
龍季はロウをにらむ。
「お前が朝比奈龍季か?」
「だとしたら何の用だよ。学内最悪の
不良と呼ばれてる俺を一目見ようと
やってきたってことか?」
「ああ、あいにくそんな暇じゃない。」
「んだと?」
「ところで、口にくわえてるそれ。」
「あ?」
龍季の口の白い棒を指さす。
「たばこか?」
「はあ? ったく、よく見ろ!
棒付きのキャンディだよ、キャンディ!!」
「何が学内最悪の不良だよ。
態度が少し悪いくらいのもんじゃねえか。」
「てめえ・・・! んなこと言いに来るだけだ
ってんなら楽しいことにしてやろうか・・・!!」
「はいはい。・・・ん? なんか毛ついてるぞ、
袖に。」
「ああ、この毛かよ。どうでもいい。
ただの犬の毛だっつーの。てか、お前
何の用なんだよ。まさか喧嘩売りに来た
わけじゃねーだろ。」
「・・・・ああ、そうだそうだ。
仲月がお前を呼んでたぞ。」
目的忘れるところだった・・・。
「さらが? ・・・へ、へっ!
なんで俺があいつなんかに呼び出されねえと・・・
いいか、言っとけ!あいつと俺じゃ釣り合わねんだってな!」
釣り合う?
「こっちゃ天下の一匹狼だぜ。ハムスターと
一緒にいたら食っちまわぁ。」
そう言い、龍季は
去っていった。
「・・・・・。」
風飛市
「・・・よし、誰もいないな。」
龍季はどことなくそわそわしていた。
「こんなところ、誰かに見られたら
なんて言われるか・・・。」
「まったくだな。」
「ああほんとに・・・まったく・・・・。
・・・・!?」
「? どうした?」
「おお、お、お前、いつからそこに!?」
龍季の後ろには
いつの間にかロウがいた。
「ん? いや、お前が出かける
途中でルンルン鼻歌歌ってる時から。」
「てめえ・・・・!!」
顔を少し赤くし、
胸ぐらをつかむ。
「なんだ? あいつに用だったのか?」
「な、ちち、ち、ちげえよ!!
べ、別にハムスターにゃ用事ねえよ!」
「だが残念だったな。あいにく今は散歩に
行ってていねえぞ。」
「く、さ、散歩に行っちまったのか!?」
「本当に残念そうだな。」
「い、いや、これは、その、別に
犬が好きだとか、その・・・・。」
「ふ~ん。・・・・ふっ。」
軽く鼻で笑う。
「く・・・・! ぐ、ぐわあああ!!
覚えとけよこのヤロー!!」
そういい捨て、一気に走る。
「シロー、待ってろぉぉぉ!!!」
「さて、帰るとするか・・・。」
翌日
「・・・おい、そこのお前、ちょっと
ツラァ貸しな!」
誰のことだろうか。
「お前だよお前! 間抜け面の
テメーだ! 来い!」
「なんだ、エセ不良。」
「誰がエセ不良だ!! いいから
とっとと来い!!」
「どこへだ?」
「こういう場合は屋上だろ!!」
「知らねえよ。」
屋上
「・・・で、この前のことだが・・・。」
「何の話だ。」
「とぼけんな! 昨日のことだよ!」
「・・・・・ああ、あれか。
安心しろ。俺はしょうもないことは
話さない。」
「なんか腑に落ちねえが、とにかく
これ以上オレで遊ぼうなんてマネは
金輪際しようと思わねえことだな!!」
「・・・・で?」
わざとらしく首をかしげる。
「・・・ちっ、ああもういい!!
もうわかったろ! 散れ!!」
「自分で呼び出したんだろうが・・・・。」
ぶつくさ言いながら
屋上を出る。
「・・・くそ、なんなんだよあいつ。」