グリモアーたとえ面倒でも世界は動く-   作:FAMZ

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第39話 晴れる疑い

風紀委員室

 

「で? 俺に何の用だ?

 風紀委員長。」

 

「あんたさんに聞きたいことが何個か

 ありましてね。半ば強制的に

 連れてきてしまいました。」

 

「ほぼ強制だったろ。わきの2人に

 抱えられたぞ。」

 

「それはすみません。・・・・さて、

 そろそろ本題に入りましょうか。」

 

一気に目が鋭くなる。

 

「氷川がさんざん追求したとは

 思いますが、第7次侵攻のことです。」

 

「はあ・・・またか。」

 

まるで喉につかえた魚の小骨だな。

 

「あんたさんにははっきり言って疑わしい

 ところがたくさんあるので、最後の通告を

 と思いまして。」

 

「最後の通告?」

 

「あの時何が起きたのか、話してもらえませんかね?

 でないと、あんたさんを警察に突き出さなきゃ

 いけなくなるんで。」

 

「・・・そうか。だったら話そう。」

 

椅子の背にもたれかかる。

 

「・・・ずいぶんあっさり決めましたね。」

 

「さすがに警察出されたらたまったもんじゃない。

 だったら話す。」

 

「・・そうですか。では、話していただきましょうか。」

 

「ああ。あの時、ビルから狙撃をした

 男を追った。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第7次侵攻終わり

 

「ひっ、ま、待ってくれ・・・!」

 

一は銃を持ったロウに

命乞いをしていた。

 

ロウは銃に弾を装填する。

 

「た、助けてくれ・・・・!」

 

「・・・恨むんなら、天羽を

 恨むんだな。」

 

そう言ってロウは

一の近くの地面に銃口を向けた。

 

パァン! パァン! パァン! パァン!

 

「・・・・え?」

 

大粒の涙を流していた

一は驚いていた。

 

「・・・ふっ、やっぱり

 そうなるか。」

 

ロウは近くにいた義人に

銃を返す。

 

「な、なんで・・・・。」

 

「・・・あんたに罪はない。だが、

 もし失敗したことがばれればあんたの

 命が危ない。」

 

「そ、そんな・・・。」

 

「死にたくなきゃ、すぐに逃げろ。

 だが、その前に一つ聞かせてくれ。」

 

「な、なんです?」

 

「なんであの男に協力した?」

 

ロウにそう聞かれ、一は

下を向く。

 

「・・・か、金に困ってて・・・・

 いうことを聞けば、大金をやるって、

 言われて・・・・。」

 

しどろもどろになりながら答える。

 

「・・・・そうか。・・・おっさん、

 後は頼んだ。」

 

「ああ、わかった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現在

 

「てことで、俺とおっさんはそいつを

 逃がしたわけだ。」

 

「・・・にわかに信じがたいですが・・・。」

 

「そりゃ、俺が散々隠してたからな。

 当然だ。それに俺がそいつを殺したんなら

 そいつの血がたっぷりついてたはずだろ?」

 

「確かに。・・・疑って失礼しましたね。」

 

頭を下げる。

 

「まあ、隠していたこっちの責任だ。

 用が終わったならもう戻るぞ。」

 

「いえいえ、まだ1つ聞きたいことがあります。」

 

「なんだ?」

 

「・・・あんたさん、一体何者なんです?」

 

「? 質問の意味が分からないな。」

 

「ウチらや生徒会があんたさんを調べようと

 したら、執行部から妨害に遭いましてね。」

 

「・・・知ったことじゃないな。」

 

そう言い残し、ロウは出て行った。

 

 

 

 

 

 

 

廊下

 

執行部の妨害・・・・。

天羽のしわざか・・・。

 

「・・・寮に戻るか。」

 

 

 

 

 

 

「あ、せんぱーい!」

 

「ん? ああ、瑠璃川か。」

 

校舎から出たロウに秋穂は手を振る。

 

「あのぅ・・・・。」

 

「ん? どうした?」

 

「何かあったんですか?」

 

「? なんでそう思う?」

 

「あ、その、顔がこ、怖かったので・・・。」

 

「・・・そうか。だが、心配するな。

 大したことじゃない。」

 

「そうですか! よかったです!」

 

にっこりと笑顔を浮かべる。

 

「・・・ん? 先輩、今何か

 言いませんでしたか?」

 

「いや、何も言ってないぞ。

 ・・・・んん?」

 

秋穂の近くの木から

赤い液体が垂れている。

 

なんだ・・・・?

 

ロウは木を見上げる。

 

「げっ。」

 

「え?」

 

秋穂も見上げる。

 

「!! や、やだぁ! おねえちゃん!

 人の上で鼻血を出さないでよ!」

 

「まさかここまでとはな・・・・。」

 

少し顔が引きつる。

 

「もう・・・木に登って興奮して

 鼻血出すなんて意味わかんない。」

 

「まったくだ・・・。おーい、

 さっさとそこから降りろ。」

 

「・・・・ちっ。」

 

「ああ?」

 

木から降りる秋穂の姉、春乃は

ロウに舌打ちする。

 

「あんた、さっきいやらしい目で

 この子を見てただろ。」

 

「・・・・・はあ?」

 

「お、おねえちゃん!」

 

「私の目に狂いはない! あんたの目

 猛獣の目になってた!」

 

狂いまくりだろ。

 

「言いがかりもいいとこだ。」

 

「あんた、今すぐ謝りなさいよ!

 目の前のこの天使に!」

 

「・・・・ああ?」

 

徐々に怒りがわく。

 

「・・・・さすがに限界だ。

 謝る気は一切ない。」

 

「へえ・・・・・。」

 

手をパキパキと鳴らす。

 

「あ、あの・・・・。」

 

「ここで一戦おっぱじめようってわけか。」

 

ロウはROOMを作ろうとする。

 

「・・・・やっぱりやめよう。

 風紀委員が来たら面倒だ。」

 

「まあ、否定はしないわ。だが

 二度と秋穂に近づくなわかったな。」

 

春乃はその場から立ち去った。

 

「知ったことか。」

 

「い、いつもいつも姉がすみません!」

 

何度も頭を下げる。

 

「はあ・・・お前は気にするな。

 あれに異常がありすぎるだけだ。」

 

「うぅ・・・昔からなんです。

 何度も言ったんですけど・・・。」

 

「もはや何言っても無駄か。

 ・・・さて、俺は寮に戻る。」

 

「は、はい!」

 

まったく、あいつも大変だな・・・・。

 

この少しあと、ロウは

春乃のシスコンの理由を知ることになるが、

この時のロウはまだそれを知らない。

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