グリモアーたとえ面倒でも世界は動く- 作:FAMZ
学園
この日、ロウは薫子の
案内で、新しい学園長に
会うことになっていた。
「さあ、ロウさん。こちらです。」
学園長室の前に着いた
薫子はそう言った。
「んで、結局、新学園長ってのは
どんな奴なんだよ。」
「会えばわかりますよ。では、
私はこれで。」
意味深にほほ笑んで去っていく。
「・・・ったく。」
コンコンとドアをノックする。
「はーい!」
「・・・・やけに若いな。」
声のトーンである程度の
年齢を察する。
「入るぞー。」
さぁて、どんな奴か・・・・。
ロウは学園長室に入る。
「・・・ん?」
部屋の中では
学園長のいすに座っている
女子生徒しかいなかった。
「・・・・誰?」
「ふふ~ん♪ もしかして、
お兄ちゃんがおじいちゃんが言ってた
相田ロウって人?」
「そうだが・・・いや、だから
お前は誰だよ。」
「あ、そっか! 自己紹介しなきゃね!
ネネ、犬川寧々っていうの。」
「犬川・・・・・? ! まさか、
お前が新しい学園長か?」
「そうだよ、おじいちゃんはグリモアの
学園長だったんだよ。」
ふふん、と胸を張る。
「それは知ってるが・・・。にしても、
この年で学園長やらせるかよ、あのじじい・・・。」
「? なにかいった?」
「・・・いや、なんでもねえ。」
「! そうだ!」
「ん?」
「お兄ちゃんに一つ、お願いごとが
あるの。」
「なんだ。」
「ふふふ~。実は・・・・。」
校門前
「ったく、何かと思えば・・・・。」
さっきまで、制服だった
ロウは戦闘服になっていた。
「ふんふふ~ん♪」
寧々も制服から戦闘服へ
変わっていた。
「クエストかよ・・・。」
「それじゃあ、行くよ!
お兄ちゃん♪」
<ロウ、寧々、移動中>
「きゃあ~! 助けて助けて~!」
クエストに出た2人は
早速魔物と遭遇していた。
「『ROOM』!」
青いサークルを出現させる。
「ふん・・・!」
刀を振り、魔物を真っ二つにする。
「よし・・・もういいぞ。」
どさくさに紛れ、
茂みに隠れていた寧々を呼ぶ。
「ほ、ほんとに?」
涙目になりながら出てくる。
「ああ、本当だ。てか、覚醒したんだから
魔法使えるんじゃないのか?」
「だって、まだ魔法習ってないもん。」
「・・・・何?」
上ずった声を上げる。
「だって、魔物を生で見て見たかったんだもん。
だからクエストを受けたし、戦うのは
任せればいいかなって・・・。」
「てめえ・・・・。」
刀を思い切り握りしめる。
「な、なんで怒るのよ~! ネネ、
学園長なんだからね! ネネのこといじめたら
退学なんだからぁ!」
「知ったことか。」
「こ、怖い顔しないでよ・・・・・。
ネネ、泣いちゃうよ?」
「・・・・・。」
無言で威圧する。
「・・・うぅ・・・わかった。」
迫力に押される。
「わかりましたぁ! おとなしくしてるわよ!
・・・帰ったら言いつけてやるんだから。」
小さい声でつぶやく。
「なんか言ったか?」
「なんでもない。」
頬を膨らませる。
数分後
ロウと寧々は再び
魔物と遭遇していた。
「『カウンターショック』!!」
魔物に電撃を浴びせ、
霧散させる。
「!! いやあ!」
寧々は目をつぶり、
手を前に出す。
すると、巨大な光が
放出される。
魔物はそれを浴び、霧散する。
「・・・ふぇ? い、今ネネの手から・・・
今のが、魔法?」
「と言っても、安定してないな。
使えない俺が言うのもなんだが・・・。
さて、魔物は倒し終えた。そろそろ戻るぞ。」
「うん! あ、そうだ。帰りに何か
買って」
「自分で買え。」
「ぶぅ・・・・。」
<ロウ、寧々、学園に戻る>
学園
「にしても」
「え?」
「よく学園長なんて面倒なことを
やろうと思ったな。」
普通ならやろうとは
思わないがな。
「ネネね、学園長のお仕事、ずっと見てたんだ。
おじいちゃん、もう100歳くらいだったから
今は山奥に引っ込んじゃったんだ。」
「山奥・・・。」
本当は死んでる・・・ってのは
言わねえほうがよさそうだな。
「だから頑張って、この学園を
わがもの、にするんだよ!」
「・・・・。」
あのじじい・・・どんな
教育しやがった・・・・・。
「ふふふ、ネネ、おじいちゃんみたいな
りっぱな学園長になるんだぁ・・・。」
にこやかな笑顔になる。
「・・・・・案外なるかもな・・・・。」
ぼそっとそうつぶやいた。