グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
学園
「アルパッカパッカ~♪
馬ぱっかぱっか~♪ よっちゃばれ~、
ぼくじょ~お♪」
「なんだその歌。」
ロウはさらの歌っていた
歌について聞く。
「よっちゃばれ牧場っていうCMの
歌なんですよぉ!」
「・・・ああ、あのアルパカが大量に
出てくるやつか。」
何度か見たな・・・。
「わたし、アルパカさんにお会いするのは
初めてですぅ!」
わんわん!
シローは答えるように吠える。
「ふふふ、シローもお友達が
できるといいですねぇ。」
「とはいえ、警備のクエスト。何が
あるかわからねえしな。」
そう言って、軽く欠伸する。
「しんぱいしないでください!
わたしにおまかせですよぉ!
・・・・あれ?」
「ん?」
「あそこにいるの・・・たつきさん?」
龍季を指さす。
「おお、朝比奈。」
「げっ。」
ロウの顔を見て、顔をしかめる。
「なんだその顔。」
「う、うるせえ!」
「んで、何しに来たんだ? 見送りか?」
「た、たまたま通りかかっただけだ。」
そっぽを向く。
「・・・実は行きたかったな?」
「べ、別に! 動物とかきょーみねーし!」
「ん? でもお前この前、駅前で
野良猫に」
「うわあああ!!」
大声を出し、ロウの話を遮る。
「うるさいやつだ。」
「てめえのせいだろ! てか、俺は
今日、訓練日なんだよ・・・。」
「なんだ、そうだったのか。」
「うぐ・・・。」
悔しそうな顔をする。
「たつきさん・・・・。写真、たくさん
送りますねぇ! たのしみにしててください!」
「ああ、頼む。」
「では、いってきますねぇ!」
走っていった。
「・・・・・・・。」
「行きたかったんだろ?」
「うるせえ!」
<ロウたち、移動中>
よっちゃばれ牧場
「うわ~! 牧場、広いですぅ!」
わんわん!
「牧場か・・・初めて来たな。」
「シローもやる気まんまんですぅ!
えらいですよぉ。」
シローをなでる。
「よーし! ロウさん! さっそく、
お仕事しましょお! ・・・・・・
けいびって、何をすればいいんでしょう?」
首をかしげる。
「まあ、警備なんて何かトラブル
起きなきゃ暇なもんだ。」
大きく欠伸をする。
「そうなんですか・・・・。
・・・あっ、イヴちゃん!」
「ん? ああ、本当だ。」
さらが柵の近くにいた
イヴを指さした。
さらはイヴに駆け寄る。
「よっ。」
「! ・・・本当によく会いますね。」
「イヴちゃんも警備だったんですねぇ!」
「ええ・・・まさか、こんな遊び半分の
クエストだとは思わなかったけれど。」
「たまにはこういうのも必要だろ。」
「・・・そうですね。でも、単位が出るとは
いえ、魔法にかかわる勉強はできなさそうね。」
はあ・・・とため息をつく。
「んなこと考えてたのか・・・。」
「・・・ふふふ。」
急にさらがほほ笑む。
「? なにか?」
「イヴちゃん、もうヤギさんと仲良しですねぇ。
お洋服、つかんでますよぉ!」
「え・・・?」
ふと見ると、ヤギが
イヴのスカートのはしをくわえていた。
「ん・・・? くく、ははははは!」
「こ、こら、離しなさい! これは
食べ物ではないわ!」
ヤギから離そうとするが
ヤギは離そうとせず、
引っ張り始める。
「ひ、ひっぱっちゃだめ・・!
あ、こら・・・や、やめ・・・・。」
「ひー! ひー!」
地面をたたいて笑うロウ。
ヤギに引っ張られ、
イヴはどこかに連れていかれる。
「イヴちゃん、モテモテですねぇ。」
「あー面白かった。腹が痛い。」
どどどど・・・
「・・・なんか聞こえるな。」
「なんでしょう、この音。」
2人は後ろを振り向く。
グワ! グワワッワー!
アヒルの大群が走ってきていた。
「うおお!?」
「きゃあああ!」
何とか2人は避難し、
アヒルの大群をかわす。
「い、今のって・・・・。」
「・・・アヒルだな。脱走したんだろ。」
「・・・は、早くつかまえましょう!」
<ロウ、さら、アヒルを追跡>
そのころ・・・
「おお~、いい牛だな、こりゃ。」
「花梨~! たくさん搾れたヨ!
タンク、どこに置くカ?」
花梨と小蓮は牛の搾乳をしていた。
「おぉ、こっちさ置いてけろじゃ。」
「アイサ~!」
大きいタンクを
地面に置く。
「はあ・・・それにしても珍しい
食材はどこカ。変わった動物いると
思ったのにナ・・・。」
小さい声でつぶやく。
どどどどど・・・・
「・・・ん? ナニか、この地響き・・・。
・・・・アイヤー!」
白い塊が迫っていた。
「な、何カ! あれ・・・アヒル!?」
「たまげたなぁ・・・
アヒルの大行進だべ。」
「かりんちゃ~ん! しゃおれんちゃ~ん!」
「おい、2人とも! そのアヒルども
捕まえろ!」
アヒルたちの後ろを
ロウとさらが追っていた。
「ロウ、仲月、なしたっきゃ?」
「とり小屋から逃げちゃったんですぅ~!」
「2人とも頼む!」
「アイ、任せるヨ! とわちゃー!」
小蓮がアヒルを追う。
「一匹残らず美味しい北京ダックに
してやるヨロシー!」
「ええ!? しゃ、しゃおれんちゃ~ん!
食べちゃためですよぉ~!」
グワ!? グワワ!? グワワー!
