グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
学園
バラ園
「ったく、あいつどこ行った?」
ロウは誰かを探し、
バラ園をぶらぶらしていた。
「あれ? 先輩じゃないですか。」
「ん、小鳥遊か。」
ゲームをしていた自由に会う。
「どうしました? こんなところに。」
「いや、野薔薇を探してるんだが・・・・。」
「お嬢、ですか? 言伝で
よければ伝えておきますけど。」
「昨日あいつに『一緒に買い物に
行きましょう』・・・て、連絡があったんだよ。」
「ていうか、今のお嬢の真似っすか?」
「ああ、似てたろ?」
「そっくりですよ! にしても、
はあ・・・・あのお嬢は・・・。」
自由は頭を抱える。
「? なんだいないのか?」
「ええ。もう帰られたんすよ。
寮ではなく、実家に。ですから
もう今日は帰ってこないんすよ。」
「そうなのか・・・・まったく・・・。」
「すみません。お嬢にはあとで自分から
キツーく言っておきますんで。」
「そうしておいてくれ。」
さて、どうするかな・・・・。
「・・・・あ、ねえ、先輩。」
「ん?」
「もしご迷惑じゃなければですけど・・・。
自分がお伴しますよ、買い物。」
「お前がか? ・・・・・そうするか。
正直、俺が行くとこはあんまり
きれいなとこじゃないからな。」
「へえ? それはそれで楽しみっすねぇ。」
「よし、んじゃあ行くぞ。」
「はい!」
<ロウ、自由、移動中>
喫茶店
「いやー、結構面白かったすね、
あのジャンクショップ!」
「だろう? 無駄に質がいいからな。」
ロウの隣には部品のようなものが
大量に入った紙袋がある。
「ところで、そんなに買って
何作るんすか?」
「・・・ちょっと近くに。」
「? はい。」
お互い、顔を近づける。
「防犯用の爆弾。」
「ば、ばく・・・んむ!?」
大声を出しかけた自由の
口をロウが手でふさぐ。
「大きな声出すな。まあ、爆弾つっても
相手を傷つけるんじゃなく、ただ単に
光でびっくりさせるだけだ。」
「なんだ・・・・焦りましたよ・・・・。」
「実際んなもん作るわけねえだろ・・・・
おっ、来た来た。」
2人の前にブラックコーヒーと
アイスココアが運ばれる。
ロウはコーヒーを口に含む。
「・・・ふう。」
「先輩、よくコーヒー飲んでますよね?
飽きません?」
「いいや、もうコーヒー中毒なんだよ。
飲まなかったらその日一日イライラしてる。」
「マジっすか・・・。でもでも、ここの
アイスココア、滅茶苦茶おいしんすよ。
どうですか? 一口?」
アイスココアのカップを
ロウの前に出す。
「へえ、どれどれ・・・。」
アイスココアを一口飲む。
「・・・おっ、結構うまいな。」
「でしょでしょ♪ いやー先輩にも
この美味しさが伝わってよかったぁー
・・・・・あっ。」
「ん? どうした?」
「あーいえ、今の間接キスだなーって。
ま、自分は気にしないっすけど。」
「そういえばそうか。」
「あれ、先輩も気にしないタイプっすか?」
「ああ、別に気にすることでもないだろ。」
「・・・へえ、そうですか。」
「そういうもんだ。」
コーヒーを一気に飲み干した。
<ロウ、自由、いろいろ散策中>
「いやーやっぱり、ボウリングは
すっきりしますねー!」
「なかなか気分がいいな。」
「にしても先輩すごいっすね。
3ゲームでアベレージ250って。」
お互いに紙を見せ合う。
「言ってるお前も、245だろ。」
「でも先輩、今日までで3回くらいなんですよね?
ボウリングやるの。」
「あんまりやる暇もなかったからな。」
「親とかとよく遊びに来ませんでした?」
「・・・・いや、覚えてないな。」
一瞬、険しい顔になる。
「・・・先輩?」
心配になり、顔を覗き込む。
「・・・ん、ああどうした?」
「いや、ちょっと怖い顔に
なってたんで・・・・。」
「・・・そうか?」
優しく微笑んだ。
「///!?」
「? どうした、小鳥遊。
顔赤いぞ。」
「///あ、ああ、いえいえ、
なんでもないんすよ?」
「ならいいが。・・・・さて、
そろそろ帰るか?」
「そ、そうっすね。・・・ふふ、
やっぱり先輩と一緒にいると
楽しいですわ。」
「ふっ、急になんだ?」
「えへへ・・・・・・
・・・・! ね、ねえ先輩。」
自由はロウの服の袖を引っ張る。
「?」
「もーちょっとだけ、自分に
付き合ってもらってもいいですかね?」
<ロウ、自由、移動中>
屋上
「んー! 風が気持ちいいっすねー!」
「ああ、まったくだ。」
にしてもなんで急にこんなところに
来たんだ?
「・・・自分の名前、『自由』の
由来なんですけどね?」
「うん?」
「『青空で小鳥が遊ぶように自由気ままに
過ごしなさい』そうゆう意味を込めて
つけたらしいっす。以上、自由雑学
でしたぁ~っと。」
「どうした急に。」
「・・・そういえば、先輩の
ロウって名前、どんな意味があるんすか?」
「名前の意味? ・・・・さあ、
なんだったか・・・。・・・・もう
聞ける親もいねえけどな。」
最後だけ小さな声で言う。
「? ・・・さてさて、雑談はこのあたりで。
本題に入りましょうか。」
「なんだ、本題って。」
「・・・告白とか期待してたら
申し訳ないですが・・・。」
「いや、してない。」
「あ、そ、そうですか。
ちょっと複雑っすわ・・・。」
「んで? 本題ってなんだよ。」
ロウには聞こえていなかったようだ。
「・・・先輩、お嬢と仲いいじゃないですか。」
「まあな。」
「お嬢もお嬢で先輩のこと気に入ってる
みたいなんですよ。だから、先輩。
これからよろしくしてあげてください。」
にこっと笑った。
「・・・それだけか?」
「はい、それだけです。以上! 解散!
今日はありがとうございました!」
頭を下げる。
「・・・ああ。お前はまだ
帰らないのか?」
「自分は、もうちょっと風に当たってから
帰りますんで。」
「そうか、じゃあな、小鳥遊。
お疲れ。」
「はい、お疲れさまでした!」
ロウは寮に戻っていった。
「はぁ・・・案外チキンなんすねー自分って。
初めて知りましたよ・・・自己嫌悪っす。」
ベンチに腰掛け、顔を俯く。
「小鳥遊自由ルートなんて、
存在しえない未来って、ことですかね・・・。」
そう言った自由は
涙を流していた。