グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
「ふぅ・・・終わった終わった。」
クエストの報告を終えた
ロウは寮に戻ろうとしていた。
「あ、ロウさん!」
「仲月? どうした?」
「いえ、シローのことのお礼と
お詫びをしたいんですぅ!」
「礼と詫び?」
「これから・・ごいっしょに
ごはんを食べに行きましょお!
きゃあ~、おさそいしちゃいましたぁ!」
手で顔を押さえる。
「いかがでしょうか。」
「ん・・・・。
別に予定もないしな。いいぞ。」
デバイスを確認し、了承する。
「にしても、よく疲れてないな?」
「お疲れではありませんよぉ。
シローだってこんなにげんきです。」
シローを抱える。
「んで、時間はどうする?」
「そうですねぇ・・・・。じゃあ、
ここで待っててください!」
そう言ってさらはどこかへ
走っていった。
「?」
数分後
「ん、あの犬、置いてきたのか。」
戻ってきたさらの肩には
シローが乗っていなかった。
「そうですよぉ? 今は事務員さんに
預かっていただいてるのです。」
「そうか。」
「むー。もしかしてわたしだけじゃ
ものたりなかったですか?」
頬を膨らませる。
「んなこと言ってねえだろ。」
「・・・むふふぅ~
じょうだんですよぉ♪
じゃ、いきましょうか? こちらですよぉ♪」
スキップしながら
目的地に向かう。
「・・・変わり身早いな。」
ロウも後に続いた。
喫茶店
よく来るところだが、
まあ黙っておくか。
「ふわぁ~来ました~! わたしの
大好きなハニートーストちゃん!」
そう思っていたロウのところに
さらが頼んだハニートーストが運ばれる。
「わぁ~クリームがほっわほわ。
こ~んなに山盛り♪」
今日一番の笑顔を浮かべる。
「見てるだけで幸せな気分になりますね。
・・・わたし、しばらく見てることに
しますです。」
「むぐむぐ・・・・そうか。」
ロウはパフェと
ブラックコーヒーを頼んでいた。
「じー・・・・・ふわ、む、むりです!
むりでした! がまんできません!」
そう言い、フォークを手に取る。
「いっただきまーす♪」
ハニートーストをほおばる。
「はむはむ・・・はふふ・・・・
おいひいれすぅ~。」
頬を押さえる。
「はや? あらたのも・・・
おいひそうれすねぇ・・・・。」
「いやまず食べながら
しゃべんなよ・・・。」
「プリンの周りにフルーツが
いっぱい・・・・。」
目をキラキラさせている。
「・・・しばらく見ててもいいですか?」
そう言ったさらのスプーンが
徐々にこちらに向かっていた。
「・・・?」
すると、ロウの目の前にあったはずの
プリンやフルーツが消えていた。
「はぁ~おいしいですぅ~♪」
「手品かよ・・・・。」
一瞬で食われたな・・・。
「・・・はっ! ご、ごめんなさい!
わたし、あなたの分までぺろりと・・・。」
「まあ、いい。新しいものを頼む。
あっ、すいません。」
ロウは新しいデザートを注文した。
「おいしいものを見ると・・・
ついつい手を出してしまうのですぅ。
・・・あっ、新しいのが来ましたよ♪」
「仕事早いなここ。」
ロウが次に頼んだのは
パンケーキだった。
「・・・今度は、だいじょうぶです。」
そう言って、目をつぶる。
「わたしは、目をつぶっておりますから。」
「ああ・・・わかった。
可能な限りそうしとけ。」
ロウがパンケーキを食べ進める。
「・・・くんくん・・・・おいしそうな
パンケーキの匂いですねぇ・・・。
はちみつとバターの香りが・・・・くんくん
たまらない、ですぅ・・・・。」
これデジャヴじゃねえか?
そう思いながらも
食べ進める。
「ちょ、ちょっとだけ
目を開けてもいいですかぁ?」
ゆっくりと目を開ける。
「・・・ふわあぁ~おいしそうな
パンケーキですぅ!」
「それみたことか。」
さらはすぐに
フォークとナイフを手に持つ。
「いっただきま~す! はむ!」
幸せそうな顔を浮かべる。
「結局こうなるか・・・・。」
ピピピ! ピピピ!
「ん? ・・・副会長か。
もしもし?」
「んむ? ロウふぁん?」
「・・・今から? めんどくせえ・・・・
ああ、わかったわかった。すぐ戻る。」
通話を切る。
「どうかひましたかぁ?」
口をもぐもぐさせている。
「悪いが、俺は学園に戻る。」
残っていたコーヒーを
一気に飲み干す。
「金は払っておくから
俺は先に出る。んじゃあな。」
「ふわぁ~い♪」
ロウは早足で店を出た。
<ロウ、移動中>
学園
生徒会室
「・・・ということで、
あなたには次の裏世界探索に
出ていただきたいのです。」
薫子の話の内容は
再び裏世界の探索を行うことに
なったため、協力してほしいということだった。
「どうせ断っても無理やり参加
させそうだしな。いいぞ。」
「ふふっ。」
不敵に笑う。
「んで? なんでわざわざこんな風に
呼び出したんだ?」
「単純な話ですわ。遊佐鳴子の監視をしてほしいのです。」
「遊佐を?」
「ええ、今回の目的は、彼女の
協力者と合流することです。その方が
変な行動をしないかどうか・・・・。」
「・・・なるほど。まあいいだろ。」
そう言って、ロウは
生徒会室から出て行った。
「・・・さぁて、どうなるかな・・・。」