「あっ、待つネ! ワタシの食材ー!」
逃げるアヒルを小蓮は追いかけ、
その小蓮をさらは追いかける。
「いったい何なんだべ・・・ん?」
「あっ。」
花梨の足元にアヒルが
一匹とどまっていた。
「おめさ、置いてかれたっきゃ?」
そう言うとアヒルは
花梨の足元に頭を擦り付ける。
「な、なんだべ。そんなに甘えても
なんもねえぞ?」
「・・・まあ、とりあえず、そいつ
捕まえてこっちに渡してくれ。」
両手を差し出す。
しかし、アヒルは抵抗する。
「そ、そったに嫌がらんでも・・・
な、なんか気に入られっちまったみてえだすけ。」
「そうか・・・んじゃあ、しばらくそいつは
頼んだ。俺は残りを追う。」
ロウは走り出した。
<ロウ、追跡中>
「うっ・・・だから、話しなさいって・・・!」
同じころ、イヴはいまだ
ヤギと格闘していた。
「ほら、エサはこっちに・・・・・
なんでこの服にこだわるのよ・・・・。」
「冬樹? 何をしている。」
エレンが声をかける。
「・・・なんでもありません。」
少し恥ずかしそうに顔をそむける。
「ずいぶんヤギに気に入られたようだな。
だが、怒鳴りつけたところで、離しては
もらえんぞ。」
「・・・放っておいてください。」
「悪意がない相手には根気が必要だ。
短気を起こすな。時間をかけて心を通じさせろ。」
「動物と心を通わせるとは軍人らしく
ない夢のある言い方ですね。」
「軍隊は動物も使う。言葉などなくとも、
種族が違っても、親友となることができる。
現実的な話だ。」
「・・・・。」
「エレンさ~ん!」
さらが2人のもとに走ってくる。
「こっちにアヒル・・・・・あれ?
イヴちゃん、まだヤギさんと・・・。」
「・・・! これは・・・。」
「ふぅ・・・やっと追いつい・・・
なんだ、まだやってたのか。」
追いついたロウもさらと
ほとんど同じことを言う。
「・・・・・。」
「めっですよぉ。イヴちゃんが
困ってますぅ。」
「そんなの、口で言ってもわかるわけ・・・ !」
ヤギが口から服を離す。
「は、離した?」
「ふふふ、いいこですねぇ~。」
「ふむ・・・。」
「さすがだな。」
「・・・・・。」
「ところで、こっちにアヒルの
大群が来なかったか?」
忘れるところだった・・・。
「いや、見ていないが・・・。」
「そうですかぁ・・・困りましたぁ。
もしこのまま捕まらなかったら・・・
どうしよう・・・。」
「・・・・・冬樹、手伝ってやれ。」
「!? なんですって!?」
驚きの声を上げる。
「私も牛を戻したら、手伝いに向かおう。
・・・さすが、犬と家族なだけはある。」
さらを見てふっ、と笑う。
「?」
「ハンドラーを目指すのもいいかも
しれないな。興味があったら紹介するぞ。」
そう言ってエレンは作業に戻る。
「はんどらー・・・ですか?」
「動物の訓練士みたいなものだ。」
「そうなんですかぁ。」
「か、勝手に決めて・・・。」
少し怒っていた。
「よろしくお願いしますぅ!」
「・・・・わ、わかったわ。」
「ああ、また逃げられたネ!」
「うう~どうして逃げるんですか・・・・
アヒルさ~ん!」
「はあ・・・これじゃあ、きりがないぞ。」
少し息を切らせる。
「おー、ずいぶんお祭り騒ぎだべ。」
「里中さん、そのアヒルは?」
「なんか、懐かれちまってなぁ。
たぶん、知らない人が来て怖がってるんだべなぁ。」
「・・・怖がっている?」
イヴはゆっくりと
アヒルに近づく。
「ア、アヒル、こっちに・・・おいで。
あなたたちに危害を加えるつもりはないのよ。」
にこっと笑う。
グァ・・・
「・・・突然知らない人が来て、怖かったでしょう?」
アヒルたちがおとなしくなる。
「ふ、フユキ、どんな魔法使ったカ・・・。」
「魔法じゃないわ。予想しただけ。」
「予想?」
「恐らく、犬と人間2人が追いかけてきたから
アヒルにとって怖かったんでしょう。」
「・・・・。」
つまり原因は半分俺らか。
「フユキ・・・たまげたな!」
「イヴちゃん、カッコいいですぅ・・・。」
さらと小蓮は目をキラキラさせる。
「じゃあワタシが料理するって言ってたのも
聞いてたカモ・・・だ、大丈夫ヨー!アナタたちを
料理しないと関帝に誓うヨー!」
「シローもちょっと肩の上でおとなしく
しててくださいねぇ。」
シローを肩に乗せる。
「ん?」
アヒルたちがイヴの近くに集まる。
「さっきまで逃げてたとは
思えねえな・・・。」
「でもこれならちょうどいいヨ!
このまま柵に誘導してしまうネ!」
「イヴちゃんイヴちゃん!」
「な、なにかしら?」
「笑ってるイヴちゃん、ノエルちゃんに
そっくりでしたよぉ!」
「!? ・・・私と、ノエルが・・・?」
少し動揺する。
「はいぃ! すてきなおねえさんですぅ!」
「・・・・・!」
動揺からか柵とは
逆の方向に歩く。
「あっ、おい! そっちじゃねえぞ!」
「アイヤー! アヒルたちが
ついていっちゃうヨ!」
「お、追いかけましょお!」
その後、なんとかアヒルたちを誘導し、
クエストを完了させた